＠下北沢 ザ・スズナリ(2011/02/23-3/2 9ステージ)
http://www.honda-geki.com/suzunari.html
全指定 前売・当日共4000円 平日得ステ(24,25日) 前売・当日共3500円
シードチケット(学生割引)前売・当日共2500円
作：季大京右（すえひろけいすけ スエヒロケイスケ改め) 演出：寺十吾
プロデューサー：綿貫 凜 美術：田中敏恵 照明：Jimmy((株)フリーウェイ)
音響：岩野直人(ステージオフィス) 舞台監督：村田明(クロスオーバー)
特殊小道具：田村雄介 演出助手：岡野正一 宣伝美術：西山昭彦
制作：tsumazuki no ishi制作部 宣伝協力：(有)オフィスコットーネ 主催：tsumazuki no ishi
出演：
永野昌也 ：郡司隆彦(兄 ひきこもり)
森下能幸 ：郡司歩彦(弟 日雇い派遣)
オレノグラフィティ[劇団鹿殺し] ：佐治勲（無職者生活自立支援ボランティア)
吉田麻起子[双数姉妹] ：生天目咲子（老人介護ヘルパー)
松原正隆[tsumazuki no ishi]：戸狩利男(友蜂会・ゆうほうかい メンバー)
柿丸美智恵[毛皮族] ：戸狩初音（利男の妻 友蜂会メンバー)
釈 八子[tsumazuki no ishi]：臼田茂雄（友蜂会メンバー)
日暮玩具[tsumazuki no ishi]：野呂一郎（友蜂会メンバー)
高田恵篤 ：ガンツ先生(友蜂会教祖)
2011/02/25(金)晴 7:32-9:50PM(2'18)最前方上手 客席ほぼ満員(120人)
客層：20-30歳代、中年層も結構。男女半々。
客入れ：全指定席 ベンチ1、ひな壇にパイプ椅子10列。座る場所で袖側の死角が
でやすい演出舞台。上手ねこは路地奥が見えず。折り込みチラシそれなり。パンフ
A4 4ページ。挨拶、プロフィール、オタク用語、予定。用語は開演前に読んだ方が
より楽しめるとアナウンスあり。来年3月「ストレンジャー彼女」ついで9月。
物販。過去台本など。 カーテンコール1回。
スエヒロケイスケ改め季大京右 最新作。故松本きょうじ主宰・劇団ランプティパン
プティの森下能幸さんが20年ぶり舞台復帰。寺十吾、釈八子と旧劇団員共演となり。
舞台。湿った感じの裏道昭和民家。すんごくリアルに造り込まれ。6畳、正面襖障子。
仏壇、鴨居に故人遺影、賞状。中央蒲団なしコタツ。手前に液晶TV、本箱。
下手に玄関、下駄箱がある玄関。演出理由か、煤けた幅のある引き戸玄関、開けると
路地板塀。転じて6畳の上手隣は便所。手前ガラス越しに上半分がみえ。
お話。父が入りびたる老女宅をつい訪ねた、引きこもり30年の長男。ついはずみで父
殺害。むしろ、日雇いの弟がパニック症候群。兄弟は父が小細工してせしめた老女
(既に死亡)の年金に頼り、呑気に引きこもりをしてきたのだ。この秘密を守るため
また引きこもりかと嘆くところ、介護ヘルパーや自立支援ボランティア、実は貧困
ビジネスの男がやってくる。父の死体を隠しきれず、それをみた貧困ビジネスの男は
怪しげな一団を呼び出して。
オタク、電波系とヤクザ の涅槃行きブラックコメディ。痛い遺体依存する者達が
カモフラージュ大作戦する狂気、その世界に現実逃避するオタクの喜悦と虚無感が
溢れ。欠落があるが故に異常な連帯感が残った(補った)、恐ろしくも滑稽なさまを
面白くみるねこ。趣味趣向、宗教で語られる連帯に加え、母子と兄弟愛の強さも
また、やるせない味わいを添えて○。オタクどおしのなれ合いと反目の奇妙さ、
彼らとヤクザのディスコミュニケーション、教団のカルト協調ぶり とかいちいち
面白い会話も○。逐一たがが外れている登場人物ばかりなのに、世界は現実から
少しも離れはせず、終演後に改めて気付いて、うーむねこ。
演出とスタッフは細部にまでこだわって造り込み。リアルな装置には語らずとも
人の息吹やどり。曇った硝子窓に浮かぶ人影、光と闇、時にとろけてこの世ならぬ
明かりの不明効果。とくに前半の銃声などの音効がホラーに上手い。
役者。怖いほど入れこんで楽しい役者芝居。馬耳東風オタク・永野さん。つんとした
腐女子ぶり、アルトの声が素敵な、吉田さん。入れこみぶりが怖いほどの熱演、森下
さん。常識が有るからこそ酷いヤクザ役、オレノグラフィティ。端正に際立つ狂気、
カルト教団リーダー・松原正隆。獣じみたアングラオーラで魅了する、高田恵篤。
電波発信しまくりの登場シーンとか痺れましたな、柿丸美智恵様。
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