第三エロチカ「ハムレットクローン」
＠浅草 アサヒスクエアＡ (2000/1/12-16 6ステージ)大阪1/19-20 愛知1/22
全自由前売り4,000円 当日4,200円
作・演出・美術：川村 毅 舞台監督・美術助手：向井一裕、JAF
照明：高良康成、フリーダム 音響：原島正治、囃組 映像：小松主税
照明操作：山川久美子 音響操作：飯嶋智 音楽協力：杉浦英治
客席製作：C−COM舞台装置 小道具：高津映画装飾 履物：神日屋靴店
稽古暢アンダースタディ／ゲイ役：西村和宏 宣伝美術：森崎偏陸
舞台写真：宮内勝 製作：平井佳子／第三エロチカ
文化庁・日本芸術文化振興会 舞台芸術振興事業 協賛：アサヒビール株式会祉
出演：
泥棒：笠木誠
王子A：伊澤勉 王子B：永野裕史 王子C：清田直子
クローディアス：哀藤誠司 ポローニアス：登山貴弘 ホレイショー：野並哲朗
ガートルード ：坂本容志枝 オフィーリア：吉村恵美子
青年：臼井武史 レアティーズ：友田憲宏 フォーティンブラス：哀藤許司、
女A：円堂香 党首：ほりゆり 女B：真す美 女C：山本由起子
女D・E：関東智子、SUZZY、浅沼尚、中谷真由美（Wキャスト）
男A：伊澤勉 男B：玉山悟
兵士：伊澤勉、登山貴弘、臼井武史、友田憲宏
浮浪者：宮島健 ゲイ：川村毅
2000/1/15(土)晴れ 7:30?-9:25PM(1'50) 後方より 客席満員(200?人)
客層：20-40才代中心。男性、それも中年層が目に付く。
客入り：整理券なし。開演20分前開場。ロビーが狭い（実質なし）なので、寒風の
戸外で待ち。入場後は以下に記載。折り込みパンフ。作品解説キャスト、スタッフ
など掲載。物販。今回台本ほか。
舞台、趣向。入場すぐ、舞台相当部分でスタンディング待ち。スーパードライミニ
缶、ウーロン茶がサービス。客席（階段状椅子席）とは鉄条網で仕切られ、
「警備兵」のお兄さんお姉さんが守っているので入れず。この状態は開演後しばし
継続。とまどう観客は、表舞台に上がっても事を成せない大衆？。手厳しい。
自転車にのったおやじ（笠木？）登場、「君が代」を歌いながらぐるぐると周回。
壁のスクリーンでは「日章旗」掲揚。テーブルを兵士が撤去すると、床は日章旗然
白布中央に隠れていた血だまりが露わ。ゲイのハムレットが兵士に連行され、桶に
棒を立てた処刑台へ。貯まった血はHIVポジティブとアナウンス。処刑終了。
客席上方ではゲイの女装男性（川村）がテキスト読み上げ。大戦の戦犯、また虐げ
られし人々らが立っては処刑され。ひとしきりして鉄条網解放、客席にお客を誘導
通路が中央しかないので、若干手間取り。
お話。ハムレット劇を演じさせられる崩壊した家族。内戦を望む青年、右翼活動家
と浮浪者に身をやつした、右系凋落政治家。無為な女子高生達。レイプや隷属され
た境遇から、政治活動に目覚め蜂起する女性達。女性と子供を支配する役割を失い
存在意義をゲイな女性に求めるも自滅する男性達。が登場。大衆にドラマを与えよ
うと現状の暇つぶしに女性自立の意志が出会い、内戦が勃発したニッポン。過去の
けじめをつけていない（ハムレット）王家は空虚なまま。反対に空虚さと曖昧さを
力をする政治に翻弄される。自由という名の力を得たはずの大衆は、右往左往、
行方不明。直情に無差別殺人に力を行使したりして。古くさい「ハムレット」の
どん詰まりの悲劇は繰り返され、留まるばかりで。
風刺と毒気たっぷりに、腐ったニッポンをさらけ出す。物語を放棄したように、
風俗、歴史の断片をちりばめ。やがて、走り出す展開も果ては混迷と空虚感が残り
投げ出されたような観劇後印象。今をシニカルに感じさせて○。登場人物は怪しく
危うい者ばかり。女子高生の手淫補助程度じゃ×と嘘ぶく、猥雑な政治家（おまけ
に今は浮浪者）。女性下着姿で、男になりたいと叫ぶ活動家。とか黒い笑い
たっぷり。ＴＶドラマのようになる昨今の演劇（これも隷属か？）への反骨ともとれ、
快さを感じたねこ。
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