＠下北沢 ザ・スズナリ(2012/9/13-17 8ステージ）
http://www.honda-geki.com/suzunari.html
全指定 一般前売3500円 当日3800円 学生割引2500円
作：スエヒロケイスケ 演出：寺十吾
照明：Jimmy（フリーウェイ） 音響:岩野直人（ステージオフィス）
舞台監督:田中翼 舞台美術：小林奈月 宣伝写真：久家靖秀 宣伝美術：飯塚文子
演出助手 岡野正一 松本ゆい 企画・制作：tsumazuki no ishi
出演：
津村知与支[モダンスイマーズ]：イノッチ(コンビニ店員)
日暮玩具：らくまる(コンビニ店員)
西園泰博：スノ(理論物理学で語る）
亜矢乃 ：キコ(中有・49日間にいる）
松原正隆：はっさん(同上）
宇鉄菊三：まあさん（同上 はっさん会社同僚）
大高洋子：ミリ（同上 母）
佐藤健 ：トウ（同上 息子）
中野麻衣：ノッコ（同上 娘）
舞山裕子[劇団昴]：わっくん(オタク女子）
岡野正一：こっくん（わっくんの相方）
寺十吾 ：オニ（ホームレス）
柿丸美智恵[毛皮族]：テン（同上 相方）
2012/09/14（金）晴 7:36-9:42PM（2'06）中段上手 客席7割（80人）
客層：20-30歳代と中年層、勤め人多そう、男女半々。
客入れ：桟敷1、椅子9がびっしり。しだいジャングルになるので若い番号の人は
早め入場が吉。折り込みチラシそれなり。パンフ A5三つ折り 挨拶、スタッフ、
配役､予定掲載。次回公演 来年9/4-8（予定）＠スズナリ。物販。新グッズはなし。
ユニークな劇作を続けるスエヒロケイスケ最新。
舞台。小ぶりのコンビニを駐車場ごと、斜（下手向き）にしつらえ。駐車場下手に
フェンスと木立、奥の住宅はネットかぶり。リアルだけど薄っぺらい造形が奇妙、
ゴミ箱が不自然にでかいなど、気になるアンバランス感あり。
お話。グズと呼ばれる、伝染性はないゾンビ化発生。死んで体は蘇生したけど、
精神は離脱。中有、いわゆる49日間にいる意識体＝幽霊達が主人公。成仏、解脱でき
ていない中途半端な彼ら。自身のグズとリンクするたび惑いや飢えに苛まれ、狩る
人間と闘わねばならず。そんな彼らを物理学でサポートする男、見えたり見えなかった
りのコンビニ店員、無為で過激なホームレスとの接触で物語っていく。
奇抜でユニークな設定、スマホら小道具の使い方がまず面白いねこ。無気味な緊迫
した空気感と、ドタバタ喜劇の弛緩の混交がいつもながら独特。現代の霊場なコン
ビニ、褪めた白光下、生き霊達が携帯で幽霊な過去の呟きを聞く体、を舞台にして
なるほろ。死を巡り、身体と精神のありさまを思考して、集団心理学と理論物理学で
紐解く前半。なんのこっちゃな台詞割きすぎ感に会社帰りだと疲労、胡散臭さに
苦笑いしつつ、痛く沁みるものあり。ゾンビは集団的な自殺という集合的無意識の言
にどきり。後半修羅場に向かい、なにをか依存し逃避し、解脱など叶わぬ登場人物達
の滑稽な七転八倒ぶりに笑いつつ、胸きりきり。残酷で出口のない展開に コンビニ
店員らの和らぎが刺すけど、ラストはなすすべもないという残酷、滑稽さ。
無慈悲な絶対存在がまた剽悍として面白いのには、またまた苦笑いねこ。
役者。刻むように滅私奉公に演じる役者さん達。自由で困った人達を演じる、
柿丸美智恵、寺十吾コンビがどうしても面白いねこ。
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