第三エロチカ公演「近代能楽集」Three Modern Noh Plays
「弱法師」「卒塔婆小町」
＠新宿 紀伊國屋ホール(2001/1/0-14 7ステージ）
＠大阪1/22
Aプロ「班女」+「弱法師」9S、10MS Bプロ「卒塔婆小町」+「弱法師」12S、13,14MS
全席指定前売り当日共=4500円 A+Bセット券8000円平日学生割引3500円(劇団のみ）
作：三島由紀夫 演出：川村 毅 美術：Anne Coombes
照明：高良康成／フリーダム 音響：原鳥正治／囃組 演出助手：小松主税
舞台監督：工藤静雄 音響操作：大塚重之 照明操作：布谷千代子
大道具：C-COM舞台装置 小道具：高津映画装飾
宣伝美術：森崎偏陸 制作：平井佳子 芸術文化振興基金助成事業
協賛：東レ、資生堂、トヨタ自動車、アサヒビール 企画制作：第三エロチカ
出演：
「卒塔婆小町」
老婆 ：川村毅、結城孫三郎[結城座]
詩人 ：笠木誠
男女 ：Ａ哀藤誠司、遠藤香織 Ｂ野並哲朗、山本由紀子 Ｃ登山貴弘、宮部愛子
Ｄ永野裕史、浅沼尚 Ｅ臼井武史、関美智子 Ｆ友田憲宏、真す美
給仕 ：西村和宏、伊澤勉
浮浪者 ：伊澤勉
巡査 ：宮島 健
「弱法師」
桜間級子 調停委員 ：結城孫三郎[結城座]
俊徳 ：ほりゆり（1/9,10)、清田直子(12,14,22)、伊澤勉(13)
川島俊徳の養父 ：結城一糸[結城座]、野並哲郎
川島夫人 養母 ：結城育子[結城座]、吉村恵美子
高安 実父 ：畑崎潤一[結城座]、哀藤誠司
高安夫人 実母 ：結城千恵[結城座]、遠藤香織
兵士：西村和宏、永野裕史、登山貴弘、笠木誠
2001/1/13（土）曇り 3:05ー4:40PM(35/休15/45）最前列より 客席９割(350人)
客層：老若男女。いつもよりおばさん層が多い、結城座とのジョイント公演。
客入れ：受付開始30分前。折り込みパンフ。B54P。劇団からの創立21年の挨拶。
作品から抜粋など。物販なし。
舞台。後方に平台を置いた黒い素舞台。中央前面に晒されたベンチ、平台には
奉られたよな、鞘に入った日本刀。背景は大型スクリーン、弱法師では焼けこげ穴
から向こう側に富士をみせたり。
「卒塔婆小町」
お話。浮浪者な老婆。関心よせる詩人。語る華美な回想は、老婆を美女へと変貌
させる。私を美しいといってはだめ、殿方はみな命を失ってしまうから…。
三島の現実と作品を劇的リンケージ。醜い日本人を悪趣味にスノッブに語り。この
劇団らしい律儀な作劇、独特風味を楽しむねこ。過去と現代に囚われ揺れる老婆。
華麗な記憶、無視できない今の醜さ。でも、追想に生きるのでなく、地に足がつい
た女として描いてて、ふーん。いやでも現実直面な川村さんの怪演あればこそ。
対して、三島＝詩人と同じ役者が演じ、自滅する顛末を重ね合わせ。今を離れた
その様になるほろねこ。毒は相変わらず満載。恋人達がガングロ女子高生＋旧日本
軍軍人。醜いあり様を過剰に露呈したり、確信犯な悪意にほほえみねこ。結城座
とのコラボレーション。即物的大小で、時間と思いの距離感を表してこれも演劇的
「弱法師」
お話。戦火で視力を失った青年。生みの親と育ての親は、かれが自分の息子だと
譲らず、裁判ざた。今は調停委員の聴取を受けているが、当の青年は我関せずに
ニヒリズム。
こちらはあやつり人形前面。尊大な青年と矮小な親関係をそのまんまに即物表現。
役者も過剰にリアル演技で登場、猥雑さのスパイス添え。戦火を原爆と提示、盲目
となった青年＝現実をみなくなった日本人と重ねあわせ。調停委員の好意は青年を
解放するとが抜け殻にしちゃう。シニカルね。とか、いろいろ劇的で勘ぐりの
お楽しみねこ。孫三郎さんの調停委員が知性と思慮深さを感じさせて◎。
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