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 シス・カンパニー「夜の来訪者」

 @新宿 紀伊國屋ホール(2009/2/14-3/15 34ステージ)月曜休演
 http://www.kinokuniya.co.jp/05f/d_01/hall2index.html
 全指定 前売り当日とも6500円

 原作:J・B・プリーストリー「インスペクター・コールズ」 翻案:内村直也
 演出:段田安則 美術:金井勇一郎 照明:小川幾雄 衣裳:前田文子
 音響:加藤温 ヘアメイク:鎌田直樹 演出助手:坂本聖子 舞台監督:榎太郎
 プロデューサー:北村明子 提携:紀伊國屋書店 企画・製作:シス・カンパニ―
 出演:
 高橋克実 :秋吉兼路
 渡辺えり :秋吉和枝
 坂井真紀 :秋吉千沙子
 八嶋智人 :秋吉兼郎  [カムカムミニキーナ]

 岡本健一 :森永良三(千沙子の婚約者)
 段田安則 :警官橋詰
 梅沢昌代 :女中ゆみ

 2009/3/15(日)快晴 1:32-3:38PM(59/休10/54) 後方上手 客席満員(410人)
 客層:20-30才代最多に女性7,8割。
 客入れ:前売り売り切れ。階段に並んだ20人はキャンセル待ち?。ロビーは花への
 メッセージカードが一杯。折り込みチラシそれなり。配役、スタッフ パンフ1枚。
 物販。パンフ A5 オールカラー 22ページ 700円。読み物充実。
 カーテンコール。シス・カンパニー初という役者紹介。2分2回。

 役者・段田安則、初演出。英国ミステリーを、高度成長期の日本に置き換えた翻案
 作品。
 舞台。英国風の広いリビング。パースを効かせ、やや下手向きに置かれ。正面、
 大きな両開きドア、上にステンドガラス。手前、ゆったりしたソファ3方。下手、
 白い暖炉と大きな窓、柱時計。かべに亀の剥製。上手、ターナーの風景画、ウィス
 キーボトルやらある台、隣室へのドア。

 お話。実業家の娘と地元有力者の息子が婚約。夕食後、家族で談笑するところへ、
 警察官が現れ、とある女性の自殺について事情聴取を始まる。身に覚えがないはず
 が、実はいずれも女性と関係、それぞれの秘密が明かされていく。

 ねち濃い尋問、滑稽な悪あがきに黒い笑い、社会悪への警句にしゅんとするねこ。
 緻密しごくも緊迫感とおかしみが案配よい、ミステリ娯楽作。台詞大事、なにより
 は役者。くっきりとした会話に、役者達の個性的な持ち芸が絡み。それぞれの秘密
 、無自覚の悪意がさらけ出される嫌らしい展開も、笑い混じりに楽しむねこ。

 二転三転、落とし穴が待っているブラックな内容は、星新一の作品を彷彿。嘘に
 塗り固められた家族がその場しごきに躍起なる、ばれてしまえば無かったことに
 する。愚かさと身勝手さが情けなく、思わず笑ってしまうねこ。弱者を知らずに
 虐げている社会悪への警句に現代性。うーむねこ。

 役者。渡辺えり、抑え気味の演技、崩れる時々が可笑しい。八嶋智人。バカ哀しい
 時々。坂井真紀。前後半の変化をくっきり、傷みに共感。

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