遊気舎Vol.26「FOLKER」
＠下北沢・本多劇場 (1999/4/22-29 9ステージ)
全指定 前売3800 当日4000（指定）3800（座蒲団）
作・演出：後藤ひろひと[piper] 振付：福田転球[転球劇場] 演出補：谷省吾
照明：池田哲朗 音響：Alian Nouveau 美術：池田ともゆき
装置：篠垣雅男 衣装：平野佳寿代、田中千春子 小道具：ユニッタ、佐藤広美、
二宮いづみ 宣伝美術：黒田武志 オブジェ製作：岩橋貞典 制作：伊藤恭子ほか
プロデューサー：荻野達也 出演：下記
1999/4/28(水)晴れ 7:05ｰ9:40PM(2'35) 上手階段席から 客席超満員(440人)
客層：20-30才代中心。女性過半数。リピーターの人も多そう。
客入れ：当日券開演１時間前から。遅刻ねこには座布団席のみ。開演10分前集合、
５分前に入場。きっちり整列、荷物預かりも積極的にしてくれて○。でも、最初か
ら階段に列ばせた方が通行の邪魔にならず○と思うねこ。パンフ(1800)。ちと高め
ＦＤパンフを並売してほしかったねこ。おまけでMOTHER提供ボツ原稿収録。ほか、
テレカやらグッズ類販売。いつもお茶目な客入れアナウンス。今回の事務的内容に
ほよよと思って鱈、ダンス大会会場の演出なんね、と後半得心ねこ。
舞台。グレー地床中央に大きなリング。フォークダンスな輪はこの上で展開。後方
壁にも同形円盤。こちらはほとんど使用せず。のほとんど素舞台。
お話。雑誌記者に売り込まれてきた、脱獄女囚の手記。そこには死刑など重罪を課
せられた女囚の更正がためのフォークダンスプログラムを受けた筆者と仲間達の顛
末が書かれていた。物語は殺された妹の復讐がため、犯人・倉田の兄弟を殺害した
罪を負った空那と、彼女の凍った心を解いた教官松岡の２人を軸として進行。生き
延びた倉田らにはめられ、女囚達には生き地獄となるダンス大会「フォーカー」を
クライマックスに、笑みを唯一の武器として闘う女囚達の姿を描いていく。個々の
登場人物の描き方は表面的なれど、みないわくありげ。その辺からも、いつになく
群像劇な趣あり。
切な系、お芝居志向の遊気舎。挿話を重ねトリッキーな構成するいつもよか、お話
はすっきり。語り手と物語の虚実を重ねたりをさらりと入れこむ程度。進行をとめる
キャラ芝居もほとんどない（うべんも出てない）、アンサンブル志向。後藤大王に
何事があったのか！？な、「纏まりのよさ」にほよよねこ。「纏まり」の割り切りは
重罪を負った女囚達の暗部な過去を個々に描かず、空那と倉田の確執に集約、
反映したのにも伺え。わかりやすいけど、じゃばらなんかと比べると物足んなさあり。
他の女囚にもスポットをあてるとか、より重層としたのが観たかったねこ。
視覚もすっきりきれい。舞台や照明などそう。今は亡き女囚達が星の輝きに溶ける
ようにして踊るラストとか。その鎮魂の場の美しさには復讐の連鎖が繰り返される
物語の悲惨さと哀しみが裏打ちされてて、しらず涙腺にくるねこ。
すっきりとはいえ、箸休め的!?ギャグやメリハリな盛り上げも忘れず挿入。イカレタ
キャラのダンスチーム、ダンス大会での格闘技のり、フォークダンスの弾むリズム
とか。これまた過ぎないくらいの程よさが物足りなくていいやら、悪いやら。今回の
情緒感ある表現に、破天荒なシュールさがもっとブレンドされると◎なんだけどなあ。
今回の勢いを加速して、もっと先にいってほしい、とたゆまず期待ねこ。
役者。楠見薫。その存在感と演技力でいつもながら、群（文字どおり）を抜く。空那
登場シーンの緊迫に伺える、深い孤独感の表現とかはさすが。山本忠、西田政彦
しっかり役をこなし○。福田転球。舞台嵐加減が適度なアクセントで楽し。
出演：
・刑務所職員
岡田美子（所長 黒崎）、史野サロウ（看守）
・女囚チーム[スティール・キャッツ]
楠見薫（リーダー 空那）、中平みほ（恵）、バカボン（澄江）、峯素子（零）
田中香奈（深雪）、工藤まき（祥子）、二宮いづみ（花与）、小川十紀子（辻森）
魔瑠（老婆 ミキ）、福田転球（ピーター･ガン）、山本忠（教官 松岡）
・イカレタお坊ちゃまチーム[フォーク・ウォリアーズ]
西田政彦（倉田）、久保田浩（羽曳野の伊藤）、谷省吾（リー）、エル・ニンジャ
魔人ハンターミツルギ（サルバドーレ）、まついきよし（ティム）、
プリンス・ジャミー・アリババ・ゴールデン40人・光と影・人工衛星・C-500・
DIDDLE,FOG,DIDDLE・SLOWAIR・REWRITER・円卓・こうぼく・突撃ヒューマン（ＰＪ）
後藤ひろひと（リーダー マイキー）
・その他
信平エステベス（編集者 森）、篠垣雅男（ディレクター 武井）、
藤田佳苗（ＡＤ）、だれだっけ？（大会料理長）
・コロス
阿久津勝哉、石野紀子、いせゆみこ、伊藤たまみ、大原康子、小野ひでゆき、
斉藤麻英子、中根美好、ババヒロアキ、日向新、平井ゆり子、ますだころ、
松下清水、森野久美子、山下聡美
［月間一覧］
|