前頁 ] ホーム ] 一覧 ] 次頁 ] 


 H・アール・カオス「秘密クラブ…浮遊する天使たち'98」

 @新宿・SPACE ZERO (1998/12/9-13 6ステージ) 全指定前売り5000当日5500
 構成・演出・振付:大島早紀子 作曲:落合敏行、笠松泰洋、SUGIZO
 照明:小笠原純 音響:石神保 舞台美術:H・アール・カオス
 衣装:田中広美 舞台監督:北村雅則 プロデューサー:立川直樹
 制作:柏雅弘ほか
 出演:白河直子、奥山由美子、内田香、勝倉寧子、菊池久美子、木下菜津子
 平山素子、川口維、池田真弓、片井映、西田弥生、丸山尚美、北山徹子

 1998/12/12(土)晴れ 7:35-8:40PM(1'35) 最前列上手より 客席満員(400?人)
 客層:20-30才代中心に老若男女。
 客入れ:当日券、開演1時間前から。数人しかおらず、拍子抜け。最前列席。
 白河さん始め、眼の演技もはっきり見とれて嬉しいねこ。

 '93@シードホール以来、間口2倍以上の会場となっての再演。
 舞台。客入れ、劇中も濃い闇が支配。後方、幕内には鏡一面の仕掛けあり。
 
 カオス最高作、予期せぬ衝撃波。怒涛の純ダンス展開がまあすごい。息もつかせぬ
 舞台とはまさにこのことなり。今年眠たくならず、ダンスを全編楽しめたのは、イ
 デビアンと今回だけ。再演だし昨今カオスならまあ見送ってもと思ってた、過ち犯
 すとこだったねこ。カオスを見るきっかけとなった作品が、改めてこれからも見つ
 づけたいと思わせてくれたことが嬉しい。

 ワイヤ吊、鏡、懐中電灯、布の海・・種々アイディアを盛り込み、アクロバティッ
 クと内面表現を両立。例えば、ワイヤでの飛翔。差別、支配、隷属といった縛めか
 ら人が逃れえぬものであることの逆説として感じられ、胸に迫る。ラストの白河ソ
 ロは初演の切なさを越し、きりきりと痛かったねこ。構成は大分かえてるみたい。
 シンメトリーに二人対峙する、美しい椅子浮遊場面や白河ソロ以外は思い出せると
 こなし。細かくはわからねど、激しい動きでの切れと安定感など、ダンサーのレベ
 ルはいままで一番の印象。スタミナもかなりで単純感嘆ねこ。

 好きなとこ。懐中電灯で足下を照らしてのエロティックで激しめの。その後の太玉
 頭上大廻しは何事?と驚いたねこ。笑いなど変にサービスせず、クールに決めまく
 ってかっちょいい。ボンテージおねえさま達が冷ややかにポーズするのにぞくぞく
 ねこ。特に冒頭からずっと対になってる二人は、絵になって素敵。

 昔も書いたけど、なんで東京だけステージなの。もったいないおばけ1万人は出そ
 う。某ビールメーカー協賛らしいけど、ポケットマネー2,3千万も出せば3都市
 公演できるんじゃないのかしら。

 ねこの主な進行の記憶、印象
・懐中電灯で照らし探るような、目隠しの二人。椅子の上に立ち、客席をライトでま
 さぐり、挑発的。
・何人か、ワイヤ吊り、椅子ダンス。ポーズが決まってかっこいい。暗転後、逆さ吊
 り。その後地上帰還、1人だけ指をねっとりくわえたりしてエロティック。前面両
 脇では冒頭の二人が睡眠中。二人の夢想世界かこれは→前方二人激しく人形ぶり。
・幕を落として背景に鏡。矢尻配置でのけぞったり、座ったり椅子ダンス。鏡と二重
 写しの光景が興味深い。
・両袖に変わらず黒の二人。奧から赤スリップの女性登場。白河は沈思黙考。波音が
 聞こえる。照明ブルー。赤スリップ女性、白河に手をさしのべる。赤スリップ女性
 達、足下を懐中電灯で照らしながら闇の中で激しいダンス。部分見えがエロティッ
 ク。赤スリーブ女性の股間やらに黒の人達がこぶし差し入れ。格闘めいた、陵辱?
 のダンス。赤スリップ女性、巨大な銀の玉を黒の人達の頭上で振り回す。
・白河ソロ。身を横たえ、なにか不自然なポーズ。
・赤スリップ女達、横座り。白河は気遣うようにそれぞれに手をさしのべ、立たせる
 マイナーなVn曲。白河は赤スリップ達に静かにせよと口に手を当て「しっ」と。黒
 い人と赤スリップ女性がペアでダンス。孤立する白河。黒い人三人での高速ダンス
 に移行。白河倒れ伏す。
・白河1人。断続するハム音、ノイズ、壊れた音楽〜レクイエムな曲。白河茫然自失
 ?。半裸の黒い人三人が苦しげな振りでバックダンス。白河は手を虚空にさしのべ
 、抱え込むも空を切るのみ。目は虚ろに上方の何者かを追いかける。
・背景に鏡。黒い人の2ペア。椅子に足をかけワイヤ吊り。美しいシンメトリでポー
 ズ。スモークが床一面、浮かんでるような4人。
・激しい曲。赤いスリップ女性に群がる黒い人々。黒い人達がはじけるダンス。一転
 静寂。うろたえる白河。再び曲激しく。左右4+4台イントレ台車には黒い人達、
 周囲に赤スリップ女性。激しく台車を動かし、身を乗り出しながらの双方の攻防戦
 白河やがて中央に追いやられ、周囲を取り囲まれる。狂おしくダンス、倒れ伏す。
 手をさしのべるも拒否され。黒が赤いスリップ女性をリフト。白河はひとり虚空を
 追い、ワイヤ吊り。周囲を取り囲まれ(だったかな)ゆっくりと公転激しく自転。
・黒い人二人、銀幕を引いて舞台全体をおおう。吊られた白い椅子。上半身半裸の白
 河。バーバーのアダージョ。苦悩な痛みなダンス。倒れ伏す白河。浮遊する人々。
 波立つ銀幕。白河起きあがり、高く浮遊。舞台前面、客席頭上に銀の幕を従えて。
 吊られた椅子にしがみついて。