tsumazuki no ishi 「TURTLE HEADS」
＠下北沢「劇」小劇場 (1999/1/13-17 5ステージ)
全自由前売り当日共2500
原作：佃 典彦（劇団B級遊撃隊）「ヨーゼフという名前の亀」
脚色・演出：寺十 吾（じつなしさとる）
照明：鈴木徹也 音響：高沼 薫 舞台美術：岡村美郷 宣伝美術：岡村美郷ほか
舞台監督：木立隆雅 制作：相川 直 ほか
出演：
宇鉄萄三（亀が住む部屋の下の住人 アキラ） 寺十 吾（アキラの居候 鉄雄）
高橋由希（近所の未亡人）
竹下カオリ（犬を探している。 女）、松原正隆（←女の彼氏。 男）
冴未麻由こ（失踪中の 大家の孫）
猫田 直（マリー）、木立隆雅（妻（マリー）を探している夫 坂田）
日暮玩具（マリーの知り合い、インターン 山口）
1999/1/14(木)晴れ 7:35ｰ8:15PM(1'40) 前方より 客席８割（60人)
客層：20才代中心、女性過半数。
客入れ：荷物預かりあり。適時、客席誘導あり。
前回、はせひろいちに続く外部のホンを取り上げ。名古屋の佃典彦作品上演。
舞台。つぎはぎの板張り床、調度らしい調度がなし。生活感のないがらんとしたワン
フロア。壁は上から下までひび割れ。下手に入口、クリーム色のパイプが縦横むき
出し。天井に蛍光灯を無造作に吊した、やはりむき出しの梁が十字にあり。床の作
業台にミシンや裁縫用品。ワゴンに無造作に置かれた台所用品、ミネラルウォータ
ーが幾瓶か。下手にゴミ袋など。
お話。アパート部屋一杯な巨大亀に引き寄せられる人達。周囲の！？な姿混じりに
増長する混乱を描いてく。
不条理な設定に（愛などに）飢えた人の姿を浮かばせる。亀に引き寄せられる男女
亀といえば、男根でしょ。男根といえば、思いを注ぐ人な男やら、父親でしょ。
で、日常、夫（亡夫）に飽いた主婦（未亡人）は亀に恋い焦がれる。少年期に家
族が離散した男は、かつて飼っていた亀に拠り所を求める。現実の孤独な寒さに、
非現実で不条理な温もりの取り合わせ。まあシニカルな面白さ。なんて判った風に
メタファーを思い、ふーんねこ。
役者健闘。亀への不条理な恋に醒めながらも狂うマリー：猫田 直。捕らえがたい
女な闇を覗かせて○。マリーを理解できない、紳士ななりで身勝手な、夫：木立隆雅。
舞台の緊張感、密度がにわかに高まる飛び道具存在。臨界状態の危うさ◎。
２人のじりじり爆発寸前バトルの間に挟まれる、名優・寺十さんがおとぼけないい味
出してまた◎。ムードな未亡人や、きゃぴきゃぴ女の役者は、捉えどころない混乱の
雰囲気を増して○。
アキラ、鉄雄の会話などのゆったり、おとぼけに進む展開。結構臭みある内容を
解消な演出？。ゆるいのが嫌いじゃないねこも、前半〜中盤は意識なくなりかけ。
役者芝居以外にも、刺激的な趣向、演出がほしかったねこ。
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