遊気舎「人間風車」
＠下北沢・本多劇場(1997/12/4-9 7ステージ) 全指定前売3800当日4000
作・演出：後藤ひろひと
出演：山本忠、楠見薫、三上市朗、久保田 浩、西田
政彦、谷省吾、うべん、
後藤ひろひと、スズゲルゲ（客いじりゲスト）他 全２５人（プリンス・ジャミー
・アリババ・ゴールデン40人・光と影・人工衛星 さんには、次回公演まで名前が
増長することを期待。）
1997/12/7(日)晴れ 2:00-4:10PM 前方から 客席ほぼ満員(400人、補助椅子なし）
客層：20〜30才代中心、男女半々。大阪な方もちらほら。
客入れ：特記なし。久保田、三上のカプリングＣＤあり。予約ねこ（限定500枚、
ねこ150番台）。じゃばら君？Ｔシャツにもそそられる。しかし元来、グッズ物欲
がないところに、急な充足は体に障るかと中止ねこ。次回持ち越し。
なんか突然の紀伊國屋進出。おなじみキャラが縦横無尽大活躍！？、紀伊國屋で？
としてもしょうがない憂慮して鱈、これが半分はストレートプレイ。安心。人間風車
・ビルロビンソン？。お客を地獄の底にたたき込む、プロレスな決め技ですか。
作品には、元ありと劇団会誌に。「源八橋西詰」：来年３月に久保田浩、山本忠、
楠見薫で上演との事。
舞台。怪獣公園なる住宅街の。オレンジとか暖色基調でそんな形なオブジェ。上手
に高く、下手に低くあり。下手上空には屋根と家な積み木細工なオブジェ。子供の
場所な雰囲気。
お話。自作ブラック童話を、子供らに聞かせてる気の弱い男（三上）。聞き手には
物語のまねする頭の弱い、子供みたいな３１男（山本）あり。ある日、ふとした出
会いで芽生えた男の恋。件の男へのちょっとした悪意を相手（楠見）に冗談めかし
て。が３１男は彼女の実弟。破局。折しも、友人の重大裏切りが追い打ち。作家の
怪物じみた憤怒と逆恨みは、３１男に伝染、形となって。
前菜な前半は、とりどりスープ。おなじみのうぷぷなおかしさの中、じわりシリア
スの塩味がぽつぽつと隠し味で。うべん、ひろひと大王はお馴染みキャラ、短いな
がら、客いじりもありなファンサービス。それらを、登場人物に絡めたＴＶ番組や
らの設定でいかにもありそうに上演、全体での違和感減。お腹もほくほくしてきた
ところで、メインディッシュ。大抵のお客が注文してないレア感覚、つうか痛い食感。
やっとこと、哀感なデザート。でも晩餐はこれからなのだな、もたれ気味、後を
引く味ってとこかしら。
どうしようもない哀しみ、苦しみに寂寥ねこ。31男：イノセントな心が復讐心の暗
部に支配され、滅びる。汚れた無為な心の哀しみ。作家：一旦芽生えた邪心は消え
ず、それに自ら恐れおののく無限地獄の苦しみ。恐怖は、心奥底の得体知れなさ、
暗部への否定できない共感にあり、かしらん。計りがたい伝染患者のような共犯者
達の存在。滅びて後、31男が掛けてくる電話。が、そんな未知の怖さを演出して○。
物語が支配する世界で、役者がただの駒のように感じるときも。作品の持ち味は違
えども、遊気舎らしい役者芝居も観たかったねこ。具体的にどうするかは今思いつ
かないけど。ホラーとしてアイディアの新味さは？。でも、後半部のみを濃く観た
い欲求は沸く。来年の「源八・」に期待ねこ。
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