＠三軒茶屋 シアタートラム(2014/05/10-11 2ステージ）
http://setagaya-pt.jp/
全指定 一般2500円 高校生以下1000円 U24 1250円 友の会会員割引2000円
せたがやアーツカード会員割引2200円
プロダクションマネージャー：福田純平 舞台：木村光晴 照明：三谷恵子
音響：小笠原康雅 制作：小宮山智津子、大下玲美、大木良美
主催：公益財団法人せたがや文化財団 企画制作：世田谷パブリックシアター
後援：世田谷区 平成26年度文化庁劇場音楽堂等活性化事業
禿の女歌手 一反戯曲−
作：ウージェーヌ・イヨネスコ(1950年初演作品) 訳：諏訪正
演出：中屋敷法仁[柿喰う客]
出演：
久ヶ沢徹：スミス氏
村岡希美[ナイロン100℃]：スミス夫人
鬼頭真也：マーチン氏
内田亜希子：マーチン夫人
広岡由里子：メアリイ 女中
中村まこと[猫のホテル]：消防署長
中屋敷法仁：ト書き／作者
椅子 一悲劇的笑劇−
作：ウージェーヌ・イヨネスコ（1952年初演作品）訳：安堂信也
演出：ノゾエ征爾[はえぎわ]
出演：
中村まこと：老人 95歳
広岡由里子：老婆 94歳
ノゾエ征爾：弁士 45歳から50歳
村岡希美 ：読む女
その他に多くの人物たち
2014/05/10(土)晴 2:05-4:13PM(54/休16/58)前方中央 客席超満員(260人)
客層：20才代後半とおばさん、おじさん。女性7割。
客入れ：トラムシート満席、立ち見10数人。折り込みチラシそれなり。
パンフ B5 8ページ。イヨネスコのノート等転載。物販なし。カーテンコール1回。
上演機会も多いイヨネスコの2作品を気鋭の若手演出家と個性派俳優で読む試み。
・禿の女歌手
舞台。中央に机三つを合わせたテーブル。上手に実況ですかな事務テーブルと
マイク。
お話。イギリスの夫婦達と、使命に燃える消防士。初級英会話みたいなやり取りが
脈略無くつづき、苛立ちがつのっていく。
ナンセンスを一歩引いてみる俯瞰視点。ワキでト書きを全読みして、戯曲指示の
無軌道のほどを明確に示し。いい声の役者陣が明瞭に意味の無い言葉を伝え、
無駄に無駄を重ねて、贅沢しごく。リーディングといってもよく動き、表情つけ
個々個性の色づけも程よくお楽しみ。効果音と照明も適時。くどすぎる繰り返し
とナンセンスの応酬だけど、後味はさっぱり。リズムがいいからかしらん。
最後に椅子に繋げるシーンを追加して仕舞い。イヨネスコ気分？を保ち。
・椅子
舞台。木製椅子12個を横並び。
お話。老夫婦が重要なメッセージを発表する催しを企画、さまざまが人々がやって
くるが。
これも俯瞰する視点をいれ。読む女が常駐、作品解説、ト書きを読み、また舞台の
演技を観ながら個人的にリアクション。終盤エモーショナルな音楽(アンサリーVO？
)では口ずさんだりな観客の内心芝居。中村まこと、広岡由里子、特に中村さんは
大熱演で逝ってしまい。不明の情熱に圧倒されてしまう、面白さ存分。
アフタートーク 4:20-4:43PM(23) 9割居残り
久ヶ沢徹、鬼頭真也、内田亜希子、中屋敷法仁
3人ともテキストをもって。
中屋敷 当日パンフにもあるがイヨネスコさんは書こうと思って書いたのでは
なかった。英語を学ぶ内に人間がステレオタイプ，パターンに陥るおかしみに
気付いしまった。書いた戯曲を友人の友人のバタイユが上演したいと申し出た。
禿の女歌手はどこにもでてこない。ブロンドの家庭教師というのを消防士の役者が
噛んでしまって、歌手になったとか、イヨネスコらしい訳があった。
久ヶ沢 初めて読んだ。自分はイヨネスコと対極、演劇的なことに関わらず、やって
きた。何故自分なのかと聞きたい。
中屋敷 鬼頭さんと2人とも声がきれいで説得力がある。阿呆っぽい役者が読むと
矛盾が伝わらない。
久ヶ沢 (噛んじゃだめなんだ）先陣を切って噛んでましたが。(冒頭にイギリス人と
なんどもでてくるが）100％イギリス人をやりきった。意識していなかった、
説得力ないし、キャラが高齢だし。ウィキペデアなど調べると、滅茶高齢の役者が
やっている。等身大でいこうと、それも不条理だなと。
鬼頭（初演では鬼頭さんの役は演出のバタイユが演じている。）稽古場では髭男爵
みたいな外国人でやったりした。イギリス人ぽさを考えると安っぽくなるので
フラットに演じた。
久ヶ沢 髭男爵的な演技は昨日までやっていました。
中屋敷 演じようとしているけどできない面白さ、くだらなさがある。
久ヶ沢 演じようとしても伝えることができないし。
鬼頭 コメディなんだろうとは思う。
中屋敷 イギリス人じゃないのにイギリス人といっているし。
内田 「不思議」という台詞が沢山沢山あって、どうしようかと。
鬼頭 あのシーンは永遠に感動していないといけない。読んでて最初に飽きる。
久ヶ沢 消防士がでる場面まで(飽きて）本読みが到達できない。稽古場で初めて
続きを読んだ。前半は噛みまくりだったし。
中屋敷 演出が辛い。あれは俳優虐めだと思う。
久ヶ沢 あの後、中村さんは椅子で続いて演じているが悪夢だと思う。今日は
立ち見がでていましたが、純粋に作品が観たくきた、イヨネスコファンがそんなに
日本にいるんですか？、挙手してください(2，30人位）。なぜ？。椅子の圧倒感、
不条理は情熱でいけるが、禿の女歌手はどこが面白いのか？。コメディは時代等
背景がわからないと、絶対本当の面白さは判らないはず。みんな判ってて面白い
のですか？。イヨネスコの真髄を教えてほしい、どこが面白いのか。
内田 真髄が判っちゃうと、明日が辛いですよ。自分も読んでてうんざりしたので、
これは鬼頭さんとあって一緒にやるしかないと。
中屋敷 イヨネスコはこの後授業を書いている。2作品はディスコミュニケーション
を書きたかったのに大受けしちゃったので、次に笑いを取ろうとして椅子を
書いて、観客にどん引きされたという。不条理を狙って書こうとしていない
不条理さがイヨネスコらしい。
久ヶ沢 イヨネスコは天然ですか。
中屋敷 (真髄を）理解しちゃうとプレイヤーとしてどうかとは思う。
久ヶ沢 アンケートにぜひイヨネスコの真髄を書いてください。
中屋敷（今回の舞台は望んでいたのではない？）去年リーディングの企画をやって、
次はイヨネスコ。作品は自分で選んでいいといわれた。久ヶ沢さんが出るシーンの
前に、イギリスのと何回も言わせている、どれだけイギリスを推すのかという
変態さ、執着。時計と沈黙の指示は19回もあって気持ちが悪い。当時はワープロ
がないから手書き、コピペができないのに。当日41才、バタイユは20才という
年齢なのにそこまで。二通りの幕切れをやったが、頼んでもいないのに30通りが
あるといって、演劇ではできないから自分は映画でやると戯曲に書いている。
いったいなんなんだ、どんなイヨネスコなのか定義しなくちゃと思ったが。
禿でチビの姿で。椅子で村岡さんが訳すのが不可能という解説を読んでいるが、
確かにそう。これを俯瞰した視点でやろうと思った。
久ヶ沢 今回はリーディングだが、青年座さんとか普通にやっているのですよね。
残念ながらみていないが。
中屋敷 時計が29回鳴るとか、実際やってみたが聞いていられない。イヨネスコは
ドS。既存の演劇になかったし、今も応えられない。
久ヶ沢 自分が客で29回も聞かされるのは。
中屋敷 イヨネスコの後、ベケットなど繋がるが、今は不条理劇の流れはない。
久ヶ沢 別役さんは日本人だからまだわかるが。
中屋敷 知っている笑いにもっていけないこともないが、それをやるのは。
久ヶ沢 最後の台詞を日本語にすると。
中屋敷 フランス語でうんこ、うんこが山もり。意味を伝えたいのではなくて、
言葉の響きだと思う。
久ヶ沢 イヨネスコは小学生並。
中屋敷 言葉遊びがいっぱいあるが意味はないし、巧く言えてない。
最後に一言。内田 明日も楽しく、意味判らないまま、音を意識して
（久ヶ沢 神妙なのを聞いて、お通夜かとつっこみ。）
鬼頭 がんばります。
久ヶ沢 イヨネスコファンの人はよろしければ、この後スターバックスでお話を
聞きたい。
[月間一覧］