＠吉祥寺 吉祥寺シアター(2015/6/13-29 14ステージ)
http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/
全自由(整理番号付き)前売・予約・当日共 一般4000円 学生・シニア（65歳以上）
3000円 高校生以下2000円 2演目セット券（前売・予約のみ）
一般7000円 学生・シニア（65歳以上）5000円 高校生以下3000円
＠兵庫 城崎国際アートセンター 6/5-7
＠ソウル DOOSAN ART CENTER 7/16-26
＠長野県上田市、三重県津市、兵庫県伊丹市、香川県高松市
共同脚本・共同演出：平田オリザ、ソン・ギウン
舞台美術：杉山至 照明：三嶋聖子 衣裳：正金彩
小道具衣裳コーディネーター：ソ・ジョン 舞台監督：中西隆雄、吉成生子
字幕：西本彩 字幕操作：森内美由紀、佐山和泉 翻訳：ソン・ギウン、平田オリザ、
カンユミ 通訳：カン・ユミ 演出助手：朝比奈竜生 宣伝美術：工藤規雄十
上野久美子、太田裕子 宣伝写真：佐藤孝仁 宣伝美術スタイリスト：山口友里
制作：木元太郎、服部悦子、石川景子、カンミンベク
撮影協力:CYCLE TOURING、オオマエジムショ、みさと公園管理事務所、
美浜公園緑地事務所 協力：(株)アレス、(有)あるく
出演：
太田宏 ：沢田はじめ（長く旅行している）
森山資邦 ：副島直人（学生で休学中）
大竹直 ：木下幸太（大学卒業後､ヨーロッパを旅行中）
佐藤誠 ：金隆博（在日韓国人、一年ほど旅行している）
佐藤滋 ：植木タケシ（ずっと寝ている）
村井まどか：前川さゆり（比較的長く旅行している）
河村竜也 ：坂本芳雄（比較的長く旅行している）
木引優子 ：矢島育美（ヨーロッパを旅行中､韓国人の彼氏がいる）
ブライアリー・ロング：キャッシー（アルメニア系アメリカ人）
マ・ドゥヨン：キム・スルギ（安宿の客引きをしている）
チョン・ジョンハ：プ・ヒギョン(キム・ミョンファンの母)
ペク・ジョンスン：キム・ミョンファン(ファニ）(兵役前の若い旅行者､日本人の彼女がいる）
チョン・スジ：ユ・ソヨン（スペインに留学してぃたが､奨学金が切れて帰国）
ソン・ミョンギュン：キム・インフ(三〜四年ほど旅行している)
カン・ヒジェ：チャン・ミンジェ（兵役の後､大学に戻る前に旅行している）
パク・ミンジ：キム・ポミ（オタクの韓国人）
2015/06/14(日)曇 6:03-8:13PM(2'09)中段中央 客席ほぼ満員(190人)
客層：20-30才代中心、中高年2割、男性過半数？。
客入れ：2F劇場前A,B番号、ロビーC,D番号毎なんとなく整列。通常客席。
折り込みチラシそれなり。パンフ B5 2作品分6ページ。物販。台本、著作本ほか。
カーテンコール2回1分。
舞台。「冒険王」前回の美術踏襲。黒い金属の二段ベットが円周上。2×2と手前に1。
センターに円形テーブル、雑誌や本の山。ベッドの足下には白砂がぐるり、
テーブル直下で吹き溜まり。その直上にはカラフルな香炉ないくつか下がり。
壁はグレーの無機質パネル。正面、ブルー枠の入口開口から上下に廊下。エンジの
壁パネルがのぞき。
お話。国際紛争が元、東西の分接点、イスタンブールで足止めを食っているバック
パッカー達。日本人中心の安宿の一室はワールドカップサッカーに盛り上がる
ものと、そうでもないものがいる。韓国-イラン戦の後半〜イタリア戦の逆転までの
模様をリアルタイムで描く。
青年団「らしい」心中騒がしい群像劇。日韓米ほか4カ国が同時多発で飛び交い、
かつてないガチャガチャ感。込み入った歴史と原題の状況境遇に見合う具だくさん
かつ、スパイシーな問いかけあり。個性と技術の俳優達は今回も粒建ちのいい演技で
応えて◎。
ポストパフォーマンストーク 8:17-8:46PM(29)ほとんど居残り
ソン・ギウン、平田オリザ
平田 最初に二人で背景など話して質問を受けるので考えておいて。答えられること
は答えます。共同演出をするはずだった故パク・クァンジュンのこと。
1980年の冒険王と同じ安宿。イスタンブールがヨーロッパとアジアの分接点、
バックパッカー達がもともと溜まる場所。国際紛争から白人は入国できず、
日本人は入れるけど、利用客が減ってバスの運行がなくなって足止めをくっている。
2002年も足止め。今度は日韓のバックパッカー。構想は2年前に決めていて
6/18のワールドカップの2時間位がこの芝居になる。リアルタイムで計算されて
つくられている。
ソン 2000年は各国陣の渡航が制限されていたので、ソウルオリンピック後の
日本人の溜まり場に韓国人が入ってくる。韓国は変化が激しいので、世代差が
でてくる。光州の学生活動のこととか。
平田 1980年は激動の年で20年後に歴史的な繋がりでてくる。パクさんは光州出身で
強い思いがあって反映されている。いなくなった学生は自分であるとか。
登場人物のインフは全共闘世代＝386世代のちょっと下。386世代の喪失感、
理想通りにはいかまかった韓国への思いがある。
平田 私がタイムテーブル通りに書いて。会話はジムに任せて、また書き直して、
稽古場でやってみて直しての繰り返し。一ヶ月朝から夜の11時まで稽古、その後
みなが飲んでいる所へ直した台本をメールで送っていた。翻訳が加わるので
いつもの3倍大変。でも韓国語が解るので台詞は勝手につくっていた。
お互いに日本語と韓国語ができるので効率がいい。
質問Ｑ１ ソヨンのその後の行方、また登場人物を形作る要素について。
平田 答えると想像を閉じちゃうけど。韓国は近代化をすごい速度で成し遂げた。
当然歪みがでる。留学制度について。彼女は挫折して韓国には帰らない。
インフは帰り、客引きは帰れるけど放浪を続ける。世代によってまたそれぞれの
メンタリティで傷を負っている。
パク ソヨンはリアリティを考えていて、自分と同じ世代。裕福な人なら直接学部へ
いく。通貨危機で留学制度が中止になった、海外から帰っても居場所がない。
逆の場合もある。アイデンティティを失ってしまう。
平田 通貨危機は韓国の人たちに精神的な打撃も与えた。「ＩＭＦ］だけで
韓国では通じるほどショックな出来事。乗り越えてはいるけど、負の遺産として
残っている。
Ｑ２下関から来た。フザンの話があったが下関も交流点なので公演を行ってほしい。
北九州では行ったことがある。来月はプサンで。（311以降の世界を上演する
構想はあるか）ない。安宿ねたはあるが、秘密です。
Ｑ３アルメニア系アメリカ人。
平田 中立的な立場。多国籍語がはなせるアメリカ人の女優がいるのでどう使うか、
パクさんと話して。イスラム国の事件があってシリアの問題にふれない訳には
いかない。それならとアルメニア。日韓の問題も相対化できるし。みんな関心が
ないし、トルコ、韓国みな俯瞰できる立場にある。
Ｑ４床の砂、小物について。
平田 美術家でないのでよく解らないが中東のイメージ。イスタンブールに砂漠は
ないが、ここから旅立つとシリア、イラン。結界のイメージ。旅行先では不思議と
日本人と韓国人の若い人たちは仲よく、同じ部屋にされたりする。でも一歩外に
でると砂漠という。韓国海苔は結構うける。ラーメンはふつうのじゃなくて
ジャジャ麺のようなもの。召集令状はつくった。赤紙もそうだが事務的なもの。
冒険王は80年代で雑誌とか入手が大変、2002年だけど当時と合わせている。
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