＠東静岡 静岡芸術劇場（2024/01/07,08,13,14,20,21，03/10 7ステージ）
全指定 一般4200円 U25・学生2000円 高校生以下1000円 障がい者割引2900円
静岡県内の小学生招待（1公演5名様まで）
演出：宮城聰、寺内亜矢子 作：フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
音楽：根本卓也 舞台美術デザイン：香坂奈奈 照明デザイン：小早川洋也
音響デザイン：澤田百希乃 衣裳デザイン：清千草
ヘアメイクデザイン：梶田キョウコ 演出補：中野真希 舞台監督：秡川幸雄
演出部：杉山悠里、森部璃音、土屋克紀 音響：竹島知里
美術担当：吉田裕梨、塚本かな 舞台美術制作：佐藤洋輔、森正吏、吉見亮
ワードローブ：佐藤里瀬 衣裳制作：塚本かな、牧野紗歩
英語字幕翻訳：エグリントンみか、Andrew Eglinton
演出助手・字幕操作：大石多佳子 技術監督：村松厚志
制作：坂中季樹、佐藤美咲 宣伝美術：阿部太一（TAICHI ABE DESIGN INC.）
主催・製作：SPAC-静岡県舞台芸術センター
助成：文化庁文化芸術振興費補助金（舞台芸術等総合支援事業（劇場・音楽堂等
機能強化総合支援））｜独立行政法人日本芸術文化振興会
［観劇サポートに対し］主催：一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会、
独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁
協力：障害者の文化芸術活動を推進する全国ネットワーク
連携・協働：障がい者の文化芸術活動推進知事連盟
2025 大阪・関西万博に向けた文化芸術ユニバーサル・ツーリズムプロジェクト
「文化芸術における合理的配慮提供マッチング事業」
委託:令和5年度日本博 2.0 事業（委託型）
出演：
山本実幸：オクタヴィアン（貴族 あだ名カンカン）、ショコラ（元帥の女中に女装）
本多麻紀：元帥夫人/マリーテレーズ（カンカンと密通）
石井萠水：元帥家の執事
小長谷勝彦：元帥家の使用人ほか
牧山祐大：オックス男爵（元帥夫人の親戚 ゾフィーにプロポーズ）
永井健二：オックス男爵の小姓ほか
貴島豪 ：パンニナル(貴族になった銀行家）
宮城嶋遥加：ゾフィー（その娘）
若宮羊市：パンニナル家の執事ほか
佐藤ゆず：マリアンネ（ゾフィーの世話をする養育係）
大高浩一：ヴァルツァッキ（探偵？詐欺師？ 男爵に取り入る）
榊原有美：アンニーナ（ヴァルツァッキと連んでいる。男爵のニセの妻）
吉植荘一郎：弁護士
木内琴子：宿屋の主人ほか
森山冬子：こども（男爵のニセの子供）
武石守正：警部
2024/01/13(土)晴 2:01-4:14PM(2'13)前方中央 客席4割（150人）
客層:3世代、ベテラン中心、女性過半数。
客入れ:感染対策 手指消毒任意。通常客席。当日パンフ A4縦折り 7ページ。
オックス男爵のテーマ曲譜面付き。物販。中高生鑑賞会向けパンフ A4オールカラー
200円。キレイで判りやすい。ポストカード、舞台写真 150円。ロビーカフェでは
特製ばらのおはぎ、元帥夫人のショコラ販売。先週完売も今日は大丈夫とか。
カーテンコール2回。
プレトーク 元帥家の執事 1:35-1:45PM(10) ホーフマンスタールとRシュトラウス
２人が手紙を交換しながら創った。宮城聰、寺内亜矢子も一部リモートで。
オリジナル楽曲、Rシュトラウスは1曲も使わない。オペラの始まり、ギリシャ悲劇
演劇とつながっている。
SPAC新作、同名オペラを明治期に翻案、演劇舞台化。
舞台。三方高いガラス戸壁。調度類、屋敷エンドラス階段など持ち込み。戸外上手に
マリンバ等、下手にパーカッション等下座音楽。
お話。元帥夫人とオクタヴィアンは愛人関係。親類の男爵・オックスとゾフィーの
結婚の使いとして、オクタヴィアンを指名。出会ったゾフィーとオクタヴィアンは
お互いに一目ぼれ。オクタヴィアンは無礼で女好きなオックスが我慢ならず決闘を
申し込むがはぐらかされてしまう。一計を案じた茶番劇を仕込み、結果オックスは
浮気がばれ、ゾフィーとの結婚は破談となる。ゾフィーはオクタヴィアンの愛は
元帥夫人にあると嘆く。元帥夫人は愛人関係の終わりを知り、オクタヴィアンを
手放し、若い二人の新しい恋が始まる。
多彩にムード＆アクティビティ、手数が多いシリアスな心理劇とドタバタ恋愛笑劇の
混合がユニーク。メロディで酔わせない、リズム重視あるいは無調な音の流れが
状況と心象表現を好サポート。歌舞伎(引き幕の効果）、狂言(執事はまんま狂言
役者）もちゃっかり入れ込み。色んな盛り合わせで、何にも似ていない独特の舞台
とし。喧噪の果て、すっと元帥夫人の切なさと諦観が浮かび、もう熊谷陣屋の熊谷
並に幕外でドラマを背負う姿にジンとするねこ。
アーティストトーク 4:24-4:53PM(29)
本多麻紀、宮城嶋遥加、牧山祐大 司会：宮城聰
観客からの質問カードに答える形で進行。
Q1理想のパートナーは年上？年下？
牧山 姉貴がいて、年上に慣れている。結婚相手は年下だけど。
本多 精神年齢が上の人。
宮城嶋遥加 上でも下でも私を受け入れてくれる人（ゾフィーとしてそうですね。）
Q2違和感のある台詞
牧山 直ぐに私を好きになりますよ、訳が判らないまま言っている。
（演出宮城 演出として本人より２人の反応で成り立たせている。）
本多 〜責任をもってすべきことを〜、なぜか覚えられない。スピーカーになること
が多いが、先輩の阿部さんから判らない台詞がある、その時は全力で言うか、
そのまま言えば良いと教えられた。
（演出宮城 ポジショントーク。教科書に書いているトーク。判らないけど学んで
言っている。
宮城嶋遥加（反対の事を言っていく台詞）身体はどんな状態なのかと。以前宮城さん
から天から降ってくる台詞のイメージを聞いたのを思い出して、言ってみたら、
楽しくなった。
Q3夫人はオクに母性愛を掻き立てられたのか？。
本多 意図はないがカンカンの必死の姿を見ると守りたい気持ちになる。
（演出宮城 結果として守りたくなる。）
Q4オクタヴィアンはあっさり乗り換えている、それでいいのか！。
牧山 男爵が悪い、オクタヴィアンが良い奴になるのはなぜか？。
本多 時を重ねるとオクタヴィアンも男爵のようになる。
宮城嶋遥加 オクタヴィアンはゾフィーのどこに引かれたのか？珍しさ？お転婆な
ところ？。（演出宮城 元帥夫人の冒頭と終わり近くでのオクタヴィアン位置付け
台詞を引用。人としては良くないでしょうね。）
Q5夫人はああも達観できるものか？。
本多 出来ない。これまでの恋から学んで…出来ない。辛いけど良い人じゃないと。
Q6幕を引く音が雨音に聞こえた。心を断ち切るよう。
（演出宮城 あれは倍音が聞こえている。）
Q追伸 冷めたショコラも美味しいものです。（演出宮城 ホーフマンスタールが
初めてオペラのために書いた。歌劇でなく楽劇、それまでのオペラと違い、
ワーグナーが始めたが、筋が続き、音楽がずっと鳴っている。「不可能な恋人」は
トリスタンとイゾルデにそっくりな所がいくつかある。夫が年上なのもそう。
Q7オクタヴィアンが女優の意図。
（演出宮城 演劇の古典は男優にかかれている、良い台詞、多義的な台詞は男優に
多い。女性の台詞が物足りないとずっと思ってきた。オペラは女性歌手、女優に
良い役が多い。オクタヴィアン役も女性とした。
Q8お気に入りの台詞
本多 鏡を前にしての台詞、あれは本多麻紀の心の台詞。
（演出宮城 どんな芝居も終わるときに終わる。時の壁の台詞で、こめかみから
(だっけ？）零れる、はホーフマンスタールにしか書けない。
牧山（若い頃に戻るような台詞。顔だけで良かったという。）
宮城嶋遥加（私自身に責任を持っている！？）
(演出宮城 母が亡くなったから私は責任があるはず。面白い。停滞の時代に
激動の時代を描いた。今の日本は停滞している。停滞は馬鹿にならない。こうゆう
時代にこそ、人は自分の中、虚ろを見る。ホーフマンスタールは停滞期にわざわざ
激動のマリーアントワネットの時代とした。私は日本の明治に置き換えた。）
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