前頁 ] ホーム ] 一覧 ] 次頁 ] 


 飛ぶ劇場 vol.23「カズクン、旅に出る」

 @北九州小倉 北九州芸術劇場「小劇場」(2003/8/23-31 6ステージ)
 http://www.kitakyushu-performingartscenter.or.jp/
 全自由(整理番号付き)一般前売2500円 当日3000円
 高・大学生 前売・当日共2000円 小・中学生前売・当日共1000円
  @長崎ブリックホール 9/13-14 @東京 青山円形劇場 2004/2/21-22

 作・演出:泊 篤志 舞台監督:谷瀬未紀 舞台美術:柴田隆弘
 衣裳:内山ナオミ[工房MOMO] 照明:時佐勝 音響:泊達夫
 音響OP:中村恭子 振付:つかのみき 演出補:藤尾加代子
 方言指導:葉山太司、つかのみき チラシデザイン:トミタユキコ
 会場:中安 翌ほか 制作:鶴元ふみ、【toban-ne】
 北九州芸術劇場オープニング事業 第11回北九州演劇祭推薦劇団公演
 出演:
 メメパチン(サクラ鳥) :泊 達夫
 ミミパキン(サクラ鳥) :橋本 茜

 ラー (イモクイ猪)   :門司智美
 ドラゴン(ナマズ犬)  :有門正太郎
 ヤス (ハマベ象)  :北村功治

 長サボー(?)   :桑島寿彦
 アケミ(スジニワトリ) :内山ナオミ
 メガネ(ヤモリ犬)  :権藤昌弘

 カズクン(猫似) :つかのみき
 ジョニイ(猫似) :木村健二
 にゃった(猫似) :宗像秀幸

 ウキサ(ヒトヒト) :藤尾加代子
 麦山フラ
 高橋ケンクマ
 
 ほか、麦山家の人々

 2003/8/23(土)晴 6:06-8:04PM(1'57) 奥側花道脇席より 客席ほぼ満員(115人)
 客層:老若男女。ほぼ全員女性だった昼より男性が3割ほどと増え。
 客入れ:昼の「生態系」と同様。昼「生態系」(4:15終演)と夜「旅」(5:30開場6:00開演)
 の待ち時間が短く、暇つぶしの苦労いらずで◎。

 「生態系カズクン」の家族の外側を描く「外伝」。猫に似た生物ら、動物達を主人公
 とした新作。

 舞台。「生態系」と同じ装置。公園の休憩所然。戸外なんでぼんぼりなし、直下に
 穴が開いて光がそそぎ、1階に椅子な出っぱり設け。

 お話。カズクンの生涯と、片田舎の動物達の色恋、復讐とかのすったもんだ。
 
 寂しくて暖かい、人以上に人らしい思いの交換にしみじみねこ。物語はてんやわんや
 のソープオペラ調。すれ違って複雑となる男女(雄雌か)関係と単純な恋の思い
 (本能か)。報われない悲しさが、おかしみを醸しての悲喜こもごも。人間キャラ
 だと、生臭くなるところを動物ですからな、とほほさで味つけて○。独立独歩、自由
 人(人じゃないけど)なカズクンの孤独な顛末や、小判鮫かと思ってた雄猫の誠実さ
 が切なく、しんみりねこ。

 夫婦役二人の歌がたくさん、半ば音楽劇の体も。東京だと時々自動の挿入曲に似た、
 シンプルな曲調に孤独の苦みなどシニカルな歌詞を乗せたもの。冷めたスープの歌
 とか、しゅんとした感触が好き。

 「生態系」と共鳴する対となる作品。連続でみると味わいひとしお。東京ほか再演
 では是非両方、生態系>旅の順でみてほしいと思うねこ。

 役者。門司智美さん。マンガみたいに開いた口とか、表情に愛着感じさせ。派手に
 するほどに悲しくなるとこがいい感じ。つかのみき さん。入魂の追いつめられ
 演技。食欲ばかりの無為なバカ悲しさぶりが切なくて、涙ねこ。