東京ボードヴィルショー第53回公演「アパッチ砦の攻防 決定版」
＠新宿・紀伊國屋サザンシアター (1998/12/16-28 14ステージ)
全席指定 前売り4,200当日4,500
作：三谷幸喜 演出：添田忠伸 照明：服部基 音響：石神保
舞台装置：石井強司 衣裳：大森秀紀 イラスト：寺門孝之 宣伝美術：鳥井和昌
舞台監督：岡 嘉洋 スーパーバイザー：滝大作 制作：杉山由紀子ほか
出演：佐藤B作、佐渡稔、石井愃一、市川勇、たかはし等、あめくみちこ、
山本ふじこ、子林美江、能見達也、橘未於、市瀬理都子
客演：伊東四朗、松金よね子
1998/12/16(水)晴れ 7:05-9:15PM(2'10) 前方より 客席ほぼ満員（450人?）
客層：老若男女。平均年齢層が高いのはベテラン劇団らしいところ。
客入れ：当日券、開演１時間前から。初日は補助椅子を出すまではいたらず。結構
いい席あり、開演間際でも大丈夫そう。ビデオ(3000)販売。初演と地方公演のすっ
たもんだを編集した２本組。ファンにはお得。パンフ見あたらず。今回つくっていない
のかしら。
'96初演当時、三本の新作を抱えていた三谷氏。今度初日を遅らせたら断筆!宣言し
たのはこの頃。本作品もご多分に漏れず、本番２週間前に３度目の書き直し、脚本
枚数０。七転八倒の末の初日だったよう。再演は改訂上演、加筆分のためか上演
時間は初演より１０分ほど長いものに。
舞台。高層マンションの明るい居間。白い壁、アーチを描いた出入口とか高級そう
な。正面奧にガラス窓越しにテラス。部屋中央に落ちついた色合い、座り心地よさ
そうなソファ。上手に奥・台所、手前・寝室へのドア、下手は奧・玄関、手前・バス
ルームへのドア。調度はどっしり木調、壁にアフリカンな木彫りの仮面、人形と
アンバランスなウォーホールのリトグラフ。
お話。主らしい男（佐藤）が訪ねてきた実娘とお話中。結婚する相手を連れてくる
というと、なぜか男は大慌て。主顔をしてはいたが、そこは彼の家ではないからだ。
ウソを取り繕うウソの上塗りでしっちゃかめっちゃかになるお馴染みコメディ展開
混乱ぶりに拍車をかけるいろいろ訪問者、日本語の曖昧さ故の勘違い会話など、
悪乗りなほどの乗りが楽しい。強引なところはまあお約束。意外性はなけれど、
期待通りにやってくれる面白さは○。後半しんみり、苦言でちくりりは三谷さんらしい
けど、全体判りやすくて笑えるのが○。
再演な今回。厚顔無恥・非常識で目茶な佐藤B作演じる男が捨てた細君（松金）登
場。男勝りの押しと気の強さもちつつ如才ないという、食えないキャラ。そんなで
きた彼女も、元亭主のウソに勘違いと思いこみ。真剣にしてるお間抜けぶりが可笑
しいねこ。阿呆な男達に苦言、舞台をぴりりといい感じに締めもして○。伊藤四郎
の絶妙なおかしさは変わらず。滅茶苦茶な男の物言いにも丁寧に応対、知らぬはこ
れまた本人ばかりなりな。持ち前のクールなキャラも相まって一層のおかしさ。松
金さんと合わせて、Ｂ作さん初めのバタ臭い周囲の熱演との付け合わせもいい感じ
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