T.P.T.「渦巻」
＠森下・ベニサンピット(1995/12/21-1/21 33ステージ） 前売、当日：6000
作：ノエル・カワード 訳：常田景子 演出：宮本亜門
出演：桃井かおり、キムラ緑子、中島晴美、及森玲子、山本耕史、千葉哲也、
春海四方、朝倉杉男、中井啓輔 他
1995/12/29(金)3:00-5:10PM(休憩15) 晴 入口側奥ブロック上手から
客席満員(160+当日2F？人)
舞台。中央舞台から四方に通路。取り囲む、散在気味客席：大まか４ブロック。
黒とグレー、シックな美術。ひそげに白い花。家族、恋人の写真。古風な電話。
ソファ、椅子、テーブル。通路の端：壁際にはそれぞれ。ピアノと蓄音機。マ
ントルピース。鏡。や本棚、レコード棚。そして階上への階段。闇と同化する
ような、舞台美術、◎。
お話。かつてその美貌で社交界の華であった、フローレンス（桃井かおり）。
初老・夫がいる屋で、若い恋人：トム（千葉哲也）と逢瀬。冷かし、空騒ぎな
周囲・友人。今夜はデート。と、明日帰ると彼女間違えの息子：ニッキー（山
本耕史）帰国、帰宅。婚約者・パンディ（及森玲子）同伴。トムとの逢瀬に気
が取られ上の空、フリーレンス。とバンティ。実はかつての恋人：トムとの再
会に目覚め、ニッキーから離れる。苛立つニッキー。トムとバンティがかつて
の恋人から別れた夜。ニッキーは、母フローレンスに思慕の念を訴えるが。
前半、さり気な会話にかげ口こそり。後半、隠し切れない本音ばしばし。と、
一見うわべつくり。どうも胡散臭い。隠された事柄、ほんとのこと、別にあり
そ。説明なしの展開（例：何故、夫が超年上。息子は彼の連れ子？とか。）に
岩松了連想な仕掛けありそ。例１：フローレンス親友；ヘレン（キムラ緑子）
の誠意ある人物像。親子の不自然な関係、気にかけ忠告。何故それほどまでな
真摯さ。心、本意はニッキーへの愛情故？。とか。例２：親子。子供のよう（
２４歳なのにさ）母を渇望するニッキー。心に蓋をする母。不自然。二人の間
には、一体語られない何が？。とか。好奇心うずうずねこ。面白し。
それも台詞はむろん、目線、しぐさ（たばこ芝居多し）の巧みさ故の喚起。な
役者演技、◎。桃井かおり、突出。無関心、傲慢さの陰からのぞく恐れ、渇望。
捉えどころのなさに翻弄されねこ。岩松了「月光のつつしみ」同様、彼女中心
の渦巻、ぐるぐる。及森玲子。理知的、かわいらしい、色気ほのかで○。した
たかでいて、不安と焦燥、渇望を抱えてるキャラ。好演。キムラ緑子。通る声。
沈黙で感じる目線の強さ、まっすぐさ、○。舞台が締まる。女優が勝ちな舞台。
千葉哲也。ただ立っても、力を放射する存在感、○。ただ今回さり気過ぎか。
彼と桃井のたばこ芝居が、なんでもなさげで決まり。かっこいい。山本耕史。
キャラ故か、単調。熱演なんだけど。
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