北区つかこうへい劇団 ファン感謝祭 酒井晴江さよなら公演
「二等兵物語 〜怪盗ムーン」
＠新宿・紀伊國屋ホール(1999/8/10-12 4ステージ）
無料・招待公演（「平壌から来た刑事」中止により企画。代替ならび招待のみ）
作･演出：つかこうへい 舞台監督：森和貴
照明：酒井明、加藤九美、斎藤守之
音響：吉田一人 振付：花柳鶴寿賀、古賀豊 舞台監督助手：山城拓郎
制作：北区つかこうへい劇団
出演：
酒井晴江：チェンジャ（従軍慰安婦、（自称）在日韓国人）
藤村泰弘：藤村二等兵（青森出身。農家の8人兄弟の末っ子）
安村和之：甘拍大尉（美青年将校。戦争の痛みを処理し続けている）
相馬あゆみ：怪盗ムーン（満州平原の月明かりにのって女心を盗み来る怪人）
山本哲也：床屋の正ちゃん（藤村の幼馴染）
友部康志：友部一等兵、黒川恭佑：黒川二等兵、吉田学：学二等兵
赤塚篤紀：赤塚二等兵、吉浦陽二：吉浦二等兵、川畑博稔：川畑二等兵
由見あかり、小西真奈美、風間ありさ、田中はるみ、品田彩：慰安婦
古賀豊 ：マッコイ（アメリカ軍捕虜。ブロードウェイの振付師）
吉田智則：吉田（チェンジャの兄、朝鮮王家の嫡子なるも、特攻隊に志願）
鈴木祐二：小隊長（戦後、チェンジャと共に暮らす）
石原良純：石原（友情出演 そのまんま）
春田純一：春田（特別出演。在日を名乗り、女を騙す下司野郎。実は・・）
清家利一：近藤勇（友情出演 なんかわからない人）
1999/8/12(木)晴・猛暑 2:05-3:30M(1'25) 中段より 客席８割（350人）
客層：２０才代中心に幅広く。女性過半数。
客入れ：収録ＴＶカメラあり（ＢＳ？ビデオ?）台本(1000)。少女マンガな怪盗ムーン
画がもろ同人誌。「売春捜査官」ほかチケット販売、著作本やらあれこれ
物販
あり。
「平壌・・」の中止を受けての無料企画公演。就職引退する、酒井晴江スペシャル
劇団ＨＰで招待募集の回をみたねこ。この後、「売春捜査官」(8/13-15m通常公演）
と8/15S北海道セミナー生による「売春捜査官〜札幌旅情編（これもＨＰ募集無料
公演）」あり（演出：高橋聡）。新版の作品もそうだけど、「朝取れトウモロコシ千本、
時価三万円のタラバガニ１０ぱい争奪大じゃんけん大会」も気になる（どう?）ところ。
舞台。素舞台。
お話。終戦間近の満州。おちこぼれ兵士を集めた小隊はどうせダメならとダンス
レッスン。ダメな彼らになお過酷な戦争。明日をもしれぬ彼らの慰めは、慰安婦
（酒井）。欲望の排泄手段、だた行為せよと上官命令なるもの、藤村（藤村）は彼女に
恋心を抱き、共に逃走を企てるも発覚。折しも銃殺の寸前、玉音放送に命を救われ
る。今は戦後、上官と心通じ、身を寄せる慰安婦の元、終わらない戦後と満州での
恋心を抱えて藤村は帰ってくる。慰安婦達が苦界に夢みた、救世ヒーロー怪盗ムー
ン、憂国の戦士、理知的な甘粕中尉も登場。戦争な罪をやむなき狂気で片付けるこ
とへの怒り、納得ずくじゃなきゃ狂っちまう人への哀れみ。つか芝居エッセンス
あれこれ。
朝鮮人を騙る慰安婦、その兄は占領国である日本がために特攻行為。不条理な
差別を憤る兵士は慰安婦をいたわりながらも、虐待への復讐な情欲を抑えられず。
コンプレックスを抱えた人達のありえない逆説行為が胸をつく。偽つか芝居をカラオケ
でする春田さんの場面には、ふーん。似非ヒューマニズム、ありげな表現（悲歎を
劇的に描くこと）への皮肉が興味深かったねこ。
とディープなんだけど、限界まで役者を追い込んでない感じ。自虐な笑い勃発連発
で軽めにもみれちゃうねこ。劇団の看板俳優がはなむけにほぼ総登場もお楽しみ。
野郎どもを従えて、スケーティングダンスの酒井さんが颯爽。こんな経験した舞台
を捨てて（卒業か）、ただのＯＬ、主婦になれるものかしら?。と余計なお世話ねこ
［月間一覧］
|