トム・プロジェクト「マシーン日記」
＠下北沢 ザ・スズナリ (1996/9/3-11 11ステージ）
前売指定3700 自由（4列ベンチ）3200（当日+300）
作・演出：松尾スズキ[大人計画] 美術：加藤ちか 照明：佐藤 啓
音響：藤田赤目 衣裳：横田さやか 舞台監督：野口 毅
宣伝美術：吉澤正美
出演：
片桐はいり、有薗芳記、加地竜也、加藤直美
996/9/8(日)晴 2:00-3:50PM 中段より 客席ほぼ満員(170人）
客層：20（〜30）才代中心。女性過半数、こころなし大人計画より年上層か。
客入：おねえさん一人で丁寧的確に誘導。教えらんないと席番わかりがたし
岩松了＋片桐はいり、横内謙介＋加納幸和など、ほよよな組み合わせＰのトム・
プロジェクト。今度は、松尾スズキ＋へえ！？な上記キャストの組み合わせ。
大人計画のコント公演以外じゃ、最小な人数での松尾スズキ作品かな。
だれがキャスティングしたのかしら。この後、北村想＋戸川純なんてお楽しみもあり。
舞台。歯車壁画な壁が、縦スライド式に上がれば、プレハブのお家。そこの壁も
横展開でじゃーんと開閉。ごみごみの部屋。マンガ雑誌ばかりのラック、床には
布団やらマンガ。机、棚、ごちゃごちゃ。劇中、下手壁には、「日記」のスライド
投影あり。
お話。（相思相愛な）女工（加藤）をレイプしたと言い張る弟（有園）。その落とし前
に彼女となんでか結婚する兄（加地）。き○がい野郎。自己反省？罰？で
鎖に繋がれた弟。打ちちょうちゃくされる女工。どん詰まりな三人のもと、マシン
になりたい願望の機械工志望・女（片桐）登場。マシンな作業：ＳＥＸ、弟と
がんがんな彼女。自称弟のマシンな彼女は、さらに彼の開放願望をかなえるべく・・。
泥沼万歳な密室愛憎劇世界。破壊とふりだしに戻る、なラスト。
狂気への対処。１逃げる、２共に狂う、３殺る。痴呆に逃避な女工、鎖を繋いで
偽狂人な弟達は１、２選択。でも、堪らない2人、やがて３に移行は愛憎の悲劇
定番。けど今回、マシン願望女が3を代行する。いわばマシン状態から、人間に
戻りたい2人が、マシンに救われる。もち、楽して救われない。女工の死（開放）
と弟の痛み（自由になっても足失う）の落とし前付き。シニカルで面白いねこ。
とだけで、割り切れない。マシン女も人ですから。どさくさでライバルな女工殺し。
嫉妬？、他人にかこつけた鬱憤ばらしか？な感じ。おまけに両性具有なのは
なに？。兄ときては不死身っぽいし。救いは一時のものかもしんないし。うーむ
一筋縄じゃいかないとこに味わいあって○。
会話。松尾スズキしてて○。突拍子なく、実も蓋も無く、なさけなく。結構笑うねこ。
歯に衣なきアナーキー。普通の芝居で二時間かかるのを、二言で語るよな
醒めた知性◎。なんか具体的感想じゃなくすんません。台本ほしいなあ。
役者。有園さん。狂うの観るの久方。手がつけられない感じがグー。松尾スズキ
の世界でも自己主張。さすがなり。加藤さん。「オハヨウのムスメ」の彼岸から、
現世よりの演技。それでも、いじめたい度は高。浮遊してて弱々しいとこが、
なんとも魅力。はいりは、はいり。きっぱり、役にあってる。加地さん。あんなに
しゃべるの、観るの初めて。うーん、なんか違うよな。あの役は、松尾スズキの
ものじゃないかなあ。
音楽。レイプ後の修羅場。流れる「虹のかなた」が哀しく美しい。ひきょーだけど、
巧い。
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