新国立劇場白衛軍

　新国立劇場「白衛軍」

＠初台　新国立劇場中劇場（2024/12/03-22 18ステージ）
　全指定　S席8800円 A席6600円　B席3300円　開幕3作品通し券21700円　Z席1650円

　作：ミハイル・ブルガーコフ　英語台本：アンドリュー・アプトン
　翻訳：小田島創志　演出：上村聡史　美術：乘峯雅寛　照明：佐藤啓
　音楽：国広和毅　音響：加藤温　衣裳：半田悦子　ヘアメイク：川端富生
　演出助手：中嶋彩乃　舞台監督：北条孝、加瀬幸恵
　配役：
　・白衛軍(皇帝ニコライニ世下　旧ロシア帝国軍人。)
　タリベルク(大佐）：小林大介
　アレクセイ(大佐トゥルビン兄弟兄）：大場泰正
　アレクサンドル(大尉）：内田健介
　ヴィクトル(大尉）：石橋徹郎
　ニコライ (士官候補生トゥルビン兄弟　弟）：村井良大
　将校1：西原やすあき
　将校2：駒井健介
　将校3：今國雅彦

　士官候補生1：笹原翔太
　士官候補生2：松尾諒
　士官候補生3：采澤靖起
　士官候補生4：武田知久
　士官候補生5：山森大輔
　士官候補生6：前田一誠
　士官候補生7：草彅智文
　マクシム(学監）：大鷹明良

　エレーナ（タリベルクの妻トゥルビン兄弟妹）：前田亜季
　ラリオン（トゥルビン兄弟従兄弟詩人）：池岡亮介

　・ゲトマン軍（白衛軍を支持。）
　ゲトマン：采澤靖起
　レオニード(副官声楽家エレーナに横恋慕）：上山竜治
　フョードル (従僕）：大鷹明良

　・ドイツ軍（白衛軍に協力）
　フォン・シュラット(将軍）：前田一世
　フォン・ドゥスト(中尉）：今國雅彦
　軍医：山森大輔

　・ペトリューラ軍（自衛軍、赤軍とキーウを巡って対立。ウクライナ人民共和国
　人民主義者、農民たち）
　ボルボトゥン(大隊長）：小林大介
　ガラニバ：駒井健介
　ウラガン：草彅智文
　キルパートゥイ：武田知久
　フランコ：西原やすあき

　コサック兵：前田一世
　靴屋：山森大輔

　・赤軍（自衛軍、ペトリューラ軍とキーウを巡って対立。ボリシェヴィキ
　　ロシア社会民主労働党の多数派）

　出演：
　村井良大：白衛軍ニコライ (士官候補生トゥルビン兄弟弟）
　前田亜季：エレーナ（タリベルクの妻トゥルビン兄弟　妹）
　上山竜治：ゲトマン軍レオニード(副官）
　大場泰正：白衛軍アレクセイ(大佐トゥルビン兄弟兄）
　大鷹明良：マクシム(学監）、ゲトマン軍フョードル (従僕）
　池岡亮介：ラリオン（トゥルビン兄弟従兄弟詩人）
　石橋徹郎：白衛軍ヴィクトル(大尉）
　内田健介：白衛軍アレクサンドル(大尉）
　前田一世：ドイツ軍フォン・シュラット(将軍）、コサック兵
　小林大介：白衛軍タリベルク(大佐）、ペトリューラ軍ボルボトゥン(大隊長）
　今國雅彦：白衛軍将校3、ドイツ軍フォン・ドゥスト(中尉）
　山森大輔：ドイツ軍軍医、靴屋
　西原やすあき：白衛軍将校1、ペトリューラ軍フランコ
　釆澤靖起：ゲトマン軍ゲトマン
　駒井健介：白衛軍将校2、ペトリューラ軍ガラニバ
　武田知久：ペトリューラ軍キルパートゥイ
　草彅智文：ペトリューラ軍ウラガン
　笹原翔太：白衛軍士官候補生1
　松尾諒：白衛軍士官候補生2

　2024/12/04(水)晴 6:30-9:41PM(105/休20/65）最前方中央　客席3割(250人？)
　客層：2世代　ベテラン中心　女性過半数。
　客入れ：感染対策手指消毒任意。最前10列目　2Fも使用空席多。当日パンフ A4
　顔写真付き相関図　物販。パンフ B5 1000円、クリアファイル、マグネット。
　カーテンコール拍手続くも2回で仕舞い。

　1924年小説刊行、2年後作家自身の戯曲「トゥルビン家の日々」＠モスクワ芸術座が
　上演。今回、2010年英国ナショナル・シアターで上演されたアンドリュー・アプトン版
　での上演。

　舞台。中程に朽ちかけた門型の額縁。奥行き、幅ともある劇場空間と機構を使い倒し。
　床全体を下げ、遠方の島舞台が眼前にやってくる趣向。さらに廻り舞台でトゥルビン
　兄弟の緑の壁にクラシカルで落ち着いた調度のあるリビングと外部を切替。酩酊して
　足元がふらつく様を、舞台機構で補助するのを初めて見たねこ。

　お話。ロシア帝国崩壊後、主に旧ロシア帝国軍人たちで構成される白衛軍は、
　ウクライナにおいて、キーウでのソヴィエト政権樹立を目指す赤軍（ボリシェヴィキ）
　と対立する存在だった。さらに社会主義的なウクライナ人民共和国下のペトリューラ軍
　が加わり、三つ巴に。そんな中も白衛軍のトゥルビン家に集まる将校たちは、ともに
　酒を呑み、歌う日常を過ごそうとしていた。しかし、白衛軍を支持するゲトマン政権の
　後ろ盾ドイツが第一次世界大戦に負けたことで、トゥルビン家の人々も歴史のうねりに
　のみ込まれていくこととなる。

　ガツンと響く、昔話と思えぬアクチュアルな舞台。切実で恐ろしい、カオスな政情で、
　喧嘩好きの狂気に抗う苦闘、理性と優しさを、歴史の中身な人間ドラマから細やかに
　描き。痛みと悲しみ、愛情と揺れを始め、様々な感情を極く丁寧にすくい上げてて、
　親近によく胸に響き。俳優達の好演もまた。照明、音響が移ろって、適時応じた絵面を
　つくってて○。シビアな場面が続く中も、エレーナを巡る横恋慕、若き詩人ラリオンの
　世間ズレしてない真っ直ぐなさまなどがおかしみ、愛おしさを添えて、味わいあり。

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