＠小竹向原 アトリエ春風舎(2021/03/31-04/04 7ステージ)
全自由 予約・当日とも 3,000円
作・演出：平松れい子[ミズノオト・シアターカンパニー] 企画：近藤 強
音楽：のっぽのグーニー ムーヴメント指導：藤瀬のりこ* 美術：青木祐輔
衣装：さとうみち代 照明：佐藤佑磨 音響：泉田雄太 舞台監督：海津 忠*
宣伝美術：アントニア・ルイ 制作：太田久美子* *=青年団
企画制作：近藤企画／（有）アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
主催：（有）アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
出演：
近藤 強*：旅本太郎（行政職員）
折笠富美子：繚乱スミエ（太郎の隣人）
海津 忠*：繚乱日枝流（スミエの夫・行方不明）
根本江理*：旅本永遠江（太郎の妻・行方不明）
伊藤昌子：咲坂粉子（太郎の上司）
石垣 直：社会援護職員、メール便の男
2021/04/03(土)晴 6:00-7:40PM(1'40)前方下手 客席満席(35人？)
客層：20-30才代中心。男性過半数。
客入れ：開場時数人。感染対策。検温、手指消毒、椅子は通常。折り込みパンフ
A4両面。カーテンコール1回後規制退場。
青年団俳優・近藤さんの企画。ベテラン声優・折笠富美子さんを迎えての公演。
舞台。光沢あるメタル調度使い、シンプルでスタイリッシュ。枠組みだけのドアが
中央前後。上手奥がスミエ部屋、無線機を置いた机。下手手前が太郎部屋、
メタリックなデスクライト置いた机。中央客席前、劇場地下の水槽がある場所に
井戸、同光沢ある手押しポンプ。
お話。近未来、多雨故の災害止まぬ東京。大規模な土砂崩れで住処を追われた男女。
夫が生きていることと願い、アマチュア無線で呼びかける女と、訳あって妻が
死んでいることを願い、証を探す男。過去に囚われ、取り残された二人の出会いの
物語。
愛、人間愛ある物語。終盤は涙ぐむねこ。込み入った事情を抱えた男女が語る内に
通い、癒えていく。薄っぺらでなく、深いところから描いて、痛くも温かく沁みる。
災禍でインフラが退行した世界で、通うことの意思がより強く求められる道具立てを
して巧い。被災者達のありさまをよく見渡せる作品になっていて、巧いなんて呑気な
ことを言ってられないけど。心象や窓外の光景を、コロス達のフィジカルシアターで
現し「演劇的」。音楽でのドラマのつくりかたが巧み、アコースティックが良い
空間演出も○。折笠さん。永遠の少女性を感じさせ。澄んだ声が素敵。近藤さん。
真摯しごく、主人公の不器用さをストレートに演じて好感。根本さん。儚げな様が
恐くも切なくて。
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