＠初台 新国立劇場 小劇場(2016/08/27-10/02 42ステージ)休演8/29､9/5､12､19､26
https://www.nntt.jac.go.jp/
全指定 S席7500円 バルコニーＡ席6000円 バルコニーＢ席4000円
脚本：北村想 演出：寺十吾 美術：松井るみ 照明：服部基 衣装：前田文子
音楽：坂本弘道 音響：岩野直人 ヘアメイク：宮内宏明 舞台監督：瀬﨑将孝
プロデューサー：北村明子 企画・製作：シス・カンパニー
出演：
段田安則：段三(座員）
戸田恵子：つた子（座員、團十郎の女房）
寺十吾（浅野和之代役）：広岡明水広岡明水（客演座員）
鈴木浩介：平治（座員）
渡部秀 ：長吉（座員）
西尾まり：きぬ子（座員）
萩原みのり：洋子（ヒッチハイクの家出少女）
金内喜久夫：團十郎（座長）
2016/09/14(水)晴 7:00-8:37PM(1'36)前方上手 客席ほぼ満員(300人)
客層：大人客席、シニア3割。女性7割。
客入れ：4列通路、雛壇13列。バルコニー席は数人。折り込みチラシそれなり。
パンフなし。物販。パンフ A5 500円。カーテンコール1回1分。
近代日本文学をモチーフにしたシリーズ、大衆演劇の大家・長谷川伸。
舞台。パッチワーク幕をつけた簡素な舞台。前後に移動して遠近。左右に舞台小道具
を置いた棚。上手に赤い鳥居と一本松。下手に小さな物置小屋。背景にシリーズ
おなじみのマンガな風景。
お話。股旅芝居の傑作「沓掛時次郎」を上演する旅芸人一座が、田舎町で興業中。
年いった座長に年が離れた女房がいるが、ちゃっかり浮気をしたり。一座を支える
のは渡世者を地で生きるクールな段三。客演の広岡明水は革命家かぶれでどこか
胡散臭い。ヒロイン役を担うきぬ子は段三に片思い。その日の興業を終えてくつろぐ
一座のもの、少女・洋子が現れ、いきなり仁義を切り始める。家出した彼女は
「一宿一飯」の恩義を受けたいというのだ。
劇中劇を孕んだ物語、演じる役者らの人生をクールに俯瞰しつつ、描かれるのは
たっぷりの人情芝居の妙。残酷な現実の中、それぞれの事情が重なり合う淡い、
グラディエーションを優しく哀しく描き。寒風にあったかおでん、どうしようもない
人生への暖かい福音を感じさせてくれる、新しい名作と思うねこ。
役者は粒より、語らず滲み出るその魅力。段田さん。キレよく段三を演じ。自然、
客席から拍手沸き。初舞台。萩原さん。舞台で生きる、存在感を増していく演技が
印象。
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