＠森下 ベニサン・ピット(2005/12/22-2006/1/8 16ステージ)
全指定 一般6300円 学生3150円 U30*4200円 ＊初演1975年以降生まれが対象
作：デヴィッド・マメット 訳：広田敦郎 演出：門井均 美術：礒沼陽子
照明：塚本悟 音響：藤田赤目 衣装スーパーバイザー：阿部朱美
舞台監督：波紫衛
出演：
山本亨 ：ドン(ドニー・タブロー 40歳代後半 ドン・リセールショップ店主)
手塚とおる：ティーチ（ウォルター・コール ドニーの友人、仲間)
藤沢大悟 ：ボブ(ボビー ドニーのパシリ)
2006/1/7(土)晴 2:05-3:49PM(45/休16/42) 前方下手 客席ほぼ満員（120人）
客層：幅広い年齢層の女性中心(8,9割)
客入れ：間口が狭い舞台を設営、通常の雛壇に堅い椅子席。端席は壁掛けセットが
観がたくも、本舞台に支障がない配置がされ。前方席はうす寒く、空調にむらが
ある模様。膝掛けはあるはずだけどアナウンスはなし。折り込みチラシ、パンフ
なし。物販。A4縦半分 1000円。戯曲掲載。次回公演。3/29-＠ベニサンピット
「皆に伝えよ！ソイレントグリーンは人間の肉だと」 カーテンコール1分1回。
映画「郵便配達は二度ベルを鳴らす」「アンタッチャブル」「ハンニバル」の脚本
舞台「カモの変奏曲」「シカゴの性倒錯」で知られたデヴィッド・マメット。
1977年初演、ブロードウェイ進出作品。とか。新訳とのこと。曖昧さを補わず、
下品な言葉は繕わずに、負け犬な登場人物らしい会話とし。
舞台。開けた押入からがらくた大洪水な、おびただしいモノにあふれた店内装置。
間口5m奥行4m高さ6mほどの密室。天井まで壁三方にがらくた展示、イントレの合間
から後方の往来、外の下手には10cの有料トイレを設定。壁には100点以上のモノ。
自転車スポーク、手押し車、標識、広告看板、バット、ラケット、椅子、テーブル
、時計、トランクケース、人形など。正面にチケットやら貼った入口ドア。
床置きで200点以上の調度やモノ。下手、斜に店主事務机、後ろの壁沿いに種々
ラック。象や帆船、金の壷ら冒険航海なグッズを置き。手前側に一人掛けの椅子と
チェスト、電気スタンド。転じて、上手、斜に飾りモノやらおいたガラスショー
ケース。壁沿いにペーパーバックの棚、日用品や人形やらなんやらの山脈。部屋中央
、斜に小机、ビールの小瓶とか。周囲は椅子が倒れたおかれたり、乱雑。
部屋ライトは机とショーケース上ら、8個もあり。
お話。下層階級の負け犬3人の長い一日。その日ジャンクショップの主人ドンは、
バッファロー柄の5セントコインを売る。なんと90ドル。さらに客の様子から、
買値以上稀少品とみたドンは、パシリの少年ボブを使い、コイン奪回を企む。
そこに友人のティーチが現れ、ボブ抜きの2人で行う計画を持ち出す。渋々了解
するドン。やがて、実行の夜がやってくるのだが。
実力派がみせるダメ人間の黒い喜劇。「しゃべってばかりのくそみたいな人生」の
一こまを活写。さらけ出される、裏切りなどモラルの欠如、人の弱さと愚かしさ。
ダメ人間と取り巻く世界はチェーホフの作品を連想させもし。単純に愚かしさに呆れ
嘲笑。同じく資本主義下に生きる者として、ちくりと痛みも感じさせ、深くもあり。
原作背景のうらぶれ荒くれのリアルムードは最少に、テキストを重視した演出。
潔く、いいか悪いか趣味別れそうだけど、取っつきやすくて安心。
役者健闘。声は大きいが肝っ玉は小さい、ティーチャー役・手塚さん。キレタ
危うさとオチタ哀しさとも持ち味発揮。話ばかりで実がない、ドン役・山本さん。
怪我から復帰作。泳ぐ目線の頼りなさぶりは、いままでの持ちキャラと真逆で面白し。
パシリ役・藤沢さん。薬中設定にはみえない健康好青年ぶり。それだけに考えたり
ない哀れさが、胸を刺し。
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