ｔｐｔ「ガラスの動物園 The Glass Menagerie」
＠森下 ベニサン・ピット(2001/9/1-30 33ステージ)プレビュー8/29-31
全指定前売り当日とも 7000円 (当日学生4000円、プレビュー5000円）
作：テネシー・ウイリアムズ 訳：小田島雄志
演出：ロバート・アラン・アッカーマン 美術：ボビー・ヴォヤヴォッキー
照明：沢田祐二 音響：友部秋一 ヘア＆メイクアップ：高橋功亘
舞台監督：小川 亘
出演：
佐藤オリエ：アマンダ
富田靖子：ローラ
松本きょうじ（山本亨・代役 9/13〜）：トム
みのすけ[ナイロン100℃］：ジム
2001/9/15(土)晴 2:08-4:30PM(65/休15/70) 後方より 客席満員(155人)
客層：おばさま中心、女性8割で幅広い年齢層の客席。
客入れ：山本亨・骨折休演の振り替えでみたねこ。後方もセンターの良席でありがた
し。当日券は開演40分前、総合受付は30分前から。当日券詳細不明、補助席はなかっ
た模様。座席は階段状、約20×8列、いつもながら見やすくて◎。場内誘導は懇切
丁寧に随時。お年寄り客も多く、エスコートかかさず。折り込みパンフなし。物販。
いつもの変形B5版(500円)。代役の松本氏プロフィールは別紙挿入。
ロバート・アラン・アッカーマン演出による名作上演。山本亨さんが骨折事故で
途中降等、松本きょうじさんが代役で上演継続。
舞台。黒い鉄骨が剥きだし、裏通りのアパート内外をオープンに見せて雰囲気。
中央、島舞台にアパート居室。下手に入口、廊下、前方に階下への階段。屋内。
使い古したソファ、スタンド、オットマン、大型の蓄音機。下手のテーブルに
ガラス製動物人形が沢山。半透過のカーテンを仕切りに、後方ダイニングテーブル
とソファ。奥は闇に融け、聞こえる声にはエコー。上手袖に隣接のアパート窓、
下手袖の壁に「BROKEN PROMISES」と大ステンシル文字。
お話。1930、大恐慌時代、セントルイス。父親が蒸発した母子三人は安アパートで
暮らしている。語り役の兄トムは倉庫番の仕事に不満、詩を書きながら映画をみに
いくのが唯一慰め。姉ローラは脚が悪く、コンプレックスから引きこもり。
母アマンダはそんな二人ががまんならない。よかれと思って、子供達にあれこれ
するがどうもうまくいかない。愛と葛藤にもんもんとする三人のもと、トムの友人
ジムが食事に招かれる。ローラの結婚相手に？。しかし、その望みも家族ももろく
崩れ去っていくのだった。
血肉が通った、苦さ哀しさ。追想の虚像でなく、活きた人を描いて、魅力の舞台。
劇進行、登場人物心中とシンクロする音楽がエモーショナル。ダンスホール隣接の
戸外ネオン、屋内のセピア照明がムーディ。醸す雰囲気のなか、すっと浮かぶ
役者芝居。ローラ・富田靖子。怯えて閉じこもる自分にジレンマ、ガラスの動物や
片思いジムへ生の欲望を覗かせる様を巧みに演じ。目の演技、とりわけ◎。トム・
松本きょうじ。もどかしさを細かな演技でみせ、長いモノローグでの多少の詰まり
も気にならず。アマンダ・佐藤オリエ。肝っ玉母さんな、理想と現実の折り合いが
つけられる生活力あり。ハイテンションに口うるさいほどに、おかしみを呼ぶ悲哀
感○。持ち前のきめ細かい演技にメリハリをくわえ、衆目渦巻きの中心な吸引力
ばつぐん。
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