T.P.T.「松本幸四郎 IN マクベス」
＠銀座セゾン劇場 全指定S9000 A7000 G2000
原作：シェイクスピア 訳：松岡和子 演出：デヴィッド・ルヴォー
美術：ヴィッキー・モーティマー
出演：松本幸四郎（マクベス）、佐藤オリエ（マクベス夫人）、堤真一（マクダフ）
天衣織女（マクダフ夫人）、池田成志（バンクォー）、尾崎右宗、松本きょうじ、
松浦佐知子、春海四方、松本紀保、片岡弘貴、田岡美也子 他全27名
1996/10/5(土)晴れ 6:30-8:45PM 中段（距離15m?）から 客席ほぼ満員(780人)
客層：老若男女。おばさん寄り。女性客７割？。 客入れ：特記なし。
お話。1605年頃の作品。武将マクベスが悪魔の予言と妻にそそのかされ、王と臣下
バンクォーを暗殺、王位分捕り。けど、王の子供に討たれちゃう。
舞台。パースペクティブ。下手、奥深く広い廊下と高い天井の張り出し。上手、一
枚透ける仕切が天井まで。今回も闇を従え、浮かぶような美術、◎。
生理にぐっと来る。半透明の幕で隠された暗殺の場。陰謀を巡らす時の重低音。絶
えずある闇。事ある時の閃光。叫び声。台詞を越え、底知らぬ人の心を暗示するか
のよう。理屈を越えた演出、美術◎。マクベスと夫人の行き交いにばかり、主をお
かず、ぐんぐん展開する周囲。ダイナミックでグー。
一方、リアルな描写は現代に直結。暴力と不幸の連鎖は何百年たとうと潰えない。
子供を惨殺された、妊婦のマクダフ夫人（天衣織女）は兵士にレイプされ、殺され
る。世界のそこここ、今の惨状。直情に訴えるリアルさが巧み。
役者。松本幸四郎。こまやかで内省がわかる演技。でも、あまり印象に残らず。佐
藤オリエ。やっぱ声が支配的。艶とすごみがあって好き。池田成志。きりりとして
てかっこいい。堤 真一。今回印象に残らず。なんでかしら。天衣織女。飾らない
演技が、演出とあって好感ねこ。
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