＠駒場東大前 こまばアゴラ劇場(2009/1/15-25 14ステージ)
http://www.komaba-agora.com/
全自由 前売3000円 当日3200円
脚本・演出：松井周 舞台美術：杉山至+鴉屋 照明：西本彩
衣装：小松陽佳留(une chrysantheme) 舞台監督：小林智
ドラマターグ・演出助手：野村政之 宣伝美術：京 宣伝写真：momoko japan
制作：三好佐智子 企画・製作：サンプル、(有) quinada[キナダ]
提携：(有)アゴラ企画、こまばアゴラ劇場
トークゲスト 15 前田司郎 17中野成樹
出演：
辻美奈子[サンプル･青年団］：浅倉好子（浅倉シェルター役員・長女）
古舘寛治[サンプル･青年団］：浅倉健（浅倉シェルター役員・長男）
中村真生[青年団］ ：浅倉真紀子（次女）
羽場睦子 ：田中サチ（浅倉史明の元愛人）
吉田亮 ：田中半平太（サチの息子）
金子岳憲[ハイバイ］：金井（浅倉シェルター資料部）
石澤彩美 ：長澤（浅倉シェルター資料部）
三橋良平[乞局］ ：由良（浅倉シェルター資料部）
申瑞季[青年団］ ：マダムＫ（檜山グループ総裁夫人）
黒田大輔[THE SHAMPOO HAT］：ゼブラ（使用人）
2009/1/21(水)雨 7:33-9:08PM(1'35)後方下手 客席ほぼ満員(50人)
客層：20-30才代中心、男女半々。
客入れ：荷物預かり積極的、番号順入場。劇場長手方向、ひな壇に桟敷2、椅子2。
中央より奥寄りが見易いと誘導。上下左右とも広く使うので、後方奥よりが○。
暖房を切る旨とブラケットの貸し出しがあること、小道具のボールや役者が客先直近
に迫ること、小麦粉を使うのでアレルギーの人には席替えとマスクの用意があること
等アナウンス。折り込みチラシ結構。パンフ A4両面。挨拶、配役、スタッフ、
予定。次回公演。5/15-24「通過」再演＠三鷹芸術文化センター。物販。台本900円。
カーテンコール1回。
注目の松井周新作。長めの公演日程にて。
舞台。倉庫作業場ですかな、横縞壁の黒くて長い箱。床も紅ストライプ。大小、大は
椅子代わりのゴムボールがそこそこ。上手正面に巨大な10段棚、下手に相似形の
小棚。焼けたファイルまた冊子が並び。作業机が上手３、陳列台が下手２。ポート
レート、帽子、マトリョーシカ、コーラ空き瓶、デスマスクら小物を陳列。裸電球が
それらと部屋の中央上に吊られ。
お話。会社創立者の伝記を造る社員達。その息子でもある役員のもと、黙劇である
人生の一場面を再現しては、あーでもないこーでもない。近親や側近のみならず、
愛人とその息子へのインタビューも行い。招かれざる親子は彼らの痕跡を伝記に
もとめ、一悶着。それを発端、人々の執着と秘密が露わとなって。
ごった煮的に絡まる人間模様、また種々演劇スタイル。伝記という歴史が、真実たる
べきノンフィクションが、人それぞれによって異なる物語に転じてしまう。フィク
ション、演劇の不可思議さ。一層自在な表現で、そこら面白さをビビッドに現し。
また、不自由な人間のありさまも炙り出して、興味深くみるねこ。
愚かで悲しいさま、時にままならぬ愛憎関係を重層させてシニカルも、概観はスラッ
プスティックなリズムで綴り。泥沼万歳天国に、客席からくすくす笑い。悪戯心と
毒気、作家の底意地の悪さも伺えて、黒く笑うねこ。
[月間一覧］