＠初台 新国立劇場 オペラ劇場(2011/10/2，5，8，11，14，17 6ステージ)
http://www.nntt.jac.go.jp/
S席26250円 A席21000円 B席14700円 C席8400円 D席5250円
作曲：ジュゼッペ・ヴェルディ 指揮：ピエトロ・リッツォ
演出：ウルリッヒ・ペータース 美術・衣裳：クリスティアン・フローレン
照明：ゲルト・マイヤー 舞台監督：村田健輔
合唱指揮：三澤洋史 合唱：新国立劇場合唱団
管弦楽：東京フィルハーモニー交響楽団
制作：新国立劇場
出演：
タマール・イヴェーリ ：レオノーラ
ヴァルテル・フラッカーロ：マンリーコ(吟遊詩人(トロヴァトール））
ヴィットリオ・ヴィテッリ：ルーナ伯爵
アンドレア・ウルブリッヒ：アズチェーナ(ジプシー マンリーコ母)
妻屋秀和 ：フェルランド(衛兵隊長)
小野和歌子：イネス(レオノーラ侍女)
鈴木准 ：ルイス
タン・ジュンボ：老ジプシー
渡辺文智 ：使者
古賀豊 ：死の象徴
池袋遥輝 ：子役
2011/10/8(土)晴 2:02-5:08PM(76/休31/70)2F左前方 客席ほぼ満員(1800人)
客層：大人客席。20-30才代女性と中高年男女。女性過半数。
客入れ：当日券不明。1F後方サイドに若干空席。パンフ B5 1000円。読み物充実。
終演5:01PM カーテンコール2回8分。
本年度シリーズ第一弾。「リゴレット」「椿姫」と並ぶヴェルディ中期作品。
舞台。幕が巨大なブリューゲル「死の勝利」、加えてしゃれこうべのモンタージュ。
ロマ(ジプシー)達の抵抗を背景にした舞台がいわずと知られ。下手半分に5段ほどの
サブステージ。ここに髙い城壁、庭園絵画の紗幕付きの巨大ボックス、火刑台など
をスライド。終始ダークな舞台に、時折原色の赤(流血）を刺し。
お話。抗う人々の愛憎劇。ジプシーの女・アズチェーナは母を伯爵に処刑された
ことを恨み、子供を誘拐。殺すことはせず、育て上げた子は長じて吟遊詩人となり
伯爵と一人の女性・レオノーラを巡る恋敵となる。ただのメロならず、争いは彼らと
多くの民衆の流血を呼ぶことになって。
エモーショナルな歌唱バリバリ、演劇的な演出を添えて渋く味わい。虐げられ、抗う
人々を蔽う戦争、死をイメージでうまくみせ。無気味な老俳優、時に血まみれの子供
が常駐。登場人物の恐怖ら心理、運命に合わせて距離感変えて効果。とりわけては
3幕。死を覚悟しながら結ばれるヒロインと吟遊詩人の場に白い花束をもって控え。
背景は血のような花びらが舞う満開の巨木。恐ろしくも美しい場面で〇。
なにがなんだろうと恋に生きるヒロインに対して、周辺キャラは2面性が面白く。
吟遊詩人はヒロインと母親の間で揺れ。その母は憎んであまりある敵方の子を育て、
愛したりと、鬼と母性が同居。今回の演出は、事情と心理の深掘りはしないけど、
きちんと提示しつつ、歌唱を聞かせてバランスよく。主人公男女2人は伸びやかに、
ジプシー女・アンドレア・ウルブリッヒはちょっとスモーキーな深い声で存在感。
ほか、隊長・妻屋秀和の力強さが〇。指揮はメリハリあって、オケが力強く鳴り。
コーラスが強弱ともしっかり聞かせて、好印象ねこ。
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