トリのマーク（通称）12ヵ月連続新作上演その８ 「空には魔女もいる」
＠経堂 ギャラリーイヴ（2000/9/29-30 5ステージ)
前売りのみ2,300円（ネット予約2,000円）
台本・演出・音響・宣伝美術：山中正哉 衣装：柳澤明子
衣装制作：丹保あずさ＋久保海松子
制作：柳澤明子、櫻井拓見、丹保あずさ 会場：久保海松子、櫻井拓見
出演：
柳澤明子 ：「魔女の洞窟」「消えた行列」を探しにきた、侍口調の子
中村智弓 ：↑の子分な子、ときどき親分についていけなくなる。
丹保あずさ：↑の二人が目を付けた家の、クールな女主人。
出月勝彦 ：↑のご近所、といっても遠すぎ、の人。「なまけもの」呼ばわり。
2000/9/30(土)曇｜雨 1:05-1:35PM(30) 後列より 客席満員(23名)
客層：20才代女性、20-30才代男性半々。
客入れ：小ギャラリー、往来を望む奧に学校椅子15、反対側と横壁に8席、
と少な目なんで誘導、アナウンス関係なし。衣装イラストつきパンフ、終演後
パンフはいつも通り。
月一シリーズ。今回は生活密着な商店街も近い住宅地。なにげにある小ギャラリー
での公演。生憎の小雨も風情な、半野外劇趣向で。
会場。おばＱ線・経堂駅南口。車がうざい世田谷共通商店街、手狭な通りてくてく
緩い坂、曲がるところに案内カード。親切。緩い坂道を下って、ほどんなくお目当
ての場所。ちょっとテラススペース、前面ガラスは表通りに明るくオープン。
クリームのなごみな色合いの３×５ｍスペース。
表を見渡せる奧側に着席。壁には童女画。淡い色合い、午睡に伏した子の和らいだ
表情が会場に合い○。床にサボテン、蟹とカエルの彫り物、と人型が掘られた椅子
？。お迎えの家の木立が正面。森に連なってるという劇設定に繋がり。上手に緩く
上がる坂、上演中に老夫婦がえっちら登り、若いカップルが自転車で駆け下り。
これも「地形」やらあれかしを思わせ、「生活感」を伴って広がる世界が面白し。
劇途中で小雨襲来、役者が傘をにわかにさしたりは半野外劇ならでわ、でもちょっ
と大変。入り口に蚊取り線香、奥にベープマット。これもまた野外アイテム。
お話。ごめん、と厳めしい口調ににあわず、ぱたぱたママな様子の子（柳澤）と
その子分なはにかみ屋女性（中村）。開けっ放しをいいことに、入ったその家。
早速、用心のおまじないですか？。呼ばれてでてきた、ざます度７０％眼鏡に
黒ワンピできりり姿の女史。魔女じゃなあ！？、となんだよお前は〜な、一方的
疑心暗鬼、挑戦的なぱたぱたママ。魔女の洞窟を尋ねるが、しらない、騙された
んだよと女史に諭されて、うーんと勇み足。信じていいものかっ？。と床をみると
ややカニとカエル。（魔法で変えられたかああ）と１人得心、ついてこれない
子分は困惑、はあ〜。でも（魔女の家にしては）ほうきがありませんよと釘刺し。
山羊で飛んでいったのだな！と、アー言えばこういうぱたぱたママ。
二人に替わって、なんか往来で文句言いながら、男性（出月）来訪。回覧板。
この家遠いよ、３０日かかる近所ってあるものなのか、と愚痴三昧。次の集まりは
木曜日。いつの？と女史に聞かれて、あれれ顔（もうとっくに既に過ぎて、後の
祭りらしい）。ごまかす男。ダメだね、回覧板も次に回す意味もないし、とちくり
と女史。うぬぬと男性、こまっち。
また、女性二人連れ来訪。なんか似たような家ばかりだな、ってたぶん同じ家です
からと子分。でも信じないし、意固地だし、ぱたぱたママは。壁の絵をみて、
起きてる、寝てると。この子は洞窟の中にいると変な指摘。女史もなんで？顔。
普通そうは思わないでしょ、見えないし。あくまでこだわり、家が洞窟の中にある
のじゃなと。「綿密な推理」で判明ですか、はいはいわかりました。パレードが
どこかを行き過ぎる。この二人は「彼女らの処に来るはずだったのに消えてしま
った行列を探しにきたのだった。それは魔女の仕業、消えた場所は「魔女の洞窟」
に違いないとふんで。
カエルとカニ、人間もなにか別の物に変えられているか。とまあ純なお仕え男性を
びびらせたり、こまったぱたぱたママ。どうも奥に洞窟があるらしいと、留守を
いいことに、とおまじないして部屋の奧。なんか言いたげな男性に、女史に云えよ
と迫り、無断ではいった二人を追って中へ。でも、変。いるはずの二人がいないの
だ。また、二人表から来訪。なんで似たような家ばかりとリフレイン。同じ家だと
子分がいっても、また聞いてないし。まあ、それやこれがあってか、女史。空に
文字を描いて、この屋を封印。
いつもながらにキャラくっきり。クールとおとぼけのやり取りが楽しいねこ。
すれからし現実的な山中さんが不出演、より物語な趣がました印象の箱庭世界。
人がぷいっと消えたり現れたり、魔女がいるのかいないのか。リアルなのにこことは
違うどこかを醸して○。現象をみせて、事実はかたらず。戸外に開いた窓と
間口の狭い会場、一部しか見せないことが逆に不可思議の扉を開いて、興味広大。
と、小粒、短い上演時間ながら、成功した今回と思うねこ
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