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 ティーファクトリー P.P.Pasolini's PORCILE「豚小屋」

 @高円寺 座・高円寺1(2011/5/20-29 12ステージ)
 http://za-koenji.jp/
 全席指定 4500円
  @京都 京都芸術劇場 春秋座 6/4 2ステージ

 作:ピエル・パオロ・パゾリーニ 構成・演出:川村毅 衣裳・美粧:宇野亜喜良
 衣裳・美粧助手:野村直子 照明:奥田賢太(colore) 音響:原島正治
 演出助手:小松主税 舞台監督:小笠原幹夫 後援:杉並区
 提携:座・高円寺、NPO法人劇場創造ネットワーク
 出演:
 手塚とおる:ユーリアン(ブルジョア階級の青年)
 河合杏南 :イーダ(その許婚)、かつてのディングことクラウベルク
 福士惠二 :クロッツ(父 ナチスの残党)
 大沼百合子:ベルチ(母)、ヴォルフラム
 
 伊澤勉  :ハンス・ギュンター(クロッツの腹心の部下)
 笠木誠  :ヘルトヒッツェ(クロッツのライバル)

 伊藤キム :野人
 柊アリス :天使、少女
 中村崇  :青年、召使、マラッキオーネ

 2011/5/22(日)小雨 7:00-8:37PM(1'37)中段上手 客席4割(70人)
 客層:中年層中心、学生も多い?。男性過半数。
 客入れ:「豚小屋」の会場でございますって、知らない人は何ごとと思って
 しまうかも。C列最前 ひな壇に8列。前方4列のみ埋まり。折り込みチラシなし
  (いつものロビー置き)、アンケートなし。パンフ A4 1枚。配役、スタッフ。
 カーテンコール1回。

 同名映画(1969年)化された、舞台上演作品とか。
 舞台。劇場半分の白い一面は、ひな壇3段。調度の椅子は透明アクリル。上方バルコ
 ニーも使い。

 お話。ドイツの巨大軍需産業・事業家の息子は許婚の求愛をやり過ごしてばかり。
 恋人が信奉する革命も、世間にも無関心。父親曰く、従順ではないが反抗もしない、
 無為の輩。しかし、彼は秘密の性向を持っていた。現代東京、憤りを抱えながら放浪
 する若者(キム)の姿とともに描いてく。

 歪んだ作品世界になるほろ、削ぎつつデコな美装にニヤリ、現代との共鳴仕掛けに
 ふーむ?、ねこ。主人公は、不平不満を抱えながら鬱屈した引きこもり青年。閉塞し
 ても、かなりのお喋りというのが奇妙。婚約者にしても抗いながら従順だし。ここら
 屈託ぶりがまず独特。現代の無為な青年(キム)と呼応しようとしてるのかしら、
 意図はわかるけど、みててピンとこないねこ。

 彼らの父親達が元ナチの金持ち達で、陰でこそこそ企みごと。併行して報道=
 新聞記事を「隠す」大がかりな仕込みがあったり、事件報道より善意CMばかりが
 繰り返し流される映像をみせたり。震災後際立つ「隠す」態勢を呼応しているの
 かしら。これもはてなで、繋ぎの仕掛けがないと、世界が重層してみえてこない
 ねこ。

 宇野亜喜良の美装は悪趣味になる手前の華美ぶりが○。名古屋盛りもびっくりの
 ヘアスタイルとかとりわけ。全体モノトーンの衣裳と美術で、正面に映し出される
 アバンギャルドな絵画や照明の色彩を際立たせ。ちと目黒のサンマな削ぎ方で品が
 良すぎるのが、川村毅作品好きには物足りないかも、ねこ。幕間にマジックリア
 リズム?と往来する天使、バルコニーを空中散歩の図や、優雅なピルエット?が
 素敵。
 
 役者は川村演出に応えて、見映えのする怪演。とりわけ、手塚とおるの妖しさには
 いつもながら魅了されるねこ。

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