トリのマーク（通称）12ヶ月連続新作上演その４「とおくにいるさかなから」
＠表参道 NADiff（ナディッフ）（2000/5/24-26 3ステージ)
予約のみ（当日予約可能）1,800円（飲み物チケット付き）
台本・演出・音響：山中正哉 演出補：柳澤明子 美術：柳澤明子、丹保あずさ、
櫻井拓見、中村智弓、山中正哉 衣装：丹保あずさ、中村智弓
音響操作：出月勝彦 制作：柳澤明子、櫻井拓見、中村智弓
出演：
柳澤明子：本屋の好きな女の子
（中村智弓）：「さかなおとこ」
丹保あずさ、櫻井拓見：案内役
山中正哉 ：言葉の工房主人
ほかお店のお客さん
2000/5/25(木)晴れ 7:15-7:50PM(30) 店内あちこちから 客席７割(10人)
客層：10-20才代の女性ほとんど。ほか、20-30才代のリーマンとか。
客入れ：アート系本屋さんの奥レジが受付。裏にNO.がついたチケット、小パンフ
ドリンクチケットもらい。自分のチケット色が呼ばれるまで、店内カフェで待ち。
すでに先発グループ向けに、店内でパフォーマンス中。お楽しみはとって置く方が
○なんで待機ねこ（店内見て回るのもいいけど）。ほぼ20-30分間隔で集合をかけ
るよう。終演後配布パンフには劇内容にそったおまけあり。こういうのはなんか
嬉しいもの。
昨年に続いて、営業中の本屋さん店内での公演。
会場。表参道から原宿よりの路地。真白にきれいなブティック、スタイリッシュな
レストランやらある通り、ほぼ突き当たり。街がおしゃれ、外人の方も多でねこが
住むニッポンとはちと違うようなそこ。クレープ屋さんの地階。洋書が多い、アー
トショップ。黄色の壁、フローリング床のオープンスペース。右手美術書、中央
ギャラリー、左手グッズとカフェ、奥にＣＤ、ビデオ。書架のみでなく、ショー
ウインドーにもあちこちおいて、展示も併設。
ナディッフＨＰ
http://www.nadiff.com/general/intro.html
趣向、展開。来場受付順、１０人ほどパーティで場内ツアー形式。お呼ばれする
までいろんな椅子がある喫茶でお茶、か店内うろうろしてお待ち。イベント三カ所
はおおよそ次のように。
その１。入口直ぐに長机、窓際に椅子、足下に桟敷席。ナレーター（丹保）がお話
解説、パフォーマーは無言。女の子（柳澤）がぱたぱたと店内。お客に紛れて、
これはどうじゃ、ふむふむ、ややぁ！、と画集やら拾い読み。銀の魚マスクに土色
ガウンの「さかなおとこ」も店内うろうろ。彼、文字の意味は知らないけど、本の
匂いと文字が好き（コーヒーも好き。呑んだことなし、匂いは好きじゃない、でも
コーヒーをみてるのは好き、なそう）。画集の間に手紙を挟んだり、それを女の子
が見つけたり。開けてみれば、一文字づつホチキス止めされた団子状文章が。
「もようがえをしました あそびにきてください」。ふーん、さかなおとこは文字
がかけない、言葉もしゃべれないのに…。できるようになったのかしらね。不思議
顔で返事を書き、本の間に入れる女の子。（最初に渡されたクラフト紙の紙袋開け
るよう指示あり。魚のえらのような耳当てをつける、頭の上に回して耳！！もかわ
いいかもと、丹保さんとやりとりしながら。顎で蝶結びがうまくできん、不器用ねこ。）
その２。耳あてなえらをつけた、ねこらひょうきんな一行は案内され、お店のおく
がわへ。ちょっと恥ずかしい。前のパフォーマンスをみてたらしい人が愉快げな
視線で、一般客やらなんじゃら顔で。テーブルにひらがなを一文字づつ書いた紙。
ナレーター（櫻井）、文字で好きな言葉をつくってください。お客それぞれ思い思い
に並べて、あれこれ言葉つくり。さかなおとこが近寄ってきて興味津々？と
文字列べ。意味には興味がなく、形をみてる。各々、好きな１文字をとって、移動。
その３。店内ど真ん中にある掘っ建て小屋、ギャラリーへ。真白にブルーさし入れ
た明かり。ドアや格子つき窓（を壁に立てかけて模し）。女の子の足もと線画が両脇
壁、下ベンチにお客座り。正面机に文字札を置き、男（山中）が作業中。お客が
選んだ文字に、他の文字をつなげて言葉造り、読みあげてもらい。ぺるー、はも、
がす（やや受け狙いかな） 二度ほど、さかなおとこが後方出入口を通り過ぎ。
この言葉工房の主人モノローグ。女の子がやってくる。さかなおとこへの手紙の封は
きられていない、彼もいない。外をみると、湖畔の彼方にパレードがゆく。女の子は
パレードが好き。ぷいと女の子はでていってしまう。さかなおとこはいなかった、
でも、女の子は彼が本屋にいることは知っている。
ギャラリー外へ。紙袋の中をみてください。さかなおとこからの手紙が、彼のしられ
てること、そうでないこと少々が書かれた冊子に小便せんともに。ドリンクチケット
をまだ使われていない方は、（８ＰＭまで）時間はあまりありませんがどうぞ。
ちょっと片思いの幸せ。伝えたいことはわからなくても、本は好き。手紙は読んで
もらえなくても、そこにいるさかなおとこや本屋さんが好き。独りよがりでちょっと
淋しい。でもそれも悪くない。のほほんとほのかに、ずっと恋してるよな幸福感。
みてるお客なねこも一緒。よくわからない登場人物、謎めきの楽しさ、不明に身を
まかす心地よさ、とか。
今回はお客参加趣向。自分でする楽しさ。見て見られてる不思議な立場。非劇場の
日常の場でトゥディズ・ファンタジーするのは難しい。白々しいから。マスクの人物
が共にいるなんてね。今回は本屋さんな場の力を借りて、違和感なしの不思議を
成して◎。トリのマークならでわ、と思うねこ。
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