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 新国立劇場 シリーズ「声 議論, 正論, 極論, 批判, 対話...の物語」Vol.3
 「貴婦人の来訪」

 @初台 新国立劇場 小劇場 THE PIT(2022/06/01-19 17ステージ)
 全指定 S席7700円 B席3300円 Z席1650円

 作:フリードリヒ・デュレンマット 翻訳:小山ゆうな 演出:五戸真理枝
 美術:池田ともゆき 照明:阪口美和 音楽:国広和毅 音響:黒野 尚
 衣裳:加納豊美 ヘアメイク:鎌田直樹 演出助手:橋本佳奈
 舞台監督:澁谷壽久
 出演:
 秋山菜津子:クレール・ツァハナシアン(大富豪)
 相島一之 :イル(クレールの元恋人)
 山野史人 :執事
 加藤佳男 :町長
 外山誠二 :牧師、ロビー
 福本伸一 :駅長、医者、トビー
 津田真澄 :教師
 山本郁子 :イルの妻
 斉藤範子 :女、町長夫人
 高田賢一 :警官、トビー
 清田智彦 :夫Z、一番目の盲目(コビー)、夫[、記者1、夫\、ラジオレポーター
 谷山知宏 :画家
 倉直人 :差し押さえ役人、車掌、男2、体操選手、2番目の盲目(ゴビー)、記者2、カメラマン
 田中穂先 :息子
 福本鴻介 :男1
 田村真央 :娘

 2022/06/12(日)時々雨 1:00-3:57PM(86/休15/65)前方中央 客席ほぼ満員(300人)
 客層:2世代、ベテラン最多、女性過半数。
 客入れ:感染対策。検温、手指消毒、セルフもぎり。連絡先カード記入はなし。
 通常客席。当日パンフ 写真付き配役表ロビー置き。物販。パンフ B5 800円。
 カーテンコール2回後規制退場。

 「声」シリーズ3作・最終。
 舞台。凸型黒色壁の高所テラス。そこと両袖に電飾ランプの帯、客席手前にも。
 ほか、クレールの移動要の輿、イルが営むよろず屋のシューケースなど持ちこみ式。
 天井からは場所名、スローガンの幕が下ろされ。
 お話。斜陽の都市、貧窮にあえぐ人々の前に地元出身の世界的富豪夫人が寄付を
 申し出る。条件は元恋人が行った不正へ正義の裁定を行うこと。

 復讐劇も私怨にとどまらず、面白いところ。女性である自分を踏みにじった世間の
 あり方までスコープに置いて「正義の落とし前」をと突きつける。国、企業と個人
 ジェンダー間、多数と少数の関係性など種々重なり。理念だけでなく、金の力が
 絡むので生臭い。そんなところでの町の人々の変化は愚かで恐ろしい。笑えないの
 だけど笑えるものとしてるのが凄い。原作の台詞に加えて、衣装の変化など演出が
 言葉によらず表して巧いところ。主役二人が素敵。夫人役秋山さん。奇妙も颯爽、
 謎めきも複雑な胸の内を伺わせ。面白くてカッコいい怪演上手。イル役相島さん。
 刻むような演技で孤独に墜ちるさまをしみじみ描き、巧し。

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