T.P.T.<フューチャーズ･プログラム>「勝利/楽屋」
＠森下・ベニサン･ピット(1998/9/3-10/3 36ステージ) 全指定 前売り当日共6000
「勝利〜ザ･ストロンガー」
作：ストリンドベリ 台本：薛珠麗（せつしゅれい）演出：柳田伊久子(NLT)
出演：富沢亜古(X)、久世星佳(Y)、松浦佐知子（ウェイトレス）
「楽屋〜流れ去るものはやがてなつかしき」 作：清水邦夫 演出：鈴木裕美
美術：磯沼陽子 出演：松浦佐知子(A)久世星佳(B)富沢亜古(C)幹ジュンコ(D)
1998/9/12(土)晴れ 7:05-9:20PM(25+休15+1'35) 最前列より 客席満員(160人)
客層：20-30才代女性中心に幅広く。
客入れ：適時誘導ありのいつもどおり。今回は階段座布団席なし。
バックボーンが異なる役者＋いつになく若い演出家による、「女優」を取り上げた
同時代設定の２作。宮沢さんは文学座所属、岩松了の「クロイツェルソナタ」にも
出演されてましたね。久世さんは宝塚出身、ねこは昨年の「マッチ売りの少女」
出演で記憶。松浦、幹さんはおなじみ小劇場出身。幹さんの東京での本格的舞台
は久しぶりかな。あと、柳田さんはNLTの俳優で初演出とのこと。
・「勝利」(1889)
舞台。四角い劇場角に△舞台（客席は▽配置）。上方通路に囲まれてる感が面白い
上手に螺旋階段。前方、か細い鉄フレームの椅子と丸いテーブル×２。中央、赤い
チューリップの花束が漆黒の舞台に浮かび上がる。
お話。カフェ。ひたすら話し続けるＸ、押し黙ったＹ。２人の女優の「会話」から
Ｘの夫を巡る愛憎が立ち上る。
全身で感情さらけだしの富沢さん、クールそうな中も時折あからさまな表情に感情
を伺わせる久世さん、綺麗だけどイヤな女ぶり○。終始途切れぬ、緊迫感が気持ち
いいねこ。
・「楽屋」(1977)
舞台。中央、金色の縁取りの三面鏡。上手に洗面台、簡素な椅子、テーブルと柳ご
うり。下手に大きめの鏡台、レコードプレイヤー、バラの花束。前方にソファと雑誌
をおいたテーブル、と脇の床に踏み竹。
お話。チェーホフのかもめを上演している劇場楽屋。４人の女優が女優たらんと
してすがるように生きる様を描く。
女優であろうとする人の姿がすっと感じられる舞台。不安と憧れ、絶望と希望ない
まぜの感情を素のままにだしたよな演出、演技に好感ねこ。アンサンブルにも違和
感なくて○。ラストは野に思いが彷徨い散逸するな感じで、余韻○。幹さんの存在
感◎。天使の微笑みから一瞬間後の鬼面な表情と目線への移ろい。カワイイ怖い、
ぞくぞくどきどきねこ。久世さんが「勝利」と同一人物と思えない、親しみな役で
面白い。
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