＠駒場東大前 こまばアゴラ劇場(2012/1/29-12/11 16ステージ)
http://www.komaba-agora.com/
全自由 前売3200円 当日3700円
作・演出：山内ケンジ 舞台監督：浅井裕子、森下紀彦 照明：佐藤啓
音響：藤平美保子 舞台美術：杉山至 衣装：加藤和恵、平野里子
ヘアメイク：田中陽 演出助手：岡部たかし 宣伝美術：螢光TOKYO＋DESIGN BOY
イラスト：コーロキキョーコ 制作プロデューサー：城島和加乃（E-Pin企画）
製作：城山羊の会
出演：登場順
岸井ゆきの ：神崎しおり
本村壮平 ：先生(高崎馬くん）
石橋けい ：冴子（しおりのママ）
古屋隆太[青年団・サンプル]：しおりのパパ
永井若葉[ハイバイ]：吉岡衣子
岡部たかし ：吉岡ヨシオ
猪野学 ：添島テルオ
2012/11/29（木）曇/雨 7:33-9:00PM（1'27）前方中央 客席満員（60人）
客層：大人客席、男女半々。
客入れ：井の頭線人身事故、開場20分前まで運休。運開しらず渋谷から徒歩ねこ。
開場5分後5，6人なるも結局満員、押さずに開演。折り込みチラシそれなり。パンフ
A5 3ページ。挨拶、配役、スタッフ。次回公演 6/7-16＠東京芸術劇場シアター
イースト。物販。台本500円。過去公演DVD。 カーテンコール1回。
青年団のではないでおなじみ(笑)の山内ケンジ最新作。オーディション選出の
岸井ゆきの（20才にしてかなりのキャリア）と、青年団の細マッチョ・ダンディ
古屋隆太が参加。
舞台。やや斜に置かれた洋館リビング。下手に障子窓、木材と白漆喰壁と和洋折衷。
上手の入口はなぜか引き戸、しかも一段降りて玄関への廊下。中央奥に二階への
階段一部、そのまま下手でキッチン設定。調度は中央に楕円テーブル、椅子は
デザインバラバラ組の６脚。下手壁際に２人掛けソファ。と山内ケンジ演劇では
おなじみの配置。上手の壁に山岳ペインティング。
お話。平和な、神経質症の妻とこましゃくれた娘はいれど、家族に思いがけない嵐。
隣人弁護士・吉岡夫婦が言うには娘の実の父親が現れ、親権をもって連れていくと
いう。動転まもなく当人が現れ。という母親に内緒の作り話が現実となって、
父親と娘は驚くばかりで。
山内ケンジの演劇ベスト集成なキャラ・役者をそろえ、ボーナストラックを添え。
ファンならずとも堪らないシニカルコメディの怪作。例によって一家の妻は軽く
狂っている。石橋けいの不安定な高飛車ぶりがいつもながら素敵。無自覚の悪意
ゴールデンコンビ、永井若葉と岡部たかしの図々しい隣人夫婦。微にいり細に入って
のいけ好かない言動もまた。
彼ら内外で取り込まれ、壊れていく展開に、今回は企みを付加。血縁のどうしようも
ない結びつき、暴力性。さらに「物語」に救いを求めて現実を捨てさえもする、
共同幻想の魔力、恐怖。「しょうがない」ことに滑り込んでしまう、ブラックな
展開は、藤子Ｆ不二雄先生のSＦのようで痺れさせ。今までの作品の中でも一番と
思うねこ。
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