打打芝居公演「ＡＬＯＮＥ人利鬼離 ひとりきり」
＠下北沢・スズナリ
作・演出：宇梶剛士
1994/9/24(土)2:00-4:00PM 雨 客５０人
同和問題、従軍慰安婦問題など、弱気もの達の存在を背景に、真摯で物語性ある
舞台の打打芝居公演。年１回ペース公演の今年は、個としての人や、差別を産み
出す心を寓話のように描いて行く舞台。前回までの公演とは、ちと違う趣。
根源の暗い穴蔵の中の心は、恐怖を持つ。それがために武器、金、ルールを
つくり、人は安住をえる。そして、無知な心は差別を産んでいく。
人を理解できぬ無垢な鬼達を登場させ、当たり前と思えることに疑問を提示。
否定、肯定双方の場があり、押し付けのない舞台に好感。力強く、構成も確か。
鬼灯、大太刀の悲嘆など、押えた感情が胸にくる。
ただ、疑問を提示されても、正直、戸惑うだけの考えなしねこ。後半、地球・
宇宙的観点からの個人を描くが、これも消化できず戸惑い。今回は、暗喩が
多いようで、読み取るのが辛い時も。
役者では、さまよう、自分を無くした鬼役・鬼灯（ほおずき）の道方千晶。
張った、凛とした声と演技で、○。
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