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 新国立劇場制作 2010/2011シーズンオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」

 @初台 新国立劇場オペラ劇場(2011/5/29,6/2,5,8,11 5ステージ)
 http://www.nntt.jac.go.jp/
 全指定 S席23100円 A席18900円 B席12600円 C席7350円 D席4200円
 Z席1500円(抽選及び当日販売)、当日学生割引

 作曲:W.A.モーツァルト 指揮:ミゲル A・ゴメス=マルティネス
 演出:ダミアーノ・ミキエレット 美術・衣裳:パオロ・ファンティン
 照明:アレッサンドロ・カーレッティ 美術・衣裳:パオロ・ファンティン
 舞台監督:村田健輔 
 合唱指揮:冨平恭平 合唱:新国立劇場合唱団
 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
 製作:新国立劇場 http://www.atre.jp/11cosi_fan_tutte/
 出演:
 マリア・ルイジア・ボルシ:フィオルディリージ S (姉 堅い)
 アドリアン・エレート  :グリエルモ Br (大学生 フィオルディリージ婚約者)
 ダニエラ・ピーニ   :ドラベッラ MS (妹 軽め)
 グレゴリー・ウォーレン :フェルランド T (大学生 ドラベッラ婚約者)

 ローマン・トレーケル :ドン・アルフォンソ Bs (キャンプ場経営者)
 タリア・オール    :デスピーナ S (キャンプ場のバー・ウェイトレス)

 2011/5/29(日)雨 2:04-5:37PM(1'28/休33/1'26)3F正面最前 客席ゆる満員(1700?人)
 客席:人生ベテラン方中心に幅広く、男女半々。
 客入れ:S〜B席以外は当日券売り切れ。折り込みチラシ厚め、袋入り。パンフ 配役
 ほか最小限 B5 1枚。物販。パンフ B5 47ページ。読み物結構。ロビーで飲食あれこれ
 でき。コーヒー400円、ボトルワイン1800円とお手軽。
 5:31PM頃終演 カーテンコール2回6分。女性から投げキス。

 教育的寓話らしい、有名オペラ。
 舞台。リアルスケールのキャンプ場ジオラマ。中央、こんもり盛り森の丘陵。ふもと
 三方に装置。レンガに瓦ぶきの事務所と続きのオープンバー。キャンピングカーと
 広場、沢とベンチ。実車!持ちこみ、本水!張り、キャンプ本ファイヤー!と野趣
 溢れ。これらを盆に載せて回転展開。

 お話。意地の悪いキャンプ経営者にそそのかされ、恋人の操を試そうとした大学生達
 がとんだ痛い目に遭う悲喜劇。

 青春の後悔、大人のしくじりを、上々の楽曲と安い茶番劇趣向で見せる珍なる名作。
 悪魔のささやきにのって、軽率な行動にでる若者つう原作を、キャンプ場での一夏の
 アバンチュールに置き換え。古めかしい詩的な台詞にコメントいれつつ、開放的と
 いうか、開き直った演出で面白おかしく。過剰などたばた芝居ら、安さで古くささ、
 教条の臭みを消し。逆に洋の東西を問わない、青春のおばかさ・あるあるなリアリ
 ティをもたせた印象。苦笑しながらも、彼らを見舞う独りよがりな不幸がバカ哀しく
 て、ほろりとしたりするうっかり者ねこ。ラストは予定調和に大団円とはせず、
 ここらは好感ねこ。リアルな装置と所作芝居、周囲をストップモーションにして、
 モノローグで心情を訴えたりとか、演出工夫がぽつぽつとあり。

 アンサンブル・オペラと称される通り、まんべんなく聞かせ。ソロは女声がとりわけ
 て魅力的。フィオル役マリア・ルイジア・ボルシが深く力強く聞かせて、しみじみ
 沁み。それだけに、墜ちてしまう愚かさが一層やるせなくなるのだけれど。

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