Ｒ・Ｕ・Ｐ 「二万七千光年の旅 〜世紀末の少年」
＠大阪 シアタードラマシティ(2000/11/3-12 12ステージ)
＠東京 PARCO劇場 10/11-28 21ステージ
指定 S席8､400円 A席7,300円 立ち見6,300円？
作：野田秀樹 演出：岡村俊一 演出補：小池竹見[双数姉妹] 装置：川口夏江
照明：中川隆一 音響：山本能久 舞台監督：増田裕幸
制作：大金ふみよ（ＲＵＰ）、毛利美咲（パルコ）
プロデューサー：佐藤玄（パルコ）ほか
企画制作：（株）パルコ、（株）Ｒ・Ｕ・Ｐ
出演： 初演1980冬 今回
夢の遊民社
駒場小劇場 PARCO劇場ほか
全自由700円 指定8,400円 無名人 野田秀樹 三宅 健[Ｖ６]
益荒男 円城寺あや 山口紗弥加
みゆき 治田 敦 加納幸和[花組芝居]
芸術男 佐戸井けん太 松沢一之
教養女 三枝きわみ 平栗あつみ
有名人 松沢一之 河原雅彦[Highleg Jesus]
お茶の水博士 ？ 村木 仁
世紀末の少年 ？ 中本奈奈、田村たがめ[大人計画]、
住吉世メ子[カムカム]
田村奈緒[元扉座]、高橋麻里[扉座]、吉良咲子[扉座]
平沼紀久、五味祐司[双数姉妹]、阿部宗孝[双数姉妹]
2000/11/3(金祝)晴 12:40-2:45PM(2'05) 前方より 客席超満員(920人)
客層：ほぼ全員10-20才代女性。お行儀○。おじさんおばさん少々。
客入れ：当日券あった模様。中段入口横に補助席。立ち見席は最後尾。大きな会場で
声はちゃんと届いたかしら。前日予約（キョードー大阪）ねこは、４列目と◎席、
キャンセル分？。ダフ屋おじさん数人もまず電話するのが○。四列で入場、入口で
カメラとテレコチェック。たまに停滞もスムーズ。
物販。パンフ(Ａ４ 1,500円）野田演劇の見方、今回の謎解き掲載。野田氏の寄稿
もあり。ほかの物販不明。
開演前の注意は、五味祐司君。黒パン一丁で目立って登場。こんにちわー、素直に
応える反応いい客席。例のへたうま口調でお願い。だめだめばかりじゃあねえと、
観客参加の劇中もりあがるシーンの協力依頼。彼のこと知らないだろうに、親しみ
リアクションする客席がいい感じ。
20年前と遥か初演の「夢の遊民社」作品。ねこ未見。20才のアイドル二人に有象
無象の小劇場役者、と２世代遥かの取り合わせ。初演の松沢さん出演、双数姉妹の
小池竹見演出参加が一部で話題。
舞台。奧に連なるでけえ楕円に囲まれ、タイムトンネル状。円環は駆け上がり飛び
とか「野田秀樹走り」に使われ。奧に中二階通路。黒のパンチングメタル壁下に、
夫婦の部屋とかこじんまりとあり。
お話。遭難、助けを求めにさまよう無名人。は７０日目に戻らなかったら、妹を
食べてくれと言い残しての決死行、もいつしか忘れ。ただ、益荒男となにをか
もとめてか、西を目指している。一組の夫婦あり。時空を飛び、物語を俯瞰する
レポーター役な二人はなんか夜通し遊び放し。救世主？を想わせる有名人。昼間は
天地創造な付録の学習雑誌をセールス、夜は諸行無常に×な輩に罰やら、闇の家業
神出鬼没、どこでも登場。醒めた目線でコメンテーター。まあ、口だけなんだけど
私設学院・エデンの東。少年達はすくすく、でも、彼らは惨禍を忘れちゃってる。
居丈夫の園長みゆきはとんだ食わせ者、実のところ正体不明。そんな胡散臭い輩に
ちゃちゃ入れられるも、仲間との「契り」を一途に守り、一路を勘違いに彷徨う
少年二人。望む未来〜二万七千光年先には「契り」も「純真」も虚なしくなること
も知らずにして。
野田演劇を離れ、瑞々しいアイドルを得て蘇る、失われた少年の物語。生きている
幸福を体現するよな、愛らしい三宅、山口。思ったより堂々と膨大な台詞をこなし
こなれてて安心ねこ。三宅の軽やかで切れる動き、山口の真っ直ぐな瞳と愛らしさ
にほ〜と嘆息ねこ。とりわけ、山口の初々しさは印象的。初演当時、高校を卒業
したばかりだったという、円城寺あやの往時も想わせ。イノセンスに救いを信じる
主人公のさまが演技と重なり、微笑ましくも痛々しく、胸を打つ。
ラスト、行き場なく戸惑う、三宅のおののく瞳、はリアルに現実の醜さを伝えてて
○。でも、中段以降の客席から表情は見て取れるかしら？。座席でだいぶ印象違い
そう。
夢(悪夢か）のように天衣無縫な本はなんかもうすごい。「夕方」の一言でお客の
胸中を暁に染め、郷愁なまで時間を遡らせる、野田マジックの残り香に酔うねこ。
不世出の遊民社の身体性に比較し語れるものなく、台詞だけがただ流れていくよな
寂しさあれど。小竹演出は替わり、チアリーディングやらで空間をかるーく彩り。
ギャグやら遊びをテンポよくいれて、難解の海に静めず。さらっとして物足りない
、けど飲み易いな。本編如何はさておき、今時と思うねこ。
役者。それぞれバックボーンでさせられたり、したりして。河原さん。背中のＨＪ
（アヌスが大好きと読むらしい）が泣かせる。ともかく多量の台詞をこなしてご苦労
様。持ち前のクールコメントはこれでもかとして○。大阪バージョンのあれこれは
初日からちゃんとあり。平栗さん。平均的。松沢さん。変わらない声が懐かしい、
テンションは穏やかめにして年相応というところ。加納さん。他の人と違う醒め
切り。キャラのせいもあるか。にしてもなんかあざとく色物演出。日舞に歌舞伎
のりとか。ファンサービスなんだろうけど、逆効果演出でわ。みゆき役はきりりと
ダークに決めて○。五味君のダンスソロがあるか（あるわけないか）と期待も、
ただのモブ埋もれで寂しいねこ。
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