＠西麻布 麻布die pratze(2005/12/19-26 12ステージ)26m追加公演
http://www.geocities.jp/azabubu/
全指定 大人前売3800円当日4000円 小人（中学生以下）前売1900円当日2000円
脚本・演出：山内健司 舞台監督：森下紀彦 舞台美術：原田恭明
照明：佐藤啓、溝口由利子 演出部：丸岡祥宏、金子晴美 楽曲：大城静乃
音響：藤平美保子 装置：福田暢秀[F.A.T STUDIO] 衣装：加藤和恵、平野里子
宣伝美術：手島領[蛍光TOKYO] 宣伝写真：RIN 制作：城島和加乃
出演：
深浦加奈子：婦人
原金太郎 ：主人
中村方隆 ：しま
飯田孝男 ：ウー
岡部たかし：おから
中込佐知子：ハル
北浦実千枝：理子
須田邦裕 ：タカシ
西岡隆浩 ：中沢信一郎(刑事)
渡部友一郎：反町隆(刑事)
THE MAN ：サンタ
2005/12/23(祝金)晴 7:40-9:22PM(1'40) 正面中段 客席満員（90人）
客層：20-30歳代最多、中年層結構。女性過半数。
客入れ：雛壇7に千鳥配置の椅子席。下手にも2列。通路が２つあるも座席の前後が
狭いので、早め入場が○。劇中暖房を停めるので、上着は着たままのほうが○。
折り込みパンフB6 3ページ。挨拶、配役、スタッフ、予定。 物販。Tシャツ2500円
貴婦人缶入りセット3500円（だっけ？、手袋ほかグッズ同梱) カーテンコール1回
2分。なお26日15:00に追加公演あり。
NOVAの日、セガ湯川専務、にゃんまげ等を監督したCM界の巨匠、青年団の役者山内
さんと誤解されるので今後、「山内ケンジ」氏の演劇公演第2弾。CMプランナー
会社のバックアップアップと魅力的な役者を得ての第２弾公演。
舞台。下手、ブルーシート出入り口の小屋は橋下の浮浪者住居。上部に切り株２
ほかを置いて公園や、ベットを置きお屋敷の2階設定。上手半分に8人掛けの食卓と
椅子、格子の壁、小さな電話。下手にクリスマスツリーと、粉雪がみえる高い小窓。
お話。クリスマスイブ、下らない喧嘩から銀シャリ飯をおじゃんにした中年浮浪者
3人。紳士的なしまはそれでも、弱虫の老人ウー、考えが足りない若者おからを
責めることはせず。とはいえ空腹、情けなく訴える声に応える女性の声あり。
みても聞いても、本物のお金持ち婦人。問わず語りに、慈善活動の帰り道、よけれ
ば自宅にておもてなしをしたいという。
施しは受けないと堅く断るしま、しかし仲間二人は誘惑に耐えられず、婦人の誘い
を受けることに。そのころ、婦人の娘は職人の彼氏と戸外デート。心根が優しい男は
誤り癖があるらしく、娘は逐一心がこもってない、「粗製濫造」と責めたてる。
そんな面倒くさい娘は、自分とここでＨをするか、両親をあうかの選択を迫る。
もう無理難題。お金持ち令嬢と皮張り職人、「身分違い」の気後れもあり、まだ
寒風すさぶ野外Ｈがましと応えるが、わがまま娘は聞く耳をもたず。かくして、
お金持ちの母と娘は、「身分違い」の男たちを家に引き入れることになる。その頃
お金持ちな彼らの金をねらう企みが進んでいるとも、知らずに。
きれい事じゃない「クリスマス劇」。感動を装うTVドラマへの揶揄もあるのかし
らん。毒と皮肉を絡め、達者の役者芝居で面白く見せ。サスペンスな物語展開、
ユーモアの案配は「葡萄と密会」のが○、次回期待。
悪意の顛末あれこれ。イノセンスな夫人は浮浪者へ供宴、強要。そのわがまま娘も
同様。愛の名のもとに、恋人に隷属を強制。母子ともに、善意や愛に含まれる傲慢さ
その無自覚な悪意をみせつけていく。さらに、一家の金を狙う男とその恋人で潜入
メイド（かつ金持ち一家に残虐な憎しみを抱く）娘の悪行を重ね。浮き世離れな
ぶりと、しっぺがえしな現実(悪臭に耐えかねておう吐とか）の落差を演出。ヒス
テリックな笑いを生んで、作家の悪戯心？悪趣味？を伺わせ。もうちと捻ると、
絶妙なユーモアともなりそうなのに、ちと荒削り感。惜しいと思うねこ。
ラストは紳士的浮浪者が殉じ、押し込み強盗は相死。ともに家人とメイドの嘆きの涙が
注がれる形で、神の視点からすれば愛が示され。最後まで皮肉なクリスマス劇なり。
役者。いるだけで面白い個性派ぞろい。お金持ち父・原金太郎さん。目が三角、
腹ぼて、子煩悩と絵に描いたような様が見事。分別をわきまえた紳士的乞食・中村
方隆さん。ぼっさりと脂が抜けた様と、ぼろは着ても心は錦なたち振る舞いの相反
に哀感。働きもの、実は残虐な業の深いメイド・中込佐和子さん。美人女優ゲロを
吐き、男を足蹴にしても様になり。お金持ち母・深浦加奈子さん。徹頭徹尾、地上
から浮いている演技を存在感をもって好演。害のなさが逆に危うさをにじませて、
さすが。
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