トリのマーク（通称）12ヵ月連続新作上演その11「迷路［スーク］を抜けて果樹園へ」
＠下北沢 ザ・スズナリ（2000/12/22-24 4ステージ）
全自由2,500円 hp予約割引2,200円
台詞・演出・音響・宣伝美術：山中正哉 衣装：柳澤明子、丹保あずさ、中村智弓
美術：山中正哉、柳澤明子 小道具製作：丹保あずさ、中村智弓
音響操作：坂本絢 照明操作：林俊彰 制作：柳澤明子、櫻井拓見、丹保あずさ、
出月勝彦 会場：久保海松子
出演
柳澤明子 ：自称・海賊。指をかぎ爪状にポーズ、でも海は怖いのじゃ。
出月勝彦 ：お店の番が仕事。わかってないすっとこどっこいだったりする。
丹保あずさ：そこに旅行者とかが入らないよう、見張ってる人。
櫻井拓見 ：もろもろの、特に「井戸」の謎が知りたい人。
中村智弓 ：井戸から贈り物を取り出せる特別な人。
山中正哉 ：村出身の船乗り、旅先から果樹園の人に報告にきた。
2000/12/24(日)晴れ 3:10-4:05PM(50) 正面後方より 客席超満員(110人）
客層：老若男女、いつもより幅広い年齢層。X'masなせい？。
客入れ：整理番号配布し入場。三々五々してやがて満員となる客席。役者・出月
さんが客入れ兼「お店」の売り子担当。中途閑散（寂しいと出月さん）も最初最後
は盛況。小トートバック（文庫本サイズ）が売れてる模様。場内誘導は常駐一名、
適時空席案内、増席。折り込みパンフ。いつものようにわかりやすいイラスト付き。
クリスマスです公演、千秋楽なイブの夜はクリスマス会あり。スークはモロッコ
（詳細ガイドＨＰ）旧市街市場の通称：迷路のように入り組んだ裏側に民家。
その中庭を通り抜けると果樹園があったりな、場所とのこと。
舞台。会場全体「スーク」化。外の狭い階段を上り、ロビー。壁に生成の布、天井
に洗濯物シャツ、蛍光灯も布に覆われ柔らか明かり。昼寝誘う心地よさ感じるねこ。
劇場に入るとオープンスペース。丘陵から見渡した広場のように「中庭」しつらえ
通常舞台に連なる道なりに客席。上演中はまるで青空ステージに集う、村人達な感
じ。開けた中央に柵で囲われた「井戸」。正面・通常舞台に露天ショップ。ほんと
に「売ってます」とは役者・出月さん。控えめ客引き。ポストカード(100円）、
木彫りの人形（屋根の豚君15,000円？）、もろもろと即売中。さらに上手に菱格子
柵（階段設定？）。天にエンジのシャツが干され、地に明るいクラフト紙の地面。
正面、上手、下手の開口はそれぞれドアとか設定して、中庭のことをさりげ設定。
お話。中庭の井戸はなんか埋められてなぞめき。ある女性（中村）は沸き上がる音
をきいては、贈り物（のバック）を拾い上げ。自称海賊の女の子（柳澤）、つい
好奇心であけて贈り物パー（のお約束、しらずにがっかり）。なぜか自分だけ
もらえない男の子は夜中にこっそり。コノ世の謎に迫るも、×。能力をもつ女性に
しても、なぜ自分かは不明だし。旅行者のような男（山中）禁足のそこにふらりと
登場。「上」のほうにいる果樹園の主に報告にかえってきたという。
ところが果樹園もそこの家も、なんと自律移動式。こちらにきてるはずなのに、
いってみればもぬけの殻、つうか殻ごと行方不明。探す合間に自称海賊の女の子
に「船」（な家のような所）を見せてもらったりして。元・荒くれたパレードに遭遇したり。
なぞめきの用事がすんで、旅行者のような男はさよなら。不可思議はあっても、
異はない日常。その日の午後も過ぎてゆくのでした。
ぽかぽかな心地よさ。日溜まり温々ねこ。おなじみキャラの愉快、不可思議な背景
設定、木漏れ日な緑と陽光なオレンジがシェイスタを誘うよな、照明、美術。
キャラの立ち方：クールとおとぼけは安心のくっきり加減。に加え、中間に不思議
な（身も蓋もないか？）中村さん、現実的置いてきぼりの櫻井さんキャラをおいて
いい感じバランス。一々おもしろい方へと勘違いするやりとり、の過ぎない位の
くどさが好きねこ。
謎に身を任せる、浮遊感変わらず。ちりばめられたミステリー、かといってどうと
いうわけでもない置いてきぼりの謎々。閉ざされた場所。でていった旅行者の目的
宝箱が沸く井戸。移動する果樹園。見張るよなそこな人たち。とかとか。まるで
風景のようなあれこれがおもしろいねこ。現実を映す「メタファ」でなく、そのまま
そうしている「リアルさ」がいい感じ。
役者。柳澤さん。楽天ぶりがキューティ。この人をみるときの幸福感がいっそう。
中村さん。回ごとに重要キャラ。を気負いなくさらっと演じて○。
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