東京乾電池 二十周年記念公演「しとやかな獣」
＠下北沢・本多劇場 (1996/9/5-16 15ステージ）全指定前売り3800当日4000
原作・脚本：新藤兼人 演出：柄本明
出演：柄本明、ベンガル、綾田俊樹、角替和枝、蛭子能収、広岡由里子ほか
1996/9/15(日)晴 7:00-8:45PM 前方上手より 客席 ほぼ満員(380人）
客層：女性過半数。年齢層高め。おじ、おばさんもありの老若男女。
客入れ：特記なし。
初めて東京乾電池観たのは十周年公演「まことむすびの事件」＠紀ノ國屋'86-3
山崎哲作。柄本明さんの真摯な演技を記憶。今回パンフによると、即興劇形式を
やめた最初の公演だったとのこと。この後、岩松了の一連の作を上演する。即興
のも観たかったなあ。パンフ(800円)の写真つき年表にふむふむ。懐かしいねこ。
今回、久々のフルメンバー公演。嬉しい。
お話。元は映画らしい（'62川島雄三監督。未見）。高度成長期。なんでもなさげ
な団地の一室。子供を利用して金を稼ぐ両親。それを当然と受け止め、自分の取り
分ちゃっかりの子供。脱税で荒稼ぎの男から、金を巻き上げる知的悪女。悪党たち
の家庭劇。
面白い。とりすましたようなチェーホフの乾電池より、好き。悪びれない、悪い
ヤローばかり。騙し騙され合いの面白さ。開き直った様の痛快さ。詐欺してても、
ちゃっかり定期預金、妙に堅実なおかしさ。悪はすれど非道はせず。日本人してて
興味深いねこ。貧困の苦痛、欲望の肯定とか裏打ちの隠し味。柄本さん始め、くせ
あり役者のひょうひょうとした演技。いい味だしてて○。修羅場な男女の別れ話を
マンボダンスの振り付けでやったりとか、くだらなさも○。
この路線、好き。日本映画シリーズとか、やらないかしら。
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