＠三軒茶屋 世田谷パブリックシアター(2011/6/6-7/31 65ステージ)
http://setagaya-pt.jp/
全指定 一般 S席9000円 A席7000円 当日券 補助席8500円 1F立見5000円
3F立見3000円 友の会会員割引・世田谷区民割引なし
作・演出:三谷幸喜 美術:種田陽平 照明:服部基 音響:井上正弘
衣裳デザイン:伊藤佐智子 ヘアメイク:稲垣亮弐 舞台監督:松坂哲生
プロデューサー:北村明子 提携:財団法人せたがや文化財団 後援:世田谷区
企画協力:コードリー 企画･製作:シス・カンパニ―
出演：
野村萬斎 ：夏目金之助(日本人留学生)
深津絵里 ：アニー・ペリン（ベッジ）(女中)
大泉洋 ：畑中惣太郎（ソータロー）(ナサニエル商会ロンドン在中員)
浦井健治 ：グリムズビー(アニーの弟)
浅野和之(11役) ：
ハロルド・ブレット(電気工)
サラ・ブレット(下宿の女主人)
ケイト・スパロウ(サラの妹)
ウィリアム・クレイグ(シェイクスピア研究家)
ハモンド牧師(クレイグの友人)
セントクレア夫人(クレイグの友人)
ビクトリア女王
ブラッドストリート警部(スコットランドヤードの刑事)
弾丸ロス(お尋ね者)
ミスター・ジャック
モラン大佐(退役軍人)
2011/7/23(土)晴 6:00-9:00PM(80/休15/84)1F中段下手 客席超満員(630？人)
客層：20-30歳代女性8，9割。男性は同年代か、年齢高め。
客入れ：当日券は1F立見16、補助椅子ぐるり。上階未確認。定時きっかりに始まると
アナウンスあり。終演8:59PMで、3時間を切り。パンフ A4 1枚。配役もほしいところ
物販。パンフ B5 30ページ 1000円。全額東日本震災の義援金箱へ。背景資料、
座談会も結構。カーテンコール1回1分。壁を下ろし、窓越しの挨拶、浅野さん早替え
に笑い。
舞台。〇階建西洋アパート。その上方階の一部屋と廊下、屋根裏と下階階段。
時々壁を下ろして、窓越しの芝居。また、ロンドン市街地図を下ろして、場所を
表示。
お話。夏目漱石の留学時代の日記に想を得て、親しむ下女とのラブストーリーとし。
タイトルはI beg yuor pardonが日本なら深川な，江戸っ子っていうのかなな、
ロンドン下町生まれの下女アニーがコクニー方言で喋ると「ベッジ・パードン」と
聞こえることによる。自分の英語が通じず、気落ちする後の漱石・金之助。でも、
下女のアニーの前だけはペラとしゃべれる。自分に必要な人はだれかしらと思う
ところから、恋が芽生えるなお話。英国人の紳士的人種差別、習慣の違いなど織り
交ぜて展開。「マイフェアレディ」が全編流れ、立場違えど、金之助とアニーの
2人イライザとも思えたり。
三谷さんのペン捌き好調、前半は1分置きに笑える、ウェルメイドコメディ。
ネタを仕込んでは、着実に爆笑を誘ってさすが。日英それぞれの方言とコンプレッ
クスねた。金之助のノイローゼ（英国人が皆同じにみえる）を浅野さんの1人多役を
逆手にとって笑いにしたり。浅野さんのとんでもない11役に加え、間の良さとか
むやみに芝居がうまい大泉洋さんが相乗、笑いが絶えることなし。男子っぽいとこと
気立てのよさが天使のような、深津絵里が心をぎゅっと掴むように物語を牽引。
むしろ、コメディ苦手？な野村萬斎さんが逆手にとって、不器用な金之助を浮かばせ
て、三谷戦術成功というところ。
でも、国民の映画同様というか反対面というか、酷い悲劇を笑いで蔽った点で
ちょっと罪作り。下女に対する実弟、そして金之助の本人はそう思って無くても、
結果として酷薄なとこは素直に笑えないねこ。スタバのキャラメルマキアートに、
ミルクの後エスプレッソな甘苦2層な前後半。役者の健闘もあって後味は悪くはない
し、漱石のその後の作家となる前日譚として納得はできるけど。もっとうまく
ブレンドしてほしかったねこ。
[月間一覧］