＠吉祥寺 吉祥寺シアター(2009/7/9-26 22ステージ)14，22休演
http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/
全指定 前売3800円 当日4200円 アルテ友の会会員3420円
作・演出：田村孝裕
美術・衣裳：伊藤雅子 照明：伊藤孝 音響：今西工 演出助手：城野健
舞台監督：村岡晋 宣伝美術：美香（Pri-graphics）制作：高田雅士、椎名浩子
企画制作：ＯＮＥＯＲ８ 主催：ＯＮＥＯＲ８、財団法人武蔵野文化事業団
出演：
山本裕典 ：民生
野本光一郎：達生(民生の兄)
冨塚智 ：遠藤
和田ひろこ：杏里（その妻）
坂田梨香子：樹理（その娘 中学生）
金森勝 ：水口（民生が働く金魚養殖場経営者）
伊藤俊輔 ：太郎（その息子。民生同級生）
冨田直美 ：里村（学校教師）
恩田隆一 ：杉（巡査）
岡本麗 ：母
2009/7/15（水）猛暑 7:36−9:20PM（1'40)後方上手 客席超満員(200人)
客層：20才代中心にほぼ全員女性。友達連れ多め。中年層若干。
客入れ：当日券あり。バルコニー補助席20、その後方に立見8人。平床2列、ひな壇
8列の通常席。10−20才代女性中心の客席から舞台の近さを喜ぶ声、そこここ。
折り込みチラシ結構。パンフ B5 3ページ。挨拶、配役、スタッフ、予定。
次回公演。12/2-6 B面公演＠シアターグリーン 物販。ポスター500円、Tシャツ
2500円。 カーテンコール4分2回。山本君から挨拶あり、可愛いの声しきり。
芸能人を主役に起用した新作第二弾。
舞台。郊外の農家？な、簡素で広い庭を望む作業場兼用な母屋。中央の壁が完全に
脱落、実質玄関となっているのが異様（そんな台詞ありのリアル設定）。雨風はどう
やって防ぐのよ？。上手に土間、洗濯機と台に金魚鉢。脱落壁の和室、座卓と
20インチテレビ。続きの台所。安普請なシンク、テーブルと椅子２つ。トイレと手前
廊下から寝室へのドア。
お話。躾だと虐待を受け続けた子供は長じて、病んだ母に看護という名で隷属する。
鬼のような母親は住人に疎まれながら、抗いがたい力を及ぼし続けている。そんな
親子の危うい生活を破る出来事が起こる、不況故の子の失業。タイミング良く、
かつて父親と蒸発した長男が援助の声をかけてくる。母親の利己心押さえがたく、
捨てられた子はついに壊れてしまう。子供もまた母の利己的暴力性を受け継いでいて
…。「事件」の証言を挟みながら描く、親子の利己的遺伝子が引き起こした悲劇。
感想というより疵痕を残すような、衝撃作。母親という存在を改めて問う、複雑で
思いテーマを、しっかりとしかし案配良く描く巧さ。現代の名工の腕にシャッポを
脱ぐねこ。困った青年役の山本君、大健闘。稚拙さも取り込んで、力強い演技を引き
出した名工の采配にも拍手。母親役岡本麗さん、リアリティ溢れる演技で母という
鬼役を好演。ラストシーンやら、記憶というか痕跡が心にずっと残りそうねこ。
真面目に壊れている主役達の周囲に、まじめにバカな脇役ほか多彩にちりばめ。
ギャグめき、芝居がかり寸止めの面白さが笑いを生んで、軽さと明るさをほどよく加え。
リアルに偏らない、お芝居な旨みを引き出す、さじ加減はさすが。
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