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 シアターコクーン/Bunkamura製作「女教師(じょきょうし)は二度抱かれた」

 @渋谷 シアターコクーン(2008/8/4-27 28ステージ)
 http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/index.html
 全指定 S席9500円 A7500円 コクーンシート5000円 当日券中2階立見3500円
 2階立見券3000円

 作・演出:松尾スズキ[大人計画]
 美術:二村周作 照明:大島祐夫 音楽:星野源 音楽監督:門司肇
 振付:振付稼業air:man 音響:山本浩一 衣装:戸田京子 映像:ムーチョ村松
 ヘアメイク:大和田一美 演出助手:大堀光威、佐藤涼子 舞台監督:舛田勝敏
 宣伝イラスト:河井克夫 宣伝美術:永石勝
 制作:松井珠美 プロデューサー:加藤真規 主催・企画・製作:Bunkamura
 制作協力:大人計画、 松竹株式会社
 出演:
 市川染五郎 :天久六郎(小劇場劇団ビリーバーズ・演出家)
 大竹しのぶ :山岸涼子(自称女優 元高校演劇部顧問)
 阿部サダヲ :滝川栗乃介(異端の歌舞伎役者)、研究生1
 荒川良々  :弁慶(栗乃介付き人)、動物、修学旅行生

 市川実和子 :白石泉(劇団ビリーバーズ制作)
 星野源   :元気(泉の恋人)、三郎、助監督
 池津祥子  :江川昭子(劇団ビリーバーズ看板女優)、パート
 ノゾエ征爾 :つげ(劇団ビリーバーズ座付作家)、研究生2  [はえぎわ]

 宍戸美和公 :輪尾(劇団ビリーバーズスタッフ)、ババア、ルクルーゼ妻、
        メリヤス、動物、修学旅行生
 少路勇介  :ポッキー(小劇場役者)、録音部、動物園の係員、救急隊員1、工員
 村杉蝉之介 :家出(劇場マネージャー)、パート
 菅原永二  :山木、一宮カノン、副主任、研究生3 [猫のホテル]
 皆川猿時  :克夫、司会者、主任、ディレクター、救急隊員2
 平岩紙   :杏(風俗嬢)、研究生4、ウェイトレス、黒子
 赤池忠訓  :その他

 浅野和之  :鉱物圭一(北九州の実業家)
 松尾スズキ :ルクルーゼ(演出家)、ダンサー、お子様ランチ、一本木

 荒野のバンド
 Piano:門司肇、伊藤靖浩、伊賀拓郎 wood bass:田中馨、佐藤えりか
 percussion:BIC、前田卓次 marimba&vibraphone :高良久美子、藤井里佳
 sax & flute & percussion:清水直人

 2008/8/10(日)曇 2:02-5:27PM(1'37/休21/1'24)1F後方 客席超満員(780?人)
 客層:20-30才代中心、女性8割、中年層ちらほら。
 客入れ:ほぼ定時に開演するので遅刻注意。当日券。2階立ち見は埋めきらず、
 3F立ち見なし。折り込みチラシそれなり。パンフなし。
 物販。パンフ A4 50ページ 1800円。役者ページ中心。おまけにチラシと同絵柄
 のクリアファイル(別の絵柄でほしいねこ) ビニール手提げあり。あとTシャツ
 とか。 カーテンコール3分2回。

 サモ・アリナンズでの旧作再演でいい感じに復調した松尾スズキ・最新商業演劇。

 舞台。事務所やら、ホモバーやら、盆にのせてちゃちゃと展開。歌舞伎座風の屋根
 メタルジャケットな頭上大瓦が常駐。劇中劇では、松尾画伯の安っぽい背景幕を
 多用、ファンにはお楽しみ

 お話。気鋭の小劇場演劇・演出家にチャンス、歌舞伎界の人気はぐれ者から舞台製作
 のオファー。そんな折、演出家の前に高校演劇部の顧問が現れる。かつて二人は
 男と女の関係に墜ち、露見、女教師は退職させられていた。女教師は女優を自称し、
 かつての教え子に急接近する。

 コクーン、スズナリ化成功。雑多に荒くれ、シリアスも軽薄にギャグめく、愉快な
 陰々滅々・松尾ワールド食べ放題。ごっつあんです。調子こきまくる台詞の応酬、
 枝葉(制作恋人達と遺体ババアとか)はどうなってるんだ眩惑構成、豪華なセットを
 安っぽく見せる美術、贅沢役者をおかしなヘンテコキャラとする細かい演出 ら
 屈託ぶりが素敵。 ポイント毎の歌はコンパクトによく聞かせ、大竹さんが主導。
 全編、狂気と不条理が怒濤と流れる川底に、やるせねえ人の条理、情念がじっとり
 横たわっているのが堪らないねこ。

 後半〜終盤に川底が見え始め、様相一変。女教師の孤独と狂気、思いままならぬ現実
 という宿業が露わとなり、演出家、実業家と三つどもえ。がっちり骨太に描かれた
 切実な物語を、これはこれでまた堪能するねこ。

 役者。かちっとしたかっこいい芝居は禁じ手な、演出家役・染五郎。自虐的な扱いに
 、素直なかわいさ滲み。女教師役・大竹しのぶ。結構自由に、自然体で不自然さを
 出した感。常時戦闘態勢に尖る歌舞伎役者役・阿部サダヲ。囃子方として健闘。逆に
 案配よく抑え気味だった、皆川猿時。ゲイバーキャラは得意技、菅原永二。危険な
 かわいさ、下卑た姿にも愛情感じさせる、平岩紙。柔軟な身体性・浅野和之。身を
 呈してギャグめく、松尾スズキ。変な動きとか、気持ち悪いキャラとか出番が多く、
 ファンには嬉しいところ。

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