[前頁] [ホーム] [一覧] [次頁]

 シス・カンパ二―「人形の家」

 @渋谷 Bunkamuraシアターコクーン(2008/9/5-30 30ステージ)
 http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/index.html
 全指定 S席9000円 特設S席9000円 A席7000円 コクーンシート5000円

 作:ヘンリック・イプセン 演出:デヴィッド・ルヴォー
 英訳台本:フランク・マックギネス 翻訳:徐賀世子 美術:礒沼陽子 照明:小川幾雄
 音響:高橋巌  衣装:伊藤佐智子 ヘアメイク:鎌田直樹 演出助手:西祐子
 舞台監督:瀧原寿子 プロデューサー:北村明子 提携 :Bunkamura
 ポスター・イラストレーション:金子國義 宣伝美術:平田好
 後援:ノルウェー王国大使館 企画・製作:シス・カンパ二―
 出演:
 宮沢りえ :ノラ・ヘルメル
 堤真一  :トルヴァル・ヘルメル
 山崎一  :ニルス・クロクスタ
 千葉哲也 :ドクター・ランク
 神野三鈴 :クリスティーネ・リンデ夫人
 松浦佐知子:アンネ・マリーエ(乳母)
 明星真由美:へレーネ(メイド)

 門脇大真(土屋匠)、桐山和己(田村海都)、会田未来(児玉萌々):子役

 2008/9/6(土)曇 6:37-9:24PM(44/休17/43/休11/49)奧側最前方 客席超満員(750?人)
 客層:平均30才代?の大人客席、女性過半数。
 客入れ:センターステージ。通常舞台側はトイレ側通路から入場、退場時は両側通路
 開放。かぶりつき席1,2列(100人)、対面10-11列。2階は2列のみ使用。立見は10人
 ほどとまだ余裕あり、今回は直下舞台で美味しいかも。 折り込みチラシそれなり、
 いつもの配役表なし(やめたのかしら)。物販。パンフ B5 30ページ 1000円。
 読み物充実、お買い得。ポスター 700/500円。 カーテンコール3回3分 1回目ノラ
 ・宮沢は1人立ち、劇作につなげて流石。スタオベぽちぽち、熱心な拍手が残るも
 3回でおしまい。

 久々のルヴォー演出、豪華キャストで1879年イプセン作品を上演。

 舞台。真四角の盆。二方に出入口なステップ、赤いソファ、クッション。片隅に
 子供用木製椅子とテーブル。ここより外、客席側も隣接部屋と見なし。

 お話。主人公の女性が夫ら家族に従順な人形であったことを悟り、独立した一個人と
 して生きるため、出奔するまでの過程を描いてく。

 沈黙さえ豊潤、綿密な劇空間がこの上ない。登場人物の心理に寄り添い、緊密に交感
 する役者達。緊迫感を増していく劇場の冴えた空気感、そこに包まれる悦び。すべて
 が活性化されたライブ空間を、五感フル動員で堪能するねこ。

 スタッフワークも最上等、照明を中心に工夫して物語に伴走。モノトーンの淡い陰影
 鮮やかなパートまたフルカラー。場に合わせ、ハイレスポンスに応答。

 宮崎・ノラという多彩。しなやかな身体、変化に富んだ表情から、ノラという個を
 力強く浮かばせる。かわいらしくも、牙を秘めた野良猫な印象も魅力的。脇は巧者
 揃い。ウィットに富んだ堤のユーモア、哀れな喜劇役者・山崎一、知性と優しさの
 好バランス・神野三鈴。影負う微笑みに人生の意味を思わせる・千葉哲也、松浦
 佐知子、明星真由美。
 

[月間一覧