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 ティーファクトリー「生きると生きないのあいだ」

 @吉祥寺 吉祥寺シアター(2014/09/27-10/05 12ステージ)
 http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/
 全指定 前売4800円 当日5000円 初日4000円

 作・演出:川村毅 照明:奥田賢太/colore 音響:藤平美保子 衣裳:田邉千尋
 ヘアメイク:川村和枝、p.bird 映像:吉田秀人、浦島啓/colore
 演出助手:小松主税 舞台監督:小笠原幹夫、今西祥太/劇工房 双真
 宣伝写真:薄井一議 宣伝美術 : 町口覚 (マッチアンドカンパニー)+森井耕作
 製作:平井佳子、ティーファクトリー 主催:株式会社ティーファクトリー
 提携:公益財団法人武蔵野文化事業団 助成:文化庁文化芸術振興費補助金(トップ
 レベルの舞台芸術創造事業)
 出演:
 柄本明[東京乾電池]:ハリー(便利屋)
 川口覚 :ジョニー(便利屋 新入り)

 戸辺俊介[東京乾電池] :マリオ(チンピラ)
 伊藤克[東京演劇アンサンブル]:アーサー(老人)
 岡田あがさ[ツリメラ] :メイ
 笠木誠 :サム
 手塚とおる(映像出演):男

 伊澤勉、石川幸代(さよ)、石川はるか、伊藤公一、大越祐也、Katja Centonzo、
 川端美郷、坂田純子、清水さと、鈴鹿通儀、鈴木康史、中村崇、袋小路林檎、
 村上恵実子、綿引美恵 :人々(映像出演・50音順)

 2014/09/28(日)晴 6:02-9:38PM(1'35)最前方 客席7割(110人)
 客層:大人客席、学生、20才代も結構。女性過半数。
 客入れ:最前B列。後方に空席。折り込みチラシそれなり。パンフ A4両面 1枚。
 次回公演 来年2月 JOHN JESURUNとのコラボプロジェクト@森下スタジオ。
 10月新作連作2。物販。掲載雑誌ほか。カーテンコール2回1分。

 3年ぶり新作+演出。
 舞台。広くてトイレのような無機質な部屋。便座が上手奥と下手手前、下手奥には
 バスタブ。壁際。上手水槽2、下手鳥かご。正面手前、奥向きに木製の机、
 正対する壁に巨大な隆起(スクリーン)。床から机と椅子、両側から隆起まで
 グラディエーションがかけられ。

 お話。便利屋ハリー、部外者は来られるはずがない所へ不器用な若者が迷い込む。
 時折そんなこともあるらしく、見習いとし。ゴミ出し〜ヤ○ザの後始末まで、
 よろずの依頼をこなし。とある日、生き死に関わる電話が掛かってくる。

 軽妙もペーソスあふれ、心沁みる大人の芝居。死んで(滅して)いるのではなく、
 生きてはいないだけ。確かに思いをかけ、そこにいる死者達と共生していく。
 特異な設定も、迷い込む若者とのやりとりで客席と舞台世界をつなぎ、胸に落ちる
 ものとし。現実の厳しさを知った上での優しさが知られて素敵。
 柄本さんのひょうかんさ/意地の悪さの混成を旨く活かし。美術がまるっきり
 インステレーション、超然とした浮き上がりぶりが○。

 アフタートーク 7:50-8:19PM(29)およそ居残り
 ダンカン(映画『生きない』脚本・上演)、川村毅

 初対面の二人。今回作品は黒澤明「生きる」とダンカン「生きない」にインスパイア
 されていること。

 川村 死んでいるものと同じ時間で呼吸をしている。ダンカンの「生きない」を
  当初そのままタイトルに考えたとか。
 ダンカン(感想)違和感はなく。縁者が相次いでなくなったこと。そこにいるような
  普通に会話もしてみたり。
 川村 世界は生きている人だけで成立していない。311で私たちは揺らいだ、
  動物達もそれ以降影響をうけている。被害は動物達も相当うけている。
  被災地で犬は保護できたが、猫が容易につかまらない。ボランティアのレスキュー
  隊に加わったこと(偶然、ダンカンも同じ団体で活動)
  人は人だけで生きていない、死んでいる人間とも共生していると思う。

 ダンカン 震災など被害を受け、全てを失った人へがんばっての言葉は、ノイズで
  しかない。私は言いたくない。
 川村 ハリーはがんばれとは言わない、曖昧にして受け答えし、話を聞いている。
  自殺する人を救えるのか。日本と特定はしていない、マンハッタンでもいい。
  ハリーの過去で、初稿は津波とそのまま書いたが、生々しいので炭鉱事故にした。
  311をきっかけにもっと私たちはいろいろ考えていい。
 ダンカン 世の中の疑問と思うこと、突き詰めてみるべきことを例示。
 川村 プライベートに対してくるものがある。
 ダンカン 生きている意味を無くしてしまった、それは(亡くなった人への)
  恩返しがもうできないから。替わって生きるとも今はいえない。
 川村 芝居で辛い思いをされたならすいません。

 ダンカン(わからないところはありましたか)全部わかっちゃたら、芝居じゃない
 (いいことをおしゃっる)
 川村 作家としていっておきます。台本では生死は明確。実は逆転している。
  ハリーは中間。あの部屋に来る人はみな死んでいる。電話は生きている人から
  かかってくる設定。ハリーもメイを救えない、救うのは死者達。死んだものも
  救われて共生している。

 ダンカン とどまっている人は割って入る(死者の)声を聞いている。生きてる人
  には相談したいと。
 ダンカン 予定。次の相棒でさわやかな死刑囚を。客席に柄本さんがいて気になる。
  呼んだけど挨拶だけ。

 川村 (客席へ)今日は私のいったことはみんな忘れていい。新興宗教みたいだし。

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