＠渋谷 シアターコクーン(2012/6/17-7/7 37ステージ)
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/index.html
1等平場席12500円 1等椅子席12500円 2等席9000円 3等席5000円
当日 立見席A3500円 立見券B2500円
原作：河竹黙阿弥「五十三次天日坊」脚本：宮藤官九郎[大人計画] 演出：串田和美
照明：齋藤茂男 音響：市来邦比古 音楽監督：平田直樹 立師：坂東橘太郎、
田尻茂一、前田 悟 狂言作者：竹柴彰三、竹柴潤一、竹柴康平
技術監督：センターラインアソシエイツ 演出助手：神能真理亜
美術助手：原田愛 附打：山崎徹 舞台監督：藤森條次
主催：松竹株式会社、Bunkamura 製作：松竹株式会社
出演：
中村勘九郎：法策 後に天日坊 実は清水冠者義高
中村七之助：人丸お六 実は今井四郎娘かけはし
市村萬次郎：猫間中将光義
片岡亀蔵 ：草津のお三婆、盗賊赤星大八後に赤星典膳
坂東巳之助：北條駿河介時貞
坂東新悟 ：傾城高窓太夫
近藤公園[大人計画] ：越前の平蔵 実は廣元家臣平岡平蔵
真那胡敬二：修験者観音院、北條家家老鳴澤隼入
白井晃 ：下男久助 実は大江因幡守廣元
中村獅童 ：盗賊地雷太郎 実は竹川伊賀之介正忠
坂東橘太郎：花園中納言兼貞、山影玄蕃・小姓
中村小三郎：侍吉田三五郎
澤村國久 ：仲居おくに
中村蝶紫 ：仲居おてう
片岡正二郎：船頭浪六・小姓、ベース
三松明人 ：侍十内・左九郎の手下、トランペット
内田紳一郎：花園中納言兼貞 実は化け猫、トランペット
大月秀幸 ：盗賊富士ヶ根左九郎、トランペット
ほか
2012/6/17(日)晴 5:00？-8:27PM(1'17/休20/1'44)平場最前中央 客席満席(750人？)
客層：大人よりに幅広く、女性7，8割。
客入れ：平場の前3列まで平床。護身用ビニールシートの配布はなし(水は使わず)。
場内飲食可能。おにぎり弁当400、助六弁当600、カツサンド800、ミックスサンド600
カップ串揚げ800、人形焼最中300、みたらし団子300、胡麻団子300、抹茶パフェ400
そうめん400。 物販。パンフ 1500円 勘三郎、串田和美、中村哲郎対談。
Ｔシャツ3000円、手拭い1500円、うちわ500円 ねこ意匠が好評。
カーテンコール2回6分。2回目で巳之助、新悟が踊り出し、串田和美さん登場、
獅童がはしゃぎ。
新勘九郎と七之介兄弟が背負い起つ、今回のコクーン歌舞伎。中村座のほか
元自由劇場のおじさん役者、白井晃、近藤公園ら小劇場演劇の楽しみな俳優が揃い。
舞台。すゞやかな柝(きざみ）で開演、ならず轟音高揚。幕が開き、こりゃ猫騙し
かよと思ったのはねこだけ？。緞帳は黒いミラー幕で茫洋とお客やら姿が映り。
アイデンティティ喪失を問う舞台にふさわしい、のかな。見世物小屋みたいな
小さな家屋舞台を場面毎に持ちこみ式。場面のポイントや役者・役名を背景画に
添え書きしてわかりやすく、面白し。客席を街路に見立てる、お馴染みお楽しみ趣向あり。
テント開けはないけど、トランペット部隊の活躍でラストは盛り上がり。
お話。寺で育てられた捨て子、ふとしたきっかけで実は頼朝のご落胤と騙り。
木曽義仲の因縁話しが絡んだ、源平のすったもんだの戦後処理に捲き込まれてな
歌舞伎お馴染みの複雑な物語。から、騙った捨て子を中心にピックアップ。
古典と現代の快調ハイブリッド、コクーン歌舞伎よくできました。物語を見せ物に
仕立て創意工夫でライブ感たっぷりの串田演劇。勘九郎の渾身、七之介の目の醒める
ような鮮やかな役者芝居。そして、複雑怪奇な運命流転の原作からアイデンティティを
喪失する青年の残酷物語を抽出、今に響く脚本を書いた宮藤官九郎の筆の冴え。
文語と現代口語が案配良くて面白く、崩すにしても意味があり。「マジかよ」が
状況心理にぱたっと嵌まり、「俺は誰ダ」の叫びが痛く響く。ギャグめき台詞も
機転が効き、「バタバタ(拍子木音）してすいません」とか、くすぐる台詞が
散りばめられ。
歌舞伎趣向にツッコミいれつつも、中盤以降はきちんと歌舞伎な見せ場をつくり。
下座音楽は歌舞伎ならずも、ロックやブルース、ハードボイルドにベースとトラン
ペットが鳴り響いて、ノワールに素敵。ラストの演奏は勘九郎炎上な熱演と相まって
圧巻。元自由劇場のおじさん役者達が支えて嬉しくなるねこ。
役者。勘九郎、七之介は前述。白井晃が違和感なく、歌舞伎芝居に溶け込んでいる
のにほよよ。亀蔵は変な役というか、演技で奇態、期待に応え。獅童は滑りがちな
ところを逆手にとって、愛嬌とし。萬次郎はかっちりと古典演技で引き締め。
今回ダークホースは坂東巳之助、いちいち笑わせてくれるイケメンぶりと、凛々しい
歌舞伎芝居ですっかり人気もの。
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