T factory 第1回公演｢ARCHIVES｣（川村 毅 新作戯曲プロデュースカンパニー)
＠下北沢 ザ・スズナリ(2002/5/31-6/9 10ステージ)
http://www.honda-geki.com/suzunari.html
全指定席 前売り4500円 平日学生割引3500円（T factoryのみ扱い）
＠長久手町文化の家 風のホール6/13 ＠扇町ミュージアムスクエア6/15-16
作・演出：川村 毅 美術：加藤ちか 照明：大野道乃 音響：原島正治
衣装：伊藤かよみ 演出助手：小松主税 舞台監督：黒沢俊彦
製作：平井佳子
劇団HP： http://www1.odn.ne.jp/info/t_factory
出演：
毬谷友子：ナビゲーター、若い女、謎の女
新井純元[黒テント]：女
伊藤克 [東京演劇アンサンブル]：老人
笠木誠 [第３エロチカ]：若い男
小林勝也[文学座]：男
野並哲朗：救世軍の声
2002/6/2(日)晴れ 6:35-8:10PM(1'35) 中段より 客席5割(60人)
客層：演劇関係者過半数？のインテリ、くせ者顔。平均年齢高し。男女半々。
客入れ：劇場がある街区の停電で、開場30分開演35分遅れ。桟敷最前列と最後尾
に1列。他は、雛壇に全パイプ椅子、座布団追加で更に楽ちん。荷物預かりあるも、
通常バックなら下におくこと可能。折り込みパンフなし。
物販。パンフ(変形B5 10ページ500円) 役者の一言、コラージュした写真で構成。
戯曲掲載の雑誌販売。
川村 毅Ｐ第一弾。第三エロチカは今カンパニ内で活動するよう。
舞台。ドームを切り取り覗かせたよう、壁は大きく孤を描き。モノトーンの板壁は
斜めってブラインド状。フローリングの床も同様。上手にモニタＴＶ。出入り口は
正面と上手壁に埋め込まれたドアと、正面上手の開口。
お話。都内ビル地下、とあるクラブ。くたびれた中年男（小林）は選ばれて、そこに
やってくる。すばらしい映画への体験出演。死に瀕して、美しい思い出を映画のよう
に再現し、逝くことができるという。中年男に課せられたのは「探偵」。釈然と
しないまま、好奇心に駆られて了解。「仕事」の映画の中で中年男は「事件」に
巻き込まれていく。謎めきの人物達。それぞれの人々を現実から夢に誘う女（毬谷）
事件の鍵を握る、自分の現実からゆるぎない女（新井）。謎めいた、夢みる老人
（伊藤）。アナーキーに死を望んでいる若い男（笠木）。事件＝他人の人生、しかし
それは「探偵」同様に創られたもので…。
救われない世界の救済。現実から閉鎖されたクラブで、死という希望を拠とする
淋しい人々。次に向かうため、消し去らねばならない今という生。彼らの姿から、
しがらみな今の社会と人の関係を浮かばせる。作家の視線は醒めつも、暖かい。
悲惨でシニカルな物語も、それだけに堕ちず、仄かに希望を残してく。川村毅、
円熟過程？作かしらん。
モノクロームの美術に影をおう照明。ミステリアスでムーディ。ライブまた架空
の映像をモニタや壁に投影。虚実を翻弄の面白さ。色を取り去った装置にできる
役者の華が咲き。個性の魅力に気迫が加わり、手応え十二分。小劇場に濃い口な
醍醐味、ごちそうさまねこ。
役者。毬谷さん。七色ボイスに変幻自在演技が魅力。キューティ、はたまた鉄火に
翻弄してくれて、嬉しいねこ。小林さん。ちょっと嫌らしい中年男ぶりが情けなくて○。
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