東京タンバリン「盆と正月」
＠高円寺 明石スタジオ (2000/1/25-31 9ステージ）
全自由前売り当日とも2,500円 3/8-13「WOOD」とのセット券4,500円(劇団のみ)
作・演出：高井浩子 照明：池田圭子 音響：中平美紀[ルネサンスデザイニング]
振付：まん 舞台美術：横田修 宣伝美術：清水ツユコ 制作：東京タンバリン
中島敦子、長谷川美由紀
出演：
・里岩家の人々
黒岩温子（長女） ：高井浩子
黒岩桃子（次女 家を出ている） ：坂田今日子
黒岩 薫（長男 写真家） ：瓜生和成
黒岩ちなみ（三女 家をでている） ：原田砂穂[遊◎機械／全自動シアターほか] ・大平家姉弟
大平美由紀（黒岩家に事務所を間借）：大場靖子[げんこつ団]
大平周二 （美由紀の弟） ：浅地直樹[文学座]
大平可奈子（周二の妻） ：阿部光代[ベターポーヅ]
真壁淳子 （可奈子の妹） ：川田希 [ALBATROSS・元？]
荒 正夫 （涼子の婚約者） ：永井秀樹 ・可奈子の友人
近藤 瞳 ：斉藤和華子[青年団]
近藤 勇（瞳の夫）：本間剛 ・桃子の会社の関係者
堀 拓郎 ：田村拓也
嵐田 郁三 ：井上幸太郎 ・美由紀の部下
中川千佳 ：上原奈美
浜崎典子 ：大田景子 ・ちなみの同級生
海野幸治 ：森啓一郎
柄沢智子 ：衣川昌美[木山事務所]
2000/1/30(日)晴れ 2:05ｰ3:45PM(1'40) 前方より 客席満員(80人)
客層：20ｰ30才代、若い観客層。男女半々。
客入れ：三々五々と埋まる客席。荷物預かりあり。狭いボックスベンチなので
預けたほうが良。折り込みパンフ。キャストと次回予定の告知。物販なし。
舞台。洋間と和室の二世帯住宅。いつもながらきっちりきれいな美術。インテリア
ムック本にでてきそうな。上手、4.5畳に座卓と座布団。壁際ＣＤとラジカセが
さりげにラックにあり。下手、フローリング・ダイニング。白木がきれいな床に
サボテンの鉢。テーブル、椅子４脚とヒアシンス。奥側は一段高く、上手に向かう
階段ある廊下。開口端に深緑壁を背、斜に桟が簾状。フラワーアレンジメントを
生業とする人が住んでるだけあり、場面毎生花は入れ替わり。
お話。正月にあえなかった兄弟達が集まってくる。それは亡くなった彼らの両親
が新築に込めた願いでもあった。でも、兄弟の半分は家をで、普段は間借り人が
住む今。帰ってきても、なんか居心地が。そんな心持ちも、連れてきた友達と
ばたばたとしてると何処へやら。まあいいかなな、姉弟は苦言を呈するけど。
間借り事務所を構える美由紀の義姉・可奈子は再婚生活中。そこに、夫婦喧嘩
家出の瞳が、また夫が追っかけてくる。さらに、幼い頃から両親の離婚より
離ればなれで暮らしてた妹・淳子が久々に来訪。淳子は可奈子の死に別れた前夫
に思いをよせていた。再婚した後も前夫の遺品を周りに置き、今の生活に幸せ
そうな姉の姿に、積年の不満を爆発させる淳子。理不尽な感情とわかっていても
自分を抑えきれなかったのだ。自己中心の淳子に手厳しくも、優しい大人な
可奈子。しかし、淳子は家を飛びだし喧嘩別れに。しばし後、近所で事故が
起きたと聞き、可奈子は胸騒ぎを覚えるのだった。
季節は過ぎ、夏。可奈子のもと、淳子の婚約者だった男が訪ねてくる。淳子の
遺品のオルゴールを渡しにきたのだ。幼い頃の宝物には、姉への拙い手紙と
両親の小さな写真があった。一人静かにオルゴールの音楽を聴く可奈子。そんな
彼女を当屋の長男、可奈子に秘めた思いを抱く、はカメラのファインダーに
おさめる。彼自身の届かない思いをつなぐとでもいうように。
と印象に残ったシーンのみで書いてみたねこ。
穏やかにちょっとだけ哀しく生きてく日常。なにかしら欠落感を抱えた人達
ばかり。親におき去られ、将来に不安、恋人とわかれ、また叶わない片思いを
抱くとか。危うく壊れるでなく、無為に沈むでなく。日常からその切なさを
ふわりと立ち昇らせる。個々の登場人物も個性の数ほど、抱えてるものあり。
結構大人数の脇役を隅々まで丁寧に描き、絡ませて巧み。
と細やかな自然体作劇だけじゃ、いやーんなのか、遊びいろいろ。突然に全員
で楽しげダンス。別話題の同時多発会話で、キーとなる台詞をユニゾン。ごろ
ごろ寝てるだけ人達がいたりとか。青年団や岩松了を思い起こさせる雰囲気
あれど、もっと自在で軽いフットワーク。次回作が楽しみねこ。
役者。美女ぞろい。阿部さん、川田さんの美人姉妹がまず嬉しいところ。
近藤夫婦役の斉藤さん、本間さん。美女と野獣（竹中直人入って）なとこに、
くすくす。とぼけ顔で見通してる、近作キャラ定着の瓜生。いい感じに肩から
力抜けてて○。
［月間一覧］ |