遊劇体「あらし」
＠大阪築港赤レンガ倉庫敷地内 特設野外劇場(1999/10/31-11/4 5ステージ)
全自由前売り2500 当日2800
原作：Ｗ・シェイクスピア「テンペスト」
台本・演出・舞台美術：キクモトマサヤ 照明：金森朗[アトリエアム]
音楽：涙・ロマンチカ 音響：池田夏子、大西博樹 舞台監督：材尾修
装置：菊谷高広 衣装：森田雅子、高山香緒里、飯室亜季子
小道具：重松諭子、安岡恵子 制作：平田美雪、山口茜、岡本司
宣伝美術： 画／花輪和一 写真／宮内ひろし
主催：大阪市文化振興事業実行委員会事務局、関西野外演劇連絡協議会
出演：
シゲマツサト子：エアリエル（プロスペローの妖精）
菊谷高広 ：プロスペロー（追放された元ミラノ大公）
天羽千夜子 ：ミランダ（プロスペローの娘）
陽州大 ：アロンゾー（ミラノ王）
山口茜 ：アン真理子（ミラノ王の後妻）
大熊ねこ：ササミドリ（ミラノ王の子。原作になし。）
由螺 ：フェルディナンド（ミラノ王の子）
扇谷泰伸：鳥九郎（ミラノ王の従者。原作トリンキュロー）
塚本修 ：シコラクス（魔女、キャリバンの母親）
木村嘉男：捨猿（ミラノ王の従者 原作ステファノー）
寺川努 ：キャリバン（化け物。プロスペローの奴隷）
坂本政美：権三郎（ミラノ王の老家臣 原作ゴンザーロー）
工藤恭造：わら人形１（プロスペローの化身）
相馬歩 ：わら人形２
鈴木昭彦：わら人形３
長谷川雅己、神田麻依子、長尾佳苗、中材雅美、星川奈穂、宮伸子、吉野那津季、
谷口玲子、前東さやか、清水理恵、菅望美：妖精たち
1999/11/3(祝水）晴れ 7:30-10:30?PM(3'00?) 正面後方から 客席8割(100人)
客層：老若男女。家族連れ中学生〜初老の夫婦まで。女性過半数。
客入れ：前売り、当日精算の順で入場。イントレに足場を置いた客席。幅狭く、
客席間の勾配が急なのでちょっと恐い。誘導は随時あり。毛布は希望者に早い者
勝ちで配布。下が冷えるのでもらった方が良。休憩時間に妖精がポケットカイロ
をばら撒きサービス（焼け石に水の逆な効果） 物販はあったようだけど失念。
周囲に自販機や店舗がないので、飲食物は事前購入が良。劇中、煙草を吸ってる
客あり、エアリアス（妖精）に注意されてましたです。客足みながら、ほぼ予定
時間に開演
港湾のレンガ倉庫街での野外劇フェス、ラスト。公演期間前に聞いた2時間超に
合わせて、深夜バス予約。当日3時間上演に泣く泣く、ラスト30分を残して退場。
クレーンで船を吊り上げたり、ラストだけでもな、ラストだったらしく後悔しきり
ねこ。もともとそんな長くない原作を大分潤色したよし。
会場、舞台。奥に開いたコの字スタジアム。イントレで組んだ急坂からして、
荒くれなアングラの魅力？。正面５、サイド２段のベンチシート。その頭上回廊で
は妖精が楽器演奏、会話したり。姿はみえねど、なんとやらな不思議さを醸し。
お話。原作、五幕九場。弟アロンゾーに領地を追われ島流しされた、公爵プロス
ペロー。魔法を習得、嵐をおこし弟の船を難破させる復讐。でも娘の結婚やらも
あって丸くなって仲直りする。つう伝奇物。贋作とことわり、アレンジ。プロスペロー
と周辺（ミランダ、フェルディナンド）ラは、原作に結構律儀。その他は大幅脚色。
ラストはみてないけど、途中のブラック経過からしてすんなりいかなそう？。
混乱させられる非現実・悪夢なありさまが面白い。火吹き男の火焔、荒荒しく
現われる大型船と本水の嵐なスペクタクル趣向。無茶加減は、野外アングラ劇の
醍醐味。裏返しにして、人の暗部を禍禍しく描いてく。プロスペローの高潔顔と
ぶっ殺すを連呼する呪い人形の荒くれのギャップ。復讐を代行、妖精エアリエル
の小悪魔な悪戯。使命というより、純粋に楽しんでいるその様の怖さ。たがが
外れたように、狂気にいたる登場人物達。邪心に満ちたちんぴら従者達。内輪もめ
で支従逆転・こてこて漫才トリオな侍女。勘違いササミドリの静かな狂気。
そんな中でミランダは、高潔と猥雑さの間に宙ぶらりんの夢うつつ。
そのイノセンスさは、この世界放りこまれた私達観客のよう。妙な体感気分ねこ。
役者。エアリエル役、シゲマツサト子。マニッシュな風貌にしなやかな肢体が○。
従者、侍女らの熱心なこてこて演技は、ちと長すぎ。顔見世な前半がとくに。
休憩時間に幾人か帰ったのは、寒さのせいばかりでないと思うねこ。
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