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 T.P.T. 24 ヴェデキント・プロジェクト「春のめざめ」

 @森下・ベニサン・ピット(1998/11/1-23 23ステージ) 全指定前売り当日共6000
 作:F・ヴェデキント 訳:広島実 演出:串田和美 音楽:向島ゆり子、今井次郎
 照明:斎藤茂男 制作:T.P.T 出演:下記

 1998/11/7(土)曇り 5:00?-7:25PM(1'05/休14/56) 奥側から 客席満員(190人)
 客層:女性8、9割。20才代からおばさままで。
 客入れ:当日券(当日学生割引券含む)、開演40分前から。販売時で10?人ほど。あ
 んまり列ばず、家庭のある方は夜×なせいもあるのね。堤さん出演だと、根性入れ
 ないと当日券つらいけど。本席脇の席と階段座布団席が割り当て、今回は見晴らし
 がいい中央舞台なんで全然OK。パンフいつも通り手頃な大きさと価格(500)。
 出演者一杯なんで重宝、配役表が別途置かれていてこれも○。客入れは役者(石橋
 、春海さんら)が行い、平床で普段着の役者達が遊んでる?(借り物ゲームとか、
 お客から借りてきたり)脇を通り抜けて席に。たまに山下さんとか話しかけてきた
 りな公開稽古・休憩時間な趣。なんか子供時代以来だなこんな感じはねこ。開演の
 ころには役者さんとすっかり親しみ雰囲気な客席。注意アナウンスでは、上演中役
 者に話しかけない、触ったりしないこととお願いがあるほど。休憩は不安定な思春
 期な主人公の年齢にかけて、中途半端な14分。

 舞台。つうか会場。入口入ると小道具やらおかれてる舞台袖。表への扉は開いてて
 (開演直後閉められ)チョークで「春のめざめ」と。広い遊技場然とした中央平床
 をコの字に囲む階段客席。奧80、両脇40人ずつ。テーブルなど中央、周囲客席の間
 に傘立て、茶箱、花束ら日常品が置かれ。周囲の壁には町並み、青空がペインティ
 ング。正面脇に大きな(シャワー)カーテン。脇には幼児の裸身ポートレート。なんか
 いろいろあって、きょろきょろと楽しいねこ。
 
 お話。進学勉強に追われながら異性も気になる14才。モーリッツもその1人。でも
 進学に失敗し自殺。遺品から友人メルヒオールのセクシャルな手記が。学校は彼を
 反道徳だと退学を迫る。初め拒んだ母親も彼が無知な14才のヴェンドラと性行為に
 及んでいたことを知り、衝撃を受け同意。感化院に送られたメルヒオールは脱走、
 墓地でヴェンドラの墓・堕胎に失敗して死亡、を見つけ絶望。そんな彼をモーリッ
 ツの亡霊は死の国に誘う、も仮面の紳士達に導かれたメルヒオールは、生の世界に
 帰還する。

 ポップで軽やかな演出。役者の体と道具を自在に活用、動きある舞台がいい感じ。
 古くさく、もどかしい印象な原作(1890)はこうじゃないと辛いかも。例えば、テー
 ブルはボート、立木、墓穴と変化使用、風音や鳥の声ほかSEは役者自ら客席脇な
 どで「演奏」。照明は裸電球だけにしたりもとシンプル、シャープ、明暗くっきり
 プロジェクターを手持ちで動かしながら投影もあり。ブリキの自発団で生田さんが
 してた簡素でいながら想像力を呼ぶ、ライブ感ある公演スタイルを彷彿ねこ。開演
 前後はこんにちわ、じゃバイバイな軽やかさ。慎むことが多い原作、つうか今にこ
 の劇終は爽快ねこ。

 若やぎの前半、冬のきびしさな後半展開。性を巡る会話には、過度に禁欲的と思え
 る時代がかりなこっぱずかしさ、タブーを犯した子供を問答無用に潰す大人達はカ
 リカチュアされた滑稽さありながらグロさあり。な外観に今に通じる普遍を伺わせ
 行為そのものがどうじゃなし、無知であることが問題で悲しみの元、いつも犠牲者
 は子供なんねという。うんでもこの原作でなくても、という違和感は未だありねこ。
 
 役者個性もとりどりな、お楽しみ。大森君の大人びながら不安定な男の子ぶりが○
 初々しく女の子してる、馬渕英里何さん。危うさも感じさせて○。いろいろ思案す
 る少年役、久世星佳さん、端正に舞台を締めて○。花王さん。おばさんの拵え、妙
 に似合うのが面白し。春海さん。いろいろ男女役。お下げ女の子役にくすくす、ガ
 ジェットなダンスの乗りのよさには拍手の場内。

 役者が指名し合い14歳だった自分を回想する、日替わり場面。山下さん:なりたい
 ものの作文に売春婦と。優等生の自分はアウトローにあこがれてた。大森さん:裏
 ビデオにびっくり。春海さん:学校にスパルタ教師がいて。

出演:     ACT1          ACT2
馬渕英里何   ヴェンドラ               ←
                      教師
花王おさむ   ヴェンドラ母・ヴェルクマン夫人 ←
        マイアー          
                      校長・ゾンネンシュティヒ
大森南朋    メルヒオール        ←
北村有起哉   モーリッツ         ←
                      感化院の生徒
田中哲司    オットー          ←
                      フンガーグルト
                      プロプスト叔父
                      感化院の生徒
                      仮面の紳士
石橋祐     ゲオルク          ←
                      カールバウフ牧師
                      メルヒ父・ガボール氏
山本亘     ローベルト         ←
                      ツンゲンシュラーク
                      シュティーフェル(モーリッツ父)
                      シュミットおばさん
                      仮面の紳士
本田豊     エルンスト         ←
                      教師
                      クノッヒェンブルッフ先生
                      感化院の生徒
                      仮面の紳士
春海四方    女の子・マルタ       ←
                      ハーババルト
                      感化院の生徒
                      仮面の紳士
松本きょうじ  女の子・テア
                      クニュッペルディック
                      ツィーゲンメルカー
                      シュティーフェルの友人
                      医師
久世星佳    エルンスト友人・ハンス   ←
及森玲子    メルヒ母・ガボール夫人   ←
山下裕子    モデルの子・イルゼ     ←
武石一恵                  フリーゲントート
                      ヴェンドラ姉・イーナ
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