@三軒茶屋 シアタートラム(2016/2/5-21 ステージ)
http://setagaya-pt.jp/
全指定 一般6800円 高校生以下3400円 U24 3400円 友の会会員割引6300円
せたがやアーツカード会員割引6500円 トラムシート5800円
@松本 まつもと市民芸術館 実験劇場 2/24-25
@水戸 水戸芸術館 ACM劇場 2/27-28
@名古屋 愛知県産業労働センター ウインクあいち 大ホール 3/1-2
@兵庫 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール 3/4-6
@広島 JMSアステールプラザ 中ホール 3/8-9
@福岡 福岡県立ももち文化センター 大ホール 3/12-13
作・演出:赤堀雅秋 美術:杉山至 照明:杉本公亮 音響:田上篤志
衣裳:坂東智代 ヘアメイク:貴島タカヤ 演出助手:山田美紀
舞台監督:田中政秀 企画製作:世田谷パブリックシアター
出演:
光石研 :松田昭雄(精肉店二代目店主)
木下あかり:松田靖子(昭雄の娘)
麻生久美子:高橋美奈代(昭雄の父の介護ヘルパー)
赤堀雅秋:稲葉和彦(古参従業員)
田中哲司:佐野秀樹(近所の文房具屋)
大森南朋:田所元気(交通事故死した昭雄の妻の加害者)
2016/2/20(土)雨 6:05-7:57PM(1'51)中段上手 客席超満員(240人)
客層:20-30才代中心、あと中年層。女性8割。
客入れ:B席最前。立ち見20人超。折り込みチラシはロビー置き。パンフなし。
物販。パンフ B5変形 1000円。写真、読み物とも多数。カーテンコール2回1分。
大会場でも進境を示す赤堀雅秋新作。人気実力を兼ね備えた役者陣にて。
舞台。昭和のくたびれたリアル一軒家。中央ダイニング、テーブルとバラバラの
椅子。業務用の大型冷蔵庫と通常サイズのシンク。換気扇付近は喫煙所設定。
上手に勝手口、そのまま奥で精肉店店舗設定。部屋中央に階段、上って上方奥の
二階。その途中の空き地から立木の上部。なんか閉塞感醸し。
戻り、下手側半分がリビング、ソファセット、壁にガラス窓あるキャビネット、
正面押し入れ引き戸から続き部屋、寝たきりの老人がいる設定。
お話。千葉県某所、ぱっとしない地元商店街の精肉店。妻を事故で亡くした二代目が
店主。先代からのだらしない従業員をどやしつけながら何とか切り盛り。
介護がいる親を抱えているが、ヘルパーに任せきりなのが後ろめたい。というか
恋心を抱いているがいいだせない。その日は妻の命日、娘は会社を休み、加害者の
男が今年も罪滅ぼしにやってきている。怒りもわだかまりももうないのだが。
親の介護から逃げてきた近所の文房具屋は今日も入り浸り。些細ないざこざも、
常に鬱積した心には発火するに十分で、すったもんだが絶えない。
面白くて「堪らない」上々の会話劇。斜陽の稼業、親の介護、通わない孤独と焦燥。
今の私たちの心に響く「どん底」を背景に、呑気な絶望感をおかしみとも巧みに
醸し出す。愚かで常に恐れを抱き、哀しく健気、優しい日本人達を丁寧に丁寧に
描く。そんな風な人達がそんな風に舞台で生きて,生き続けるだろうことを観察する
尽きない面白さ。演劇の一つの理想形かもとも。手練の役者達はほどよい陰影を刻み
ながら、真っ向勝負で演じ。そんなこんなをずっと観ていたかったねこ。
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