T.P.T.「署名人」「マッチ売りの少女」
＠池袋・東京芸術劇場小１ (1997/10/29-11/3 8ステージ） 全指定前売り当日4500
1997/11/2(日)晴れ 7:00ｰ9:40PM(休憩15分) 前方より 客席満員(260人)
客層：老若男女。年齢層高め。女性過半数。
客入れ：当日券。開演30分前発売。20人ほど列。制作がきちんと誘導して○。
１「署名人」（70分） 作：清水邦夫 演出：大鷹明良
出演：みのすけ（井崎某 囚人）、片岡弘貴（赤井某 囚人）、福井貴一（松田某 囚人）
春海四方（獄吏一）、石橋祐（獄吏二）
舞台：薄明かりのねずみ色監獄。上手に小さな鉄格子入口、下手壁角にわずかな窓
お話：国事犯房に、政治記事の執筆者に名前を貸す生業の「署名人」が投獄されて
くる。政治犯の企てを聞いてしまった「署名人」は生き残るためしゃべり続けるが
悪い方の選択しかできず、滅んで行く人達。哀れというより滑稽に感じたねこ。薄
暗い照明、しゃべることを余儀なくされた調子のいい男（みのすけ）と寡黙な男達
の無気味さが緊迫感盛り上げ。殺し合い後、すがすがしさを感じたほど。みのすけ
の超長台詞に拍手。
２「マッチ売りの少女」(55分) 作：別役実 演出：ジョン・クローリー
出演：久世星佳（女）、石橋祐（その弟）、花王おさむ（初老の男）、田岡美也子（その妻）
大鷹明良（男の声）、中村有岐（女の声）
舞台：１の天井を低く。中央にテーブル椅子。上手に入口。下手壁に花と点る蝋燭
お話：初老の夫婦の「夜のお茶会」。そこに市役所から来たという、見知らぬ「少
女」がやってくる。かつてマッチを男達にすらせ、スカートの中を見せる「マッチ
売り」をしていたと。その上、夫婦の実の娘であり、弟もいるというのだ。
正統というのか、曇空な雰囲気の得体知れなさある別役演出。台詞に漢字熟語が他
「あれま」みたいな普通言わないよ言葉に時代。その古めかしさ、四角四面さとお
かしな会話の取り合わせは面白い。役者はなぜか老成したような、味わいある演技
少女役・久世さんの凛とした演技に外した会話の妙が◎。
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