＠下北沢 ザ・スズナリ(2009/1/6-18 13ステージ)
http://www.honda-geki.com/suzunari.html
全自由 前売4000円 当日4500円 学割・各500円引
作：唐十郎 演出：角替和枝
照明：日高勝彦 音響：原島正治 音楽：朝比奈尚行[時々自動]
舞台監督：浅沼宣夫 舞台美術：血野滉修 演出助手：立石智一、鈴木美紀
制作：劇団東京乾電池
出演
高尾祥子 ：いちよ、もろは
戸辺俊介 ：アキヨシ
谷川昭一朗（ベンガル）：大貫
綾田俊樹 （西本竜樹）：殿
田中洋之助（工藤和馬）：かじか
山地健仁、伊東潤、杉山恵一、岡部尚、上田知和：医者
江口のりこ（上原奈美）：千賀
柄本明 ：ねんねこ男、消防団員
大多葉子（関典子） ：女
2009/1/7(水)晴 7:02-9:12PM(52/休12/1'04)前方下手 客席7割(80人)
客層：20才代と中高年、おじさん沢山。
客入れ：ベンチ12列、荷物預かり積極的。前方席に空席多め。折り込みチラシ
少なめ。パンフ A4 3ページ。演出挨拶、顔写真付き配役、スタッフ。
物販。劇団公演DVD。カーテンコール1回2分。普段はしないカーテンコールで
気分は紅テント(柄本）とか。 終演後、ロビーでふるまい酒あり。
唐十郎の名作を、初演(82年本多劇場こけら落とし)の地でゆかりの再演。アキヨシ役
が柄本明だったというのに驚くねこ。
舞台。貧乏アパートの一室を紅テントかといううらぶれた風情で造り込み。正面に
窓、上手にドア、下手に台所と手前に箪笥の畳部屋。部屋外に共同便所と並びの壁。
上方はうっそうと森の木々。
お話。キャバレーの女・いちよの部屋に通う、サラリーマン・アキヨシ。彼はいちよ
とうり二つの姉・もろはを慕い、いわば三角関係。香気と毒を放つ、秘密の花園に
囚われ、現実と妄想は境界を無くしていく。
唐戯曲を刻むように、スズナリに描いて正調。東京乾電池とは思えぬ、純情アングラ
ぶりが挑戦的も大成功。詩情と荒くれが同居する唐の言葉、そのロマンを存分に伝え
てくれる好舞台となり。熱風のような唐演出よりはクールダウンも、言葉大切と刻む
会話と演技には愛情溢れ、しっかりとして好ましい。後半の嵐はもう本水を惜しげも
なく使い。終盤は幻想の舟をプールに浮かばせる造り込み。もう野外劇状態、こんな
に水を使ったスズナリは初めてかも、な大胆さ。
主役の２人の案配○。アクの濃い成人女性とイノセントな少女性が同居、美しく熱演
する高尾さん。緑魔子口調になるのは唐戯曲マジック？。東京乾電池なさらっと感を
ちと残した戸辺さん。濃淡加減がほどよし。中堅役者もそれぞれなりに獅子奮迅。
下北沢再開発で消えるスズナリと街を幻視、憤りながら劇場内外を駆け回る殿・綾田
俊樹の姿には笑いながら、ほろりねこ。小鬼か妖怪かな、凄い目芝居をする柄本明に
ぞくり。
[月間一覧］